『モース・コレクション』3

<『モース・コレクション』3>
図書館で『モース・コレクション』という大型ムックを、手にしたのです。
ぱらぱらとめくると・・・
明治期の民具、家具など、また庶民の写真が満載である♪
同種のモース本のなかでも、質、量ともにすぐれた1冊でおます。

ところで帰って調べると、この本をかりたのは2度目であることが判明しました(またか)・・・で、(その3)としています。


【モース・コレクション】


国立民族学博物館編、小学館、1990年刊

<「BOOK」データベース>より
ムック本につきデータなし。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると・・・
明治期の民具、家具など、また庶民の写真が満載である♪
同種のモース本のなかでも、質、量ともにすぐれた1冊でおます。

rakutenモース・コレクション


モースさん到来時の日米の状況が述べられているので、見てみましょう。
p109~122
<19世紀の日本とアメリカ:園田英弘>
 エドワード・シルヴェスター・モースは1838年、アメリカ合衆国の東海岸にある港町のポートランドに生まれ、1925年にポートランドから南へ150キロほど離れたセイラムで没した。87年の生涯だった。

 モースの生涯は、けっして波乱にみちたものではない。生涯の大半を、ニューイングランドと呼ばれるアメリカの東北部ですごし、大学教師や博物館の館長として研究者の静かな生活を送った。

 しかし、モースが生きた時代はそうではない。人類の歴史としてはながらく続いてきた農業社会が終わり、工業社会に突入する時期にあたっていた。

 観察と科学的合理的思考の権化であるモースは、この急速に変化しつつある世界のたぐいまれなる観察者・記録者として、私たちの前に現れた。
(中略)

■日本への道
 19世紀の前半、西洋の多くの国にとって、日本は地球の裏側にある遠い存在であった。ここに、モースが生まれた年に出版された『地理概説』という本がある。日本については、「アジアの島々」というところにわずか9行の記述がある。

ジャパンの島々は北緯31度から45度の間に横たわり、24万平方マイル、人口2500万人を擁すると考えられている。格段に大きく、もっとも重要な島はニホンと呼ばれ、その島の東側中央には首都の江戸があり、南のほうには宗教的首都のメアコがある。ニホンの北にはエゾがあり、ジャパンの皇帝に帰属したいる。

 ジャパンとニホンの混同は、幕末までつづく誤解である。「メアコ」とあるのはミヤコつまり京都のことであろう。日本は、まだはるかに遠い存在であった。しかし、世界は急速に変化しつつあった。
(中略)

 アメリカの日本遠征は、定期蒸気船航路が急速に定着し出した当時の時代を背景にしている。1851年5月、アメリカの国務長官ダニエル・ウェブスターは日本遠征にでかけるアメリカ海軍東インド艦隊の司令官オーリックにつぎの訓令を与えた。「外洋を行く蒸気船航路の連鎖の最後の環が完成される日は近い」。訓令の冒頭である。オーリックは途中で不都合があったので解任され、かわりに任命されたのがペリーである。

 日本遠征の目的は、太平洋横断航路の寄港先と石炭の補給を確保するためであったが、これが大西洋の蒸気船航路の「成功」に裏打ちされていることはいうまでもない。
(中略)

■モースの見た日本
 この大きな都市を見渡して、その向こうに江戸湾の海運を眺めた所は、誠に見事だった。煙突は一本もなく、かすんでさえもいない有様は、煙に汚れた米国の都会に比して、著しい対照であった(『日本その日その日』)。

 モースの日本観察記録は克明であり、観察の正確さは凡百の日本見聞記の中では群をぬいている。そして、モースの日本を見る枠組みは、この引用文につきている。
アメリカの工業化によってアメリカが失ってしまったものを、モースは明治の日本に見いだしているのである。「煙に汚れた米国の都市」に比べて、明治日本の都市はまだきれいである。

 モースは明治10年、11~12年と、明治15~16年の3度、日本を観察する機会をもったが、いずれも明治10年代の日本であった。モースが見た日本は近代化をはじめたとはいえ、工業化以前の日本であった。人口の爆発的増加はなく、労働人口の多くは農業に従事していた。就業者の中で農業・林業・水産業などの第1次産業が5割を切るのは、日本では1930年のことであった。


『モース・コレクション』2:日本におけるモース・コレクションの研究p142~143
『モース・コレクション』1:生命なき<もの>の力p141

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