『BE KOBE』3

<『BE KOBE』3>
図書館で『BE KOBE』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると・・・
この本には阪神・淡路大震災を経験した人たちのさまざまな思い、決意が見られるわけで、神戸市民という立場で読ましてもらおうと思ったのです。


【BE KOBE】


E KOBEプロジェクト編、ポプラ社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
あの日、いつか震災のことを書くと決意した作家・真山仁、研究者としての「責任」を背負い続ける防災学者・室崎益輝、世界で初めての「環境防災科」で教鞭をとった諏訪清二と卒業生たち、-さまざまな立場で「街」にかかわり続けてきた10組13名が語る、20年を経て、見えてきたこと。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると・・・
この本には阪神・淡路大震災を経験した人たちのさまざまな思い、決意が見られるわけで、神戸市民という立場で読ましてもらおうと思ったのです。

rakutenBE KOBE



震災体験をNPOの仕事に活かす飛田敦子を、見てみましょう。

<ずっと語れなかったあの日のこと>p37~39
 鶴甲というところは下界と切り離されていて(笑)、小学生の行動範囲は団地の中だけなんです。児童館があり、北公園や東公園で遊び、夏はプールに通って、団地の子だけでコミュニティができていて、他の地域の子と接することがない。あと、山ですね。休みの日には家族で油コブシ(六甲山系の小高い山)まで歩いて、頂上でインスタントラーメンを作って食べたり。山の子って感じ。だから私の神戸の原風景といえば、団地と山ですね。

 そういう離れた場所で、山のふもとにあって地盤も固いので、あの日の地震でもあまり揺れなくて、私気づかなかったんです。自分の部屋で寝ていて、最初の揺れでも起きなかった。隣から母が「大丈夫か!」と叫ぶ声で目が覚めたぐらい。家の被害は何もなくて、不安定なところに置いてあったこけしが一つ落ちただけ。金魚鉢すら倒れない。停電はしたので、すぐラジオをつけたんですけど、最初は神戸の被害は何も言わないんですよね。淡路島が震源というぐらいで。だから、まさか神戸があんなことになってるとは思わず、いつも通り学校へ行こうと家を出たんです。

 だんだん事態がわかってくるのは、その通学途中です。六甲登山口あたりまで下りると、お墓が倒れ、火事の煙が見えてくる。これはただごとじゃないと思って、通学路を外れて山手幹線まで見に行きました。六甲小学校のあたりまで行くと、家が倒れ、着の身着のままで避難する人たちがいた。なかに中学の同級生がいて、言われたんです。「制服があってええなあ」って。

 居たたまれない気持ちになり、逃げるように走って家に帰りました。午後2時頃に電気が戻り、テレビをつけたら長田の火災や東灘でえ阪神高速が倒れている映像。それで初めて、私の見た光景はまだほんの一部やったんや・・・と知りました。

 その年の入試は、数学などが震災前までの範囲からの出題になりましたが、普通に行われ、私は県立御影高校に入りました。すごく被害の大きかった地域にあって、入学式で「この体育館はこの間まで遺体安置所でした」と聞き、「うっ」と動揺したのを覚えています。三つあった校舎のうち二つは潰れ、一つは避難所になっていました。

 私たちの教室は2年間、プレハブの仮設です。学校へ行けば避難所には子供たちがいて、洗濯物が干してあって、生活が目の前にある。だけど、入ったときからそうだから特別気にもならない。被害者の方たちと接する機会もなく、自分にとって震災は相変わらず遠いものでした。

 それよりもこたえたのは、震災からまだ1年も経たない高校1年の夏のこと。友達のお父さんが事故で亡くなられ、何人かでお通夜に行くことになったんです。すると、その途中で1人の子が「私、やっぱり行かれへん」と急に泣き出して引き返してしまった。その子は震災でお父さんを亡くしていて、「お通夜に行くと思い出すから」って。


飛田さんは大学3回生の途中にスウェーデンに留学し、「フォルクヘグスクーラ(国民高等学校)」というところで学びました。帰国後にコミュニティ・サポートセンター神戸(CS神戸)に就職する。
p47~48
<いちばん大事なのはやっぱり「人」>
 社会貢献熟は、前身の講座から数えて7年目になります。シニアの方を対象にボランティアやNPOについて学ぶ講座。リタイア世代や子育てが終わった女性で、社会にかかわりたい、人の役に立ちたいという人は多いんですよ。だけど何をやればいいかわからない。公園掃除や高齢者施設の傾聴ボランティアといった従来のイメージに縛られている方が多いんです。

 高齢者の生活サポートはゴミ出し、病院や買い物の送迎など幅広いし、今は外国人に日本語を教えるボランティアも人気がある。経理など事務系の仕事もあります。かかわり方も、無償、有償、パート、スタッフなどさまざま。仕事内容やかかわり方はいろいろあるんだと知ってもらえば入口が広がって、自分たちでグループを立ち上げたりする人もいる。

 この講座は、私がフォルクで体験したようなグループワーク形式でやっているんです。わいわいにぎやかで面白いですよ。同じサラリーマンでも大企業の元部長さんもいれば、外資系の人もいる。魚市場で働いていた人、公務員、学校の先生、主婦・・・。当然、興味の対象が違うことや意見の対立もあって、なかなか大変なこともある。そこを間に入って、たまに飲み会をやったりしながら、なんとかモチベーションを保ってもらうのも私の仕事。講座自体が目的じゃなく、最終的に担い手になってもらわないといけませんから。

 まちづくりスポット神戸は、西区の学園都市のショッピングモール内にある、地域活動をする人たちの交流の場で、大和リースというテナント主の企業と一緒に運営しています。最近、ショッピングモールの中にこういう地域交流拠点が増えているんですが、それは企業が地域コミュニティの支援に目を向け始めたことが大きい。

 それから、私が常駐している生きがい活動ステーション。ここは、NPOやボランティアに特に興味のない人がたくさん通りかかる場所なんです。何かやりたいと思って、CS神戸の事務所に直接訪ねて来る人とは違う。でも、そこに常時窓口を開いて、積極的に声をかけたり、情報提供したりして、まず関心を持ってもらうことに意味がある。ちょっと仲良くなって、趣味が日曜大工だと聞けば、「木工の仕事があるんですけど、行ってみませんか?」って、おせっかいというか、ほとんどキャッチセールみたいな(笑)。


『BE KOBE』2:「FMわいわい」のルーツ
『BE KOBE』1:「震災」小説

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック