『巨大ブラックホールの謎』1
<『巨大ブラックホールの謎』1>
図書館に予約していた『巨大ブラックホールの謎』という本を、待つこと1ヵ月ほどでゲットしたのです。
昨今の報道によれば、世界中の望遠鏡が組んでブラックホールの画像を捉えたようで、謎はかなり狭まったようですね♪
なお、著者は国際研究チームの日本側のチームリーダーを務めたとのことです。
M87
まず「ブラックホールの撮影」あたりを、見てみましょう。
この本もブラックホールを見たいR2に収めておくものとします。
図書館に予約していた『巨大ブラックホールの謎』という本を、待つこと1ヵ月ほどでゲットしたのです。
昨今の報道によれば、世界中の望遠鏡が組んでブラックホールの画像を捉えたようで、謎はかなり狭まったようですね♪
なお、著者は国際研究チームの日本側のチームリーダーを務めたとのことです。
【巨大ブラックホールの謎】 ![]() 本間希樹著、講談社、2017年刊 <「BOOK」データベース>より 200年以上前にその存在が予言されながら、いまだ多くの謎に包まれており、厳密にはその存在すら確認されていない。一般相対性理論による理論的裏付けから1世紀、「ブラックホール」という命名から半世紀、人類はついに「黒い穴」を直接見る力を手に入れようとしている。最新望遠鏡が解き明かす、巨大ブラックホールの謎を第一人者が解説する。 【目次】 第1章 ブラックホールとは何か?/第2章 銀河の中心に潜む巨大な穴/第3章 200年前の驚くべき予言/第4章 巨大ブラックホール発見前夜/第5章 新しい目で宇宙を見るー電波天文学の誕生/第6章 ブラックホールの三種の神器/第7章 宇宙は巨大ブラックホールの動物園/第8章 巨大ブラックホールを探せ!/第9章 進む理解と深まる謎/第10章 いよいよ見える巨大ブラックホール <読む前の大使寸評> 昨今の報道によれば、世界中の望遠鏡が組んでブラックホールの画像を捉えたようで、謎はかなり狭まったようですね♪ なお、著者は国際研究チームの日本側のチームリーダーを務めたとのことです。 <図書館予約:(5/18予約、6/22受取)> rakuten巨大ブラックホールの謎 |

まず「ブラックホールの撮影」あたりを、見てみましょう。
p236~246 ■見えそうなブラックホールはどれ? ブラックホールを見るためには、なるべく見た目の大きい天体が有利です。ブラックホールの大きさ(シュバルツシルト半径)がその重さに比例することはすでに第1章で説明しました。一方「見た目」の大きさは距離にも依存し、実際の大きさが同じものなら近い方が見た目は大きくなります。このため、ブラックホールの見かけの大きさは質量と距離で決まります。具体的には、なるべく重くて近いブラックホールが、見た目が大きくて観測しやすい天体になります。 これまでの観測からわかっている範囲で、ブラックホールの見た目の大きさのランキングをまとめたのが表10-1です。(視半径順:いて座Aスター、M87、M104、ケンタウルス座A)ただし、ここでは電波で観測できるブラックホールに絞っています。なぜ電波で観測できることを条件にしたかといえば、後で説明するようにブラックホールを直接撮像できるのが電波によるVLBI観測だからです。 このランキングの堂々の第1位は、やはり天の川銀河の中心にある、いて座Aスターになります。当たり前なのですが、私たちの住む銀河系の中にあって距離が近いことが大きくものをいっています。いて座Aスターは質量が太陽の400万倍、距離が2万5000光年のところにあるため、結果的にその見かけの大きさは10マイクロ秒角になります。「度」の単位に直すとおよそ4億分の1度です。 (中略) アンドロメダ銀河などを抑えて2位に食い込んだのは、おとめ座のM87の中心核にあるブラックホールです。この本でも何度も登場した、すでにおなじみの天体です。M87は距離が5000万光年と遠いのですが、ブラックホールの質量は太陽の60億倍と桁違いの大きさです。そのため、M87のブラックホール半径は見かけの大きさが8マイクロ秒角程度となり、いて座Aスターの大きさにほぼ並ぶ2大巨頭ということになります。 (中略) ■ブラックホールの「影」を狙え! いて座AスターやM87が本当にブラックホールであることを証明するにはどのような観測をしたらよいでしょうか? ブラックホールの強い証拠となるのが、ブラックホールの「影」である「ブラックホールシャドウ」を検出することです。ブラックホールはその定義から、まったく光を出しません。 一方で、ブラックホールは重力で周囲のガスを集め、そのガスが降着円盤として明るく輝きます。このような明るい円盤を背景に、ブラックホールの光が出てこない部分が黒い影として見えるのが「ブラックホールシャドウ」と呼ばれるものです。このような様子を直接写真に収めることができれば、ブラックホールの存在を示す究極の証拠になります。たった1枚の写真で良いわけですから、まさに「百聞は一見に如かず」です。 このシャドウの観測を実現するにはいくつかの条件が必要です。一つ目は、シャドウが分解できる非常に視力の高い望遠鏡が必要です。それからもう一つ、降着円盤のガスを透かして中心部のブラックホールシャドウを見通せることも必用です。円盤のガスが濃すぎると、その内側に隠れている「シャドウ」の徴候を捉えるのが難しくなります。 ■目指せ、視力300万 ブラックホールシャドウを捉えるには、これまでにない高い視力を持った望遠鏡が必用になります。たとえば、いて座Aスターの見かけのブラックホール半径は10マイクロ秒角であることは述べましたが、予測されるシャドウの大きさはその数倍から5倍程度になります。このような予測から、いて座AスターやM87のブラックホールシャドウを分解するのに必要な視力は、最低でも300万(分解能にして20マイクロ秒角)になります。 すでに説明したように、望遠鏡の視力は波長と望遠鏡の口径の比で決まります。波頭が短いほど、また、望遠鏡の口径が大きいほど、細かいものが見分けられるようになり、高い視力が達成されます。では、ブラックホールシャドウの撮像に必用な望遠鏡の大きさと波長はどれくらいの数字になるでしょうか? まず制約が厳しいのは望遠鏡の大きさです。地球は直径1万2700キロメートルですから、VLBIの手法を用いて地球上で実現できる観測網の大きさは常にそれ以下になります。 望遠鏡の口径が地球の大きさで決まってしまえば、あとは波長しか調整できません。ここからブラックホールシャドウを観測するのに必要な波長は1ミリ程度かそれ以下、という値になります。 これはミリ波からサブミリ波と呼ばれる電波の波長に相当し、地表での観測がとても困難です。なぜなら、困ったことに、ミリ波やサブミリ波は、大気中の水蒸気によって吸収されたり波面が乱されたりするので、きれいな写真を撮るのが難しいのです。 ■EHTプロジェクト このようなミリ波サブミリ波帯での地球規模のVLBI観測網の実現を目指すのが、EHT(Event Horizon Telescope)と呼ばれる国際プロジェクトです。“Event Horizon”とは「事象の地平線」を意味し、これはブラックホールが「事象の地平線」で覆われていることにちなんだ名前です。文字どおりブラックホールを事象の地平線のスケールで分解し、本当に「黒い穴」であるかどうかを直接に証明することを目指しています。 米国のマサチューセッツ工科大学とハーバード大学を中心に、ドイツやオランダなどの欧州の国々、また日本や台湾などのアジアの国々、そしてメキシコやチリも参加する、非常に国際的なプロジェクトです。 (中略) 日本でも、筆者ら国立天文台の研究者を中心とするグループが、すでに10年近くこの国際プロジェクトで活動してきています。 |
この本もブラックホールを見たいR2に収めておくものとします。
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