(耕論)「緊急事態」なのか

<(耕論)「緊急事態」なのか>
新型コロナウイルス対策の特別措置法が、3月13日に強行採決され気になっているのです。
北海道大学教授の吉田徹さんが、「市民側も理性的に判断を」と説いているので見てみましょう。


(吉田さんのインタビューを3/20デジタル朝日から転記しました)



新型コロナウイルスでも、法改正により首相が「緊急事態」を宣言できるようになった。一斉休校の要請など安倍晋三首相の政治判断に批判も多いが、「伝家の宝刀」は使われるのか。

■市民側も理性的に判断を 吉田徹さん(北海道大学教授)

 新型コロナウイルスの感染拡大で各国が非常事態宣言を含めた「強い」政策を打ち出しています。危機に対応するには、リベラルで多元的な政治より、権威主義的で強権的な政治の方が有効なのか。各国の対応を比較すると必ずしもそうではないと言えます。

 非民主主義国と民主主義国を比べると、感染症による死亡率は所得の影響などを除いても後者の方が低い、と分析されています。様々な情報が自由に発信され、個人の判断で対策がとれる。政府も説明責任を負わされるからです。


 中国は武漢で早期に感染拡大を防げず、現在はイランでも感染が拡大しています。これら非民主主義国の例は、強権的な政府が一律の政策を打ち出すより、多様な情報の流通を担保する方が効果的であることを示しています。

 確かに民主主義国でも、イタリアは全国で移動制限を課す「強い」政策を打ち出しました。これは感染者数の急増という理由に加え、伝統的な中央政府への信頼の低さも関係しています。政府は市民の不安を抑制するため、極端な政策でアピールしなければならない。効果が低いと「さらに強い策を」という形で場当たり的な対応が加速します。

 フランスはすでに外出禁止令を出していますが、国の感染症対策プログラムにあらかじめ定めた数値を基準に状況を判断しています。感染者数や死者数というデータに対応したロードマップのため、市民も予見可能性を持って対処できる。透明性と情報公開が確保されるため、こういうタイプの国は相対的に混乱していないように思います。

 日本でも新型コロナに関して緊急事態宣言が出せる改正法が成立しましたが、この法整備は社会にとってプラスだと考えます。市民生活を大きく左右する決定を首相の「要請」で場当たり的に行えば社会不安が広がるだけ。法的根拠と透明性は欠かせません。

 新型コロナは予防法も治療法も確立されていない。この「未知のリスク」への対応として、ひとまず人の自由な移動を止める政策が世界的に打ち出されました。その結果、感染拡大のリスクを回避するために取った選択が、経済の収縮をはじめ、別の深刻なリスクを生み出している。「負の連鎖」に陥っています。

 では、どうするか。政治は、社会不安の広がりを最小限にして日常生活を取り戻す政策に力を注ぐ。市民社会の側も、主体的で理性的な判断が求められます。ウイルスによる死亡率は、世代や健康状態などで大きく異なる。

 リスクを過度に恐れることも、過度に無視するのも別のリスクを生み出してしまいますし、政治の恣意的な介入を呼び込みかねません。社会不安に歯止めをかけるには、「市民」としての判断も求められるのです。(聞き手・高久潤)

     ◇
吉田徹:1975年生まれ。専門は比較政治。著書に「ポピュリズムを考える」、訳書にヤシャ・モンク「民主主義を救え!」など。

政府・厚労省はオーバーシュートが始まっているとの認識を持っているが、まだ正式公表できないようです。
また、日本人のキレイ好きが幸いして結果オーライの状況であるが・・・政府・厚労省の不手際(検査体制の停滞)が恐いでぇ。
それから、マスク、人工呼吸器の準備や陰圧室の増設を伴う医療体制の整備も重要ではないだろうか?そして、機能不全を露呈した現行の保健所は組織の見直しが必要なんでしょうね。

(耕論)「緊急事態」なのか吉田徹2020.3.20

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