『テクノロジーの地政学』2

<『テクノロジーの地政学』2>
図書館で『テクノロジーの地政学』という本を、手にしたのです。
トランプさんのファーウェイ排除は極めて傲慢にも見えるが・・・
いやいや、中国が狙う「ソフトウェア経済圏」は侮りがたいのである。



【テクノロジーの地政学】


シバタ ナオキ, 吉川 欣也著、日経BP、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
「ソフトウェアが世界を飲み込む」時代の歩き方。ソフトウェアの進化が製造業や金融業などあらゆる産業に影響を及ぼすようになった今、我々はどう適応していけばいいのだろう?この問いへの答えを、日本の先を行くシリコンバレーと中国の最新動向から探っていこう。
【目次】
01 人工知能/02 次世代モビリティ/03 フィンテック・仮想通貨/04 小売り/05 ロボティクス/06 農業・食テック/おわりにー日本企業への提言と謝辞

<読む前の大使寸評>
トランプさんのファーウェイ排除は極めて傲慢にも見えるが・・・
いやいや、中国が狙う「ソフトウェア経済圏」は侮りがたいのである。

rakutenテクノロジーの地政学



中国製の産業ロボットが気になるので、そのあたりを見てみましょう。
p238~241
<ロボット大国への道を決定付けた「中国製造2025」> 
 2018年10月に国際ロボット連盟(以下、IFR)が発表した「WR 2018 Presentation Industrial and Service Robot」というレポートによると、2017年は産業ロボットの販売台数で中国が世界の約三分の一を占めたそうです。これは何がトリガーになっているのでしょうか。数字の背景にある動きを、「匠新」(ジャンシン)の田中年一氏に聞きました。

≪産業ロボットの販売台数は5年で6倍に≫ 
 前述したIFRのレポートが「産業ロボットの販売台数世界トップ5ヶ国」に挙げているのは、上から順に中国、日本、韓国、米国、ドイツです。順位だけ見ると日本も負けていないと感じるかもしれませんが、中国の販売台数の伸びは図を見ても分かるように驚異的と言っていいレベル。同レポートにある別の調査結果を見ても、2013年~2017年の5年間で販売台数が約6倍のペースで伸びており、主に自動車関係やIT関係でのニーズが爆発的に増えている状況です。

 今後についても、2018年7月に中国ロボット産業連盟が「2018年の産業用ロボットの販売台数は18万台規模になるだろう」と声明を出していました。

≪「中国製造2025」の概要≫ 
 短期間でこれだけ販売台数が伸びた背景には、AI産業などと同様に国策があります。2015年5月に中国政府が発表した「中国製造2025」です。

 中国政府は、前年の2014年を「中国ロボット発展元年」として、製造業における産業用ロボットの普及を国として支援し始めました。そして2015年、三つの段階を経て国内の製造業を世界トップにする計画を打ち出します。第1段階は2025年までに世界の製造強国入りを果たすのが目標で、「中国製造2025」はそのためのロードマップとなっています。
 
≪「ロボット産業発展」5ヵ年計画がロボット導入を後押し≫ 
 計画を遂行するするための具体的な施策としては、2016年に「ロボット産業発展」の5カ年計画が発表されました。それでロボットによる自動化が一気に注目されるようになり、国内の販売台数が爆発的に伸びたというわけです。

 この5ヵ年計画には、2020年までに「設置密度で150台以上」「うち国産メーカーで10万台以上を実現する」という数値目標も織り込まれています。設置密度とは、労働者人口1万人あたりのロボット設置台数のこと。

 IFRの調査だと、中国は2016年時点で68台、2018年は100台以上になるとされています。ちなみに他の先進国では韓国が631、シンガポールが488、日本は303となっています。これらの国が図抜けているのは、人口に対して自動車をはじめとした製造業が多いことと、国内に強いグローバルメーカーがあるからでしょう。現状、中国の設置密度は年間でだいたい15~20台増のスピードで高まっているので、2020年までに「」という目標は非常に高いものになります。ただ、それに近いレベルまでは伸びそうな勢いがあります。

 今後、中国では「一人っ子政策」による少子化問題が出てくるはずで、労働人口が減っていく一方、工場で働く人々の人件費は年々高まっています。こうした事情もあって、ロボットによる自動化が急務なのです。


『テクノロジーの地政学』1

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