『鉄の胃袋中国漫遊』

<『鉄の胃袋中国漫遊』>
図書館の放出本で『鉄の胃袋中国漫遊』という本を入手したのです。
ぱらぱらとめくってみると、思いのほかカラー写真が多くてビジュアルである。
・・・これは、まったくありがたい放出本であった。


【鉄の胃袋中国漫遊】


石毛直道著、平凡社、1996年刊

<「BOOK」データベース>より
上海、鎮江、揚州、南京、重慶、済南、広州…強靱な胃袋にものをいわせて大中国を食べ尽くす。市場を巡り、露店・屋台でつまみ、庶民の食卓に連なってとどめは名菜のフルコース。食の第一人者が堪能した、驚異の中国「食」紀行。

<読む前の大使寸評>
追って記入

amazon鉄の胃袋中国漫遊



何はともあれ、南京のウドンを見てみましょう。
p123~128
<ウドン・ウドン・ウドン>より
 朝の八時すぎ。日本だったら駅の立ち食いソバ屋と一膳飯屋と学生食堂しか開業していない時間。中国の都市ではたいていの飲食店はすでに営業している。東京の盛り場にたとえたら仲見世とでもいうべき、孔子を祀った廟の門前町として形成された飲食店街は、どの店も満員の盛況ぶりだった。

 中国人の外食好きは昔から定評があるところだが、とくに朝食には外食が好まれる。小吃といわれるスナック類の専門店ばかりでなく、昼間はちゃんとした料理を供する店でも、午前中は麺類や包子などの手軽な点心類を専門に商う。家で朝食をつくる労力と費用を考えたら、外食をしてもけっこう安い値段で済ませられるのだ。ともあれ、朝から飲食店街に人の渦ができる国はほかにはなさそうだ。

「馳名?魚面」という看板につられて雄和園という店に入る。?魚はタウナギ、面は麺の簡体字だ。してみると名物タウナギ・ウドンとでもいったところか。セルフサービスなので、満員の店内で行列をつくって待つ。順番がきて、窓口から熱いドンブリを渡されて、空いているテーブルを見つけて腰をおろす。

 日本の冷麦ほどの細いウドンのうえに、骨をとって割いたタウナギの切り身に塩味をつけて、炒め煮にしたものがのっている。スープはタウナギを煮た汁で、油がギトギトと浮きあがっている。『随園食単』の?麺の項には「?魚を弱火でとろけるほど煮て濃厚な汁をつくり、そこに麺を加えてもう一度煮たてる。これは杭州の作り方である」(中山時子訳)とある。

 タウナギを油炒めにしてあるところがちがうが、随園先生のおっしゃったものとほぼ同一物だろう。薬味類は入れず塩味だけのスープだが、思ったほど生臭さはない。が、やはりウナギに似た油ぎった味がする。ウタミナ・ウドンといったところか。値段は六角(約72円)。

 新奇芳閣という店は清真館、つまりイスラム料理店だ。ここで三両の単麺を注文する。両とは重量の単位で一両が50グラム。一両のウドンというと飲茶碗くらいの碗に入れたもので、ドンブリに入れたウドンは二両か三両がふつうだ。ついでながらのべると、ウドン玉ばかりではなく、中国では酒、油、醤油などの液体も重量で計り売りをする。中国で出版されたクック・ブックはカップ何杯といった記述はほとんどなく、スープや液体の調味料も重量で書かれているので、容量で計るのに慣れているわれわれには奇妙な感じがする。

 ほとんどの飲食店が公営企業なので、生ウドン一両の公定価格がきまっていて、単麺すなわち東京でいうカケウドン、関西での素ウドンにあたるものは、原則として店の別なくおなじ重量ならおなじ値段で売る。特別のスープや具によって店による価格の差がつくのだ。

 イスラム教徒の入る店なのでブタは使わず、牛肉でとったスープに醤油味のカケウドンだ。薬味や野菜のあしらいはなし。これもまた、スープの表面に脂が浮いたものだが、見かけよりはあっさりして、コンソメのヌードル・スープといったところ。
(中略)

 大食いぶりをながめていた国際旅行社のガイド女史が、肉ウドンのうまい店があるからもう一軒行ってみるかという。もう満腹なのだが、うまいものを辞退する手はない。

 チン園春という店で肉糸煮麺に挑戦した。これは二両が一人前だ。麺をゆでてから、一人前ずつ小鍋に入れて、ブタ肉の糸切りと一緒に煮こみウドンにしたものをドンブリに入れてだすので、手間がかかり、肉がのっかっているので、単麺よりは高くなる。白くて濃厚なスープである。熊本ラーメンのスープの味を思い出した。





ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント