『北極(ナショナルジオグラフィック2019年9月号)』1

<『北極(ナショナルジオグラフィック2019年9月号)』1>
図書館で『北極(ナショナルジオグラフィック2019年9月号)』という雑誌を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、海底資源の覇権や、永久凍土の溶解などが取り上げられているのが、借りる決め手になりました。



【北極(ナショナルジオグラフィック2019年9月号)】


雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2019年刊

<商品の説明>より
●総力特集『北極』
・氷なき北極:2036年夏にも氷が消えるといわれる北極海。温暖化の行方は
・北の果ての覇権争い:北極の氷の下に眠る膨大な資源や新航路をめぐる争いは、新たな対立の火種となるのだろうか
・凍土に眠る炭素の脅威:北極圏で進む永久凍土の融解。それは温室効果ガスを放出し、気候変動を加速させるおそれがある。
・消えた探検隊の謎:1845年、英国の探検隊が極北の海で消えた。謎に包まれた隊員の最期を知る手がかりが見つかった。
・温暖化に注ぐ熱視線:グリーンランド北東部の軍事基地に世界中から研究者が集まる。温暖化の実態を観測するためだ。
・オオカミと過ごした時間:カナダ北極圏でホッキョクオオカミの群れと30時間を過ごし、その野生の姿を目にした。

<読む前の大使寸評>
ぱらとめくってみると、海底資源の覇権や、永久凍土の溶解などが取り上げられているのが、借りる決め手になりました。

amazon北極(ナショナルジオグラフィック2019年9月号)


海底資源の覇権あたりを、見てみましょう。
p40~41
北の果ての覇権争い:ニール・シェイ
 11月の午後遅く、カナダ北部のキング・ウィリアム島にある小さな町、ジョアヘイブンは雲に覆われていた。

 町外れに広がる凍った海の上では、パトロール隊の新指揮官、マービン・アトキタックが隊員たちを集めて打合せをしている。気温はおよそ氷点下30℃。隊員たちは先住民ヌイットの男性20人ほどと、数人の女性だ。ライフル銃を肩に掛け、トナカイの皮で作った手縫いの上着や、ホッキョクグマの毛皮のズボンを着用している。既製服を身につけている隊員もいる。

 このパトロール隊はカナダ軍の予備兵部隊「アナディアン・レンジャーズ」の一部だ。アトキタックの指揮の下、島の沿岸に広がる樹木のないツンドラ地帯をスノーモービルで巡回する。その間にGPS機器の使用、軍隊式の射撃、捜索や救助の訓練に取り組むほか、狩猟と氷上での漁にも多くの時間を費やす。

 私はまつ毛についた氷をこすり取りながら、後ろの方で話を聞いた。隊員たちの顔を見回すと、そこにはささやかな勲章とも言うべき凍傷の痕があった。

 まもなく打ち合わせは終わり、暗闇に向かって長いドライブに出かける前に、隊員たちは最後のたばこに火をつけた。アトキタックが近づいてきて、寒くないかと聞く。長身で肩幅が広く、よく笑う男だ。長年レンジャーを務めてきた彼は、気さくな口調で、これからの旅でくれぐれも居眠りしないように注意してくれた。

 時たまスノーモービルから落ちて行方不明になる人がいるという。この島だけでなく、面積が200万平方キロを超す、ここヌナブト準州全域で、携帯電話は通じないと、彼はくぎを刺した。「何かの事故でみんなとはぐれたら、誰かが迎えにくるまで、その場にじっとしていろ。せいぜいホッキョクグマに会わないようにな」

 レンジャーは「北方でのカナダの目と耳」と呼ばれ、1940年代からこの辺境の地でパトロールに従事してきた。ほとんどが先住民の志願兵で、斥候を務め、軍事演習に参加し、「イグルー」という伝統的な氷の住居の造り方や、ツンドラ地帯で進路を決める方法、そして極寒の地で生き抜く方法全般を、正規軍の兵士に長年教えてきた。レンジャー隊の予算は乏しく、装備は1940年代の銃など、中古のものが目立つ。

 だがここに来てカナダ政府は、レンジャーの役割を見直し始めている。温暖化が進む北極と、そこに眠る膨大な資源をめぐって、各国が目下、権益確保にしのぎを削っているからだ。こうした状況を受けて、カナダ政府はレンジャーの装備の改善と志願兵を募るための予算措置を約束した。

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