『倒れるときは前のめり』4

<『倒れるときは前のめり』4>
図書館で『倒れるときは前のめり』という本を手にしたのです。
地元の言葉で(有川さんなら土佐弁で)正義やら勇気を語るスタンスが、何やら田辺聖子さんを彷彿とするのです。


【倒れるときは前のめり】


有川浩著、KADOKAWA、2016年刊

<出版社>より
『図書館戦争』『レインツリーの国』『植物図鑑』ほか映像化続々の人気作家・初のエッセイ集! 
日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画、敬愛する人びと、ふるさと高知のことなど、デビュー書籍刊行前から現在までに綴った90本超に、それぞれ振り返りのコメントを書き下ろし。
現在入手困難な「ほっと文庫」に収録された短編「ゆず、香る」と、片想いがテーマの恋愛掌編「彼の本棚」の、小説2編も特別収録。
当代一の人気作家のエッセンスがここに!

<読む前の大使寸評>
地元の言葉で(有川さんなら土佐弁で)正義やら勇気を語るスタンスが、何やら田辺聖子さんを彷彿とするのです。

rakuten倒れるときは前のめり



NHKドラマ『半分青い』が難聴者を扱うお話になっていたが、若干違和感があったわけですね。
有川さんが難聴者を語っているので、見てみましょう。

<知らない人に届けたい>p116~118
 難聴者が主人公の話を書く、と申し上げたら取材に応じてくださった方に「自衛隊が不発弾処理とかで難聴になる話ですか」と言われました。いつもそんな話ばかり書いて男性作家によく間違われますが、一応女です。

 さて、私が最初に中途失聴者のキャラクターを出したのは『図書館内乱』という9月10日発売予定の本です。そのキャラクターはキャラクターに絡むゲストキャラで、このキャラクターを突発性難聴で難聴者になったと設定しました。

 何故、突発性難聴だったかというと、私の家人が突発性難聴に二回罹り、たまたま治療が早かったので二回とも聴覚を失わずに済んだという個人的な出来事があったからです。 家人はある日突然、片方の聴覚が全くなくなったため即日耳鼻科に行きました。そこで下った診断が突発性難聴で、治療が的確であったため1週間ほどで聴力が回復しました。
 
 そのとき私たちは医師から「治療開始は発症から一刻も早いのが望ましい、できれば三日以内、二週間を過ぎると回復は難しい」と聞かされ、肝を冷やしました。家人は急に全ての音が聞こえなくなったので慌てて病院に行きましたが、徐々に聴力が落ちていく場合もあるそうで、「最近ちょっと聞こえにくいな」程度だったら病院へ行くのが延び延びになってしまうことはいかにもあり得ることです。

 そんなわけで、自分の本で「こんな恐い病気がある」ということを微力ながら書きたいと思ってそのゲストキャラが出来たわけですが、これを書こうと調べていると必然的に「中途失聴者」の皆さんの存在を知ることになりました。
 そして、「喋れるがゆえに障害に気づかれない中途失聴(難聴)者」をヒロインに据えて、恋愛小説を書きたくなりました。

 健聴者として今まで知らなかったことを数え上げるときりがありませんし、まだまだ知らないことはあるでしょう。それでも、少しでも調べた私は「知らない人」に比べて格段に皆さんの複雑な世界を知り得たわけです。後ろから自転車のベルを鳴らしても「聴こえない」がために避けられない方がいる、というごく簡単で気づきにくい現実なども。

 こうしたことを調べられる書籍や資料はたくさんあることでしょう。しかしそれらは、「知ろう」と思った人にしか届かないという弱点があります。
 私は駆け出しの作家ですが、エンターテイメントの強みは「それを知ろうとしていない人にも話に織り交ぜればそれが届く」ということにもあります。


そういえば、「半分青い」のヒロインは岐阜県美濃地方の方言を使っているところに、ドラマの肉付けになっていたなあ♪と、思い出したのです

『倒れるときは前のめり』3:出版業界の裏話し
『倒れるときは前のめり』2:戦争小説
『倒れるときは前のめり』1:被災地に印税を寄付

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