『森は知っている』再掲

<『森は知っている』再掲>
水道「民営化」法案が今日にも衆院委で強行採決されるようです。

ウーム 与党がこれだけ拙速で採決するとは、(政・官・業にとって)よっぽど旨味がある業界なんだろうね。
フランスでの議員視察の際は、フランスの水メジャーが議員に便宜を図ったとのことで、今国会で疑惑の追及があったところです。

・・・ということで、11/30『森は知っている』を丸々再掲します。
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図書館で『森は知っている』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、フランスの巨大水企業が出てくるのだが・・・
水道インフラの老朽化や、水道事業民営化の問題が出て来るなら面白そうである。

昨今では上水道、下水処理に対するコンセッション方式という官民連携が検討されているし、フランスでは民営→再公営の動きがあるわけで、1周遅れのニッポンは、さてどうする?


【森は知っている】


吉田修一著、幻冬舎、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
自分以外の人間は誰も信じるな―子供の頃からそう言われ続けて育てられた。しかし、その言葉には、まだ逃げ道がある。たった一人、自分だけは信じていいのだ。ささやかでも確かな“希望”を明日へと繋ぐ傑作長篇!

<読む前の大使寸評>
追って記入

amazon森は知っている


この小説の語り口を、ちょっとだけ見てみましょう。
p27~29
<2 世界史>
 翌週、鷹野が雨のシャルル・ド・ゴール空港に到着したのは、南蘭島を出発してから21時間後のことだった。

 以前、教えられた通り、飛行機や列車で長時間移動する際は搭乗前に腹を満たし、できるだけ中では睡眠を取るつもりだったのだが、あいにく隣り合わせた初老の夫婦が話好きで、高校生の一人旅である鷹野に興味を持ち、何かと話しかけてきた。

 夫婦はフランス各所のワイナリーを回るらしかった。
 一般的に、人は入眠後、最初の深い眠りである徐波睡眠に到達するまでに20分ほどかかると言われているが、以前の身体検査で、鷹野はこの到達時間が極端に短く、7,8分で達することが分かった。徐波睡眠に到達すると、体温の低下や呼吸数の減少が見られ、体の修復作業が行なわれる。

 7,8分でこの状態になる鷹野の体を、「根っからこの仕事に向いてるよ」と徳永は笑っていた。
 鷹野は初老の夫婦と雨のシャルル・ド・ゴール空港で別れた。「とにかく気をつけるのよ」と心配してくれる品の良い夫人に別れを告げ、到着口から出た途端、見知らぬ男が近寄ってくる。
 「鷹野一彦か?」

 白いポロシャツにジーンズというラフな格好をしているが、サングラスの奥の目だけが鋭い。
 「はい」と鷹野は頷いた。

 タイミング悪く、同じフライトだった大阪からの団体ツアー客たちに囲まれ、男が鷹野の背中を押して売店の前まで連れていく。ショーウィンドーに並んだサンドウィッチはどれも固そうでまったく美味そうに見えない。

 「俺が一条だ。お前、パリは初めてか?」
 男に訊かれ、「はい」とまた頷く。
 「こっちで何をやるか聞かされてるか?」
 「いえ、何も」

 無表情で応えた鷹野を、男がさも可笑しそうに笑う。
 「大したもんだ。自分がこれからどうなるのか知りもしねえのに、その余裕は大したもんだよ」

 長話をするつもりはないらしく、男がポケットからメモを出し、「これから、この住所に一人で行け。俺が連れていく予定だったが急用で行けなくなった」と押しつけてくる。
 鷹野は素直にメモを受け取った。
 「・・・ランスって町まで電車で行って、そっからはタクシーでも拾え。お前、少しはこっちのこと知ってるか?」
 「いえ、何も」

 と応えれば、もう少し丁寧に教えてくれると思ったのだが、男は薄いフランスのガイドブックを出し、「これ、やるよ。昔、成田の売店で買ったやつだけど、少しは役に立つだろ」とくれただけだった。

このあと、フランスの水ビジネス企業の水源地買収とか、AN通信と呼ばれる産業スパイ組織なんかが空白パズルの穴を埋めるように、お話しが続きます。

ところで、映画『悪人』の原作者は吉田修一なんですね。知らなかった。

【悪人】
悪人
李相日監督、2010年制作、H24.7.18観賞

<goo映画解説>より
長崎在住の清水祐一は、博多で働く石橋佳乃と待ち合わせをしていた。しかし、待ち合わせ場所で佳乃は他の男の車に乗って行ってしまった。佳乃を追いかけた祐一は、福岡県の三瀬峠で彼女を殺してしまう。その後、長崎でいつも通りの日常を送っていた祐一は、以前出会い系サイトでメールをやりとりしていた馬込光代という女性と会うことに。ホテルでお互いを求めあった後で、祐一は光代に佳乃を殺したことを告白するのだが…。

<大使寸評>
李相日監督作品となれば、見ないわけにいかないが・・・・
娘を殺された親父が、スパナを隠し持って真犯人?に迫るところが、凄い。

goo映画悪人

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