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zoom RSS 『仙人の桜、俗人の桜』2

<<   作成日時 : 2019/03/01 20:17   >>

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<『仙人の桜、俗人の桜』2>
図書館で『仙人の桜、俗人の桜』という本を、手にしたのです。
この本の副題が「にっぽん解剖紀行」となっているが・・・さて、どれだけの料理が見えるのか期待するのです。


【仙人の桜、俗人の桜】


赤瀬川原平著、JTB、1993年刊

<「BOOK」データベース>より
「路上観察」のメスが全国各地の日本文化を腑分けしてゆく、にっぽん解剖紀行。

<読む前の大使寸評>
この本の副題が「にっぽん解剖紀行」となっているが・・・さて、どれだけの料理が見えるのか期待するのです。

amazon仙人の桜、俗人の桜



日本酒に対する思いを、見てみましょう。
p143〜148
<北国の小さな蔵の寒仕込み>
 日本酒はうまい。いかの塩辛で日本酒をちびり、なんて思うだけでたまらない。塩辛でなくてこのわたでもいい。大粒の味噌を小皿にちょっと、というのでもいい。何かそういう味のものを箸の先に少しつまんで・・・。

 日本酒のことを書こうとするのにおつまみばかりが出てくるが、これも日本酒の性質だろう。日本酒は食べ物についてくる。それも日本の食べ物についてくる。トロの刺身があって、鮑、みる貝、雲丹など目の前に並び、しかし日本酒がないと言われたらがっかりである。ああ、ここに日本酒があったら、と思い、ついに何とか、全力を尽くして日本酒をおびき寄せる。そしてくいっと一口飲んだときの、口の中の幸福感。
(中略)

 昔はお燗が常識だったというのは、昔は酒の味にそううるさくなくて、酒を飲む気分が第一、とにかく酒であればそれでよかったということだろう。日本酒そのものに信頼性があったのだともいえる。
 いまは冷やで飲むのがはやっている。これは酒の気分第一というより、酒の味に関心が移ってきている、ということのあらわれではないか。

 日本酒の信頼性が壊れた、という一因もある。戦後の混乱期、日本酒の粗製濫造で、日本酒は甘くてべたべたするもの、明くる日二日酔いで頭が痛いもの、という印象ができてしまった。その隙を突かれて、ビール、ウィスキー、ワインという洋酒にどっと攻め込まれた。油断した日本酒の崖っぷち時代だ。

 しかし最近の日本酒の反撃にはめざましいものがある。日本酒存亡の危機とばかり、それまでの粗製乱造を戒め、美味しい日本酒、上質の日本酒造りに精を出した。それまで造り手だけで味わっていた芸術品の鑑評会用の酒を、商品化した。本当の日本酒はこれだというんで純米酒や吟醸酒を世に出し、え、日本酒ってこんなにうまかったのかと、これで日本酒の信頼性は完全に回復した。

 ウィスキーは日本列島の海岸線まで追い詰められて、ビールという大群は残っているけど、ワインもボジョレヌーボーなどの一時の濡れ手に粟が急速に静まってきている。
(中略)

 「萩の鶴」というのは寒い寒い宮城県の酒だ。金成町というところにある。車でその町にすーっと入っていくと、何となく田ポが広がり、何となく神社があって、丘の上に古い木造の小学校があったりする。そうっと靴を脱いで校舎に入ると、板の廊下がぬめっという感じで光っていた。

 何十年の時間が、何百何千という子供たちの足の裏で磨いた贅沢な光りだ。廊下の壁にランドセルがきちんと並んで掛けてあり、教室ではほどよい数の生徒たちが、国語算数理科社会を勉強している。そうっと息を殺してのぞきながら、何だか物凄くほっとした。

 寄り道をした。また車ですーっと進むと、何でもない川が流れ、ところどころ古い土蔵などがぽそぽそと見える。ここが酒蔵、というところで車を降りたが、どこが酒蔵だかよくわからない。といって地下に大工場があるわけでもなく、何とはない酒・醤油を売る店があって、その横の古い土蔵との間の道を入って行くと酒蔵があった。大きなタンクや何かがちらちらと見える。萩の鶴というのは石高七百石ほどの小さな酒蔵で、こういうところを見たかったのだ。


ウーム 本書発刊時の酒類の勢力争いが見てとれるが・・・
日欧EPAが発効した現在は、輸入ワインと国産ウィスキーがより伸びているようですね。

『仙人の桜、俗人の桜』1:沖の島

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