『ルイス・キャロル小辞典』1

<『ルイス・キャロル小辞典』1>
図書館で『ルイス・キャロル小辞典』という本を、手にしたのです。
おお 「不思議の国のアリス」を著わしたルイス・キャロルではないか・・・
「アリス・イン・ワンダーランド」はただいま大使のミニブームなので、この本を借りた次第でおます。


【ルイス・キャロル小辞典】


定松正編、研究社出版、1994年刊

<「BOOK」データベース>より
世界的名作となった二つの「アリス」の著者、論理と言語をあやつるノンセンス文学の先駆ルイス・キャロルの総合ガイドブック。

<読む前の大使寸評>
おお 「不思議の国のアリス」を著わしたルイス・キャロルではないか・・・
「アリス・イン・ワンダーランド」はただいま大使のミニブームなので、この本を借りた次第でおます。

amazonルイス・キャロル小辞典



4章「キャロル文学と挿絵」でジョン・テニエルを、見てみましょう。
p95~98
<ジョン・テニエル>
 『アリス』物語を思い浮かべるとき、読者の脳裏には必ずといっていいぐらいテニエルの描いた、イギリス紳士の典型である滋味あふれた白うさぎ、珍奇な幻獣、あのアリスなどが現れてくる。

 キャロルの物語にテニエルの挿絵が付随しているのではなく、絵が物語を発動しているかのような錯覚にとらわれてしまう。それほどまでにテニエルの挿絵は、不可分な形でテクストと結びついている。

 両者の深くて強い結びつきを切り放ち、新しい『アリス』像を提示しようとこれまで百名以上の画家が試みてきたが、テニエルの呪縛から解放され、新しい像を提示できた画家はいない。テニエルの挿絵は、あまたある『アリス』像の変数に対する定数と言ってよい。

 では、作家と画家のこうした強力な相互関係はどのようにして生れたのであろうか。
 結論から言えば『アリス』物語の挿絵は二人の幸福な関係から生れたのではなく、葛藤と妥協の産物であると言ってよい。現に92葉ある挿絵のうち、キャロルが気に入ったのは、ハンプティ・ダンプティ1葉のみという事実からだけでもかなり屈折したドラマを想像できる。

 キャロルは視覚的想像力に富んでいたのだが、自らのイメージを紙にうつす技量を欠いていた。ヴィジョンを表現するためには、どうしても画家の手を必用としたのである。でも、内なる眼に映っていたものと寸分でも違うものができてくると大いなる失望を感じ、異なったヴィジョンが自己の聖なるヴィジョンを汚している、とまで思い込んでしまうほどであった。

 キャロルのこうした自負が、テリエルとの共同作業を困難なものにsた。結果的には、キャロルの描いた挿絵の四分の三までもがテリエルに採用されている。異なる構図、モチーフを合体させたような分まで含めると、その割合はもっと大きくなるであろう。
(中略)

 『パンチ』の挿絵画家であったテリエルがとった戦略は、『パンチ』の挿絵の中にアリスとその世界を置いてみることであった。『パンチ』に二千もの挿絵を描いたテニエルは、たちまちのうちに、キャロルの制約を受けながらも独自の世界をつくり上げたのである。挿絵が本文を主導していくほどの世界を。


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