『壊れた地球儀の直し方』6

<『壊れた地球儀の直し方』6>
図書館で『壊れた地球儀の直し方』という本を、手にしたのです。
政治家やジャーナリストが公言できないようなことを、青山さんは腑分けして目の前にさらしてくれる感があるでぇ。


【壊れた地球儀の直し方】


青山繁晴著、扶桑社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
アメリカもEUも中国も壊れていく。世界大戦の敗者の出番が来た。それは、ぼくらだ。さぁ、何からやろうか。幻の名著が新書で待望の復刊!

<読む前の大使寸評>
政治家やジャーナリストが公言できないようなことを、青山さんは腑分けして目の前にさらしてくれる感があるでぇ。

rakuten壊れた地球儀の直し方


日本を守るシンクタンク創立を、見てみましょう。
p340~343
<十三の章 テロから日本を守るシンクタンク創立まで>
 「官と民が対等に話し合う場」といっても、国家公務員が民間にフランクに話せば守秘義務に触れないかという困難な問題もある。だが、ある政府高官が法制局とも非公式にすりあわせ、「政府側はあくまでオブザーバー参加」という形で解決した。こうして史初めて、「実力部隊を持つ政府機関」と「規制する側の官庁」、そして「規制される側の民間企業全社」が対等にラウンドテーブルで話し合う場が創られた。

 1999(平成11)年度に予備的に始まり、翌2000年度から本格開始、2001年の9.11テロで、この研究プロジェクトの先見性と正しさが証明される結果となり、2002年も継続した(そして現在も、いささかも変わらずに続いている。2016年5月3日、記す)。

 この道筋は、あまり平坦ではなかった。官、民ともに、参加はしても「ほんとに日本にテロの脅威なんかあるのかぁ」と半信半疑、半身の構えでいるひとが少なくなかったからだ。それがひとり、またひとり真剣な姿勢へ変わっていったのは、9.11テロの現場から吹いてきた風だけではない。強い風ではあったが、それだけのせいではない。

 それまで同じ席を囲んだことのない人びとが一緒に考える、そこから出る不思議なエネルギーのおかげではないだろうか。

 ある規制官庁の高官は、この研究プロジェクトの参加メンバーが集まった席上、率直な口調でこう言った。「9.11テロが起きたとき、わたしはすぐに、実力部隊を持つ政府機関の幹部に電話をかけられた。このプロジェクトで知り合っていたおかげですよ。これがなければ正直、顔も知らなかった」

 官と民だけではない。この国では官と官もお互いに蛸壺に入っている。その壷から、ほんの短時間だけでも出て、互いの長い8本の足を触れあってみただけで、大きな頭を生き生きと動かせる。

 そして日本のエネルギー・インフラストラクチャー(基盤施設)のテロに対する防護体制は現に、革新的に変わりつつある。わたしは守秘義務を負っているあら具体的に語ることはできないが、国民の命の安全にとって大きな改善であることは、国民のひとりとして、また専門家として明言する。

 この研究プロジェクトの大きな柱のひとつは、欧米諸国のエネルギー・インフラはどうやってテロに備えているかという調査だ。

 セキュリティに関して、欧米の情報管理は想像を絶するほどに厳しい。日本からやってきたひと、つまりその国から見れば外国人には、それが日本政府の人間であっても防護体制の中身はなかなか見せない。しかも日本には、諜報機関をはじめ欧米の関係機関のカウンター・パートを持たない問題があり、テロ防護を欧米諸国が具体的にどうしているのかの情報は決定的に不足していた。

 わたしは、守秘義務を負う民間人、つまり「官と民の間に立つ人間」という従来の日本にはなかった立場で諸国と交渉した。その際には、やはり記者時代の人脈も活用した。
 脂汗と冷や汗が同時に流れるような作業だったが、それを進めるうちに、アメリカとヨーロッパ諸国、さらには韓国や中国の関係者たちとの信頼関係が築かれていった。もたれ合う関係、あるいは主と従の関係でもない、互いに信ずるところをぶつけ合う関係である。
 言うべきをストレートに言い合える関係という意味では、アメリカ人がいちばん、つくりやすい。その点は、アメリカ人は今でも確かに世界一、フェアなひとびとだ。

 そしてわたしは必然的に、テロ防護の直接的な情報だけではなく、安全保障、外交、国際関係をめぐる幅広い情報を、金融・経済まで含めて交換するようになっている。
 わたしは、より重大な情報に触れるようになるにつれ、より公平な立場になることを目指すようになった。三菱総研に入って4年3ヶ月を経た2002年4月、三菱総研時代の仲間とともに独立総合研究所(独研)を創立した。

 日本の総合シンクタンクは、銀行か証券会社か、あるいは旧財閥の傘下にある。金融・経済財政政策担当大臣(当時)の竹中平蔵さんがシンクタンクのエコノミストたちを指して、「銀行や証券業界ノヒモ付きで、不利益になることは言えない立場なのに、まるで公平な立場のような顔をいて物を言うなら、国民に嘘をつくことにんる」と発言したのは、この指摘の限りにおいては正しい。


ウーム ジャーナリストのあとに、民間シンクタンクに入ってその後、独研を創立したわけか・・・独立独歩我が道をゆく青山さんでんがな♪

『壊れた地球儀の直し方』5:イラクでの取材p124~129、p135~136
『壊れた地球儀の直し方』4:北朝鮮崩壊後に誕生する「反日連邦」に備えよp90~93
『壊れた地球儀の直し方』3:米朝戦争シミュレーションp249~260
『壊れた地球儀の直し方』2:なぜ胡錦濤は国家主席になれたのかp208~212
『壊れた地球儀の直し方』1:日本の警察には担当大臣がいないp45~49

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック