『メーター検針員テゲテゲ日記』1

<『メーター検針員テゲテゲ日記』1>
図書館に予約していた『メーター検針員テゲテゲ日記』という本を、待つこと8ヵ月ほどでゲットしたのです。
入荷待ちで予約の先客が12人もいたが・・・図書館側で副本を増やしたのかもね。



【メーター検針員テゲテゲ日記】


川島徹著、三五館シンシャ、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
「あとで来てよ」「えっ」「あとで来いって言ってるだろう!」今日は332件ある。やっと82件目である。同じ家に二度も来るほどのんきなわけにはいかない。あんたね、こっちはそんなのんきな仕事をやっているんじゃないんだよ、と言いたかったが、指先は震えていた。-私は10年間を電気メーター検針員としてすごした。その経験を書いたのが本書である。

<読む前の大使寸評>
入荷待ちの新刊であっても、予約の先客が12人もいるのか・・・やや出遅れたか。

<図書館予約:(7/10予約、9/18受取)>

rakutenメーター検針員テゲテゲ日記


冒頭の話が特に恐いので、見てみましょう。
p12~14
<激怒した若い男:引っ越し中の検針作業>
 明和2丁目の家で引っ越しをやっていた。 
 荷物が搬入される玄関先に茶髪の若い男がいた。
「けん、しん、でーす」
 あわただしい様子に小声で挨拶して電気メーターのところに向かった。
 引っ越し業者と話し、家の中に「おーい、あの書類」と叫んでいた茶髪の男に私の挨拶は聞こえなかったらしい。私のほうに目を向けた男は、「なに」と乱暴な声。いらいらし、いまにもキレそうなその目つきに不安を感じた。

「け、検針です。電気メーターの」
「あとで来てよ」
「えっ」
 玄関横の電気メーターの前で私は声を詰まらした。
「あとで来てよ。忙しいんだよ」
「み、見るだけですから」
 同じ家に二度も来るほどのんきなわけにはいかない。

 今日は332件ある。やっと82件である。それに電気メーターは目の前。私は右目を男に、左目を電気メーターの指示数に向けた。
 あんたね、こっちはそんなのんきな仕事をやっているんじゃないんだよ、といいたかったが、指先は震えていた。

「あとで来いって言ってるだろう。聞こえんとか!」
 引っ越し業者の男性が気の毒そうに私を見た。
「あとで来いって、わからんのか!」
 同じ言葉をくり返した男の顔に激しい感情が広がっていた。

 思わず後ずさった。引っ越しのいらだちのすべてを私に向けようとしている。いや、彼の人生のいらだちのすべてを私に向けようとしているのだ。
 い、いま終わりますから。

 私は左目で読みとった指示数を入力した。2964。
 はたと指が止まった。
 十の位は「6」ではなく「8」だったかもしれない。誤検針は始末書を書かなければならない。さらに現場での個別指導がある。年に10件もやるとクビになる。

 いや、クビより身の安全のほうが先だ。十の位の間違いなど無視だ。
 64だ。2964だ。


現在70歳の著者は「私はこれからも書く。まだ書く。それが私の人生になったからだ」と言ってるそうで・・・生涯をかけた作品というか、まだ懲りないようでおます♪



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