『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』5

<『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』5>
図書館で『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、内容は興味深いのに、著者の軽口が鼻につくのです。
でもまあ、それも個性ということで借りたのです。


【鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。】


川上和人著、新潮社、2017年刊

<「BOOK」データベース>より
出張先は火山にジャングル、決死の上陸を敢行する無人島だ!知られざる理系蛮族の抱腹絶倒、命がけの日々!すべての生き物好きに捧げる。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、内容は興味深いのに、著者の軽口が鼻につくのです。
でもまあ、それも個性ということで借りたのです。

この本を借りたのは二度目になるので、(その5)として紹介します。

rakuten鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。




「第1章 鳥類学者には、絶海の孤島がよく似合う」が興味深いので、見てみましょう。
p25~29
<絶望に一番近い島>
 2004年の調査から約10年、そろそろ再調査と思っていた時だ。2013年11月、島の近傍で海底火山が噴火し、島ができたというニュースが巷を駆け巡った。悪い予感がした。

 西之島の東南に生じたので、東南西之島という前衛的な命名を期待した。しかし、あふれる溶岩により島の成長は止まらず、12月にはまたもや西之島に接続した。我が盟友たる新島部分は、2014年9月までに溶岩に飲まれ、41年の生涯を終えた。バカボンのパパと同い年である。私は、人知れず友の死を悼んだ。

 研究をしていると、たまに調査地が消滅する。私の調査地が、焼き畑で灰塵に帰したこともある。友人の調査地が、崖崩れに没したこともある。そして今回、島の生物相の謎を解く研究計画は、みるみる溶岩に飲まれていく。国内に2ヶ所しかないオオアジサシ繁殖地の一つは、すでに跡形もない。私ほど今回の噴火を呪った者はいないだろう。

 一方で、海上保安庁の航空写真では、溶岩の傍でも植物が青々と茂っていた。これは有毒ガスが少ない証拠だ。つまり生物への影響は、溶岩と隕石という物理的効果に絞られる。これなら鳥への影響も最小限である。噴火中の繁殖地にもまだ海鳥はいるかもいれない。災害に対する海鳥の振る舞い、これもまた滅多に調査できない興味深いテーマだ。調査地消滅の腹いせに、ぜひ確かめたい。

 しかし、噴火は当初の予想より大幅に長引き、島から6km以内は警戒区域とされ接近が制限されることとなった。それだけ危険な状態ということだ。誓って言うが、私の研究には命をかける価値はない。そもそも私は、文房具屋めぐりを好むインドア派だ。現地を確かめる術はない。

 臆病風が好奇心を駆逐してモジモジしていた2014年、NHKから声がかかった。噴火の記録を残すため、無人飛行機で撮影するので一緒にいかがというお誘いだ。これなら私は安全である。安楽椅子研究者の心が浮き立つ。御都合主義的展開に、心から感謝だ!

<行こう、行こう、火の山へ>
 12月初旬、撮影の日が来た。無人機を操るのは新潟県のエアフォートサービス、震災後の原発撮影にも活躍した空撮のプロである。

(追って記入予定)


『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』4:鳥の色彩p197~200
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』3:鳥類学者の生態p187~190
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』2:糞尿譚p96~98
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』1:メグロp18~20

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