『ブラヴォー・ツー・ゼロ』2

<『ブラヴォー・ツー・ゼロ』2>
図書館で『ブラヴォー・ツー・ゼロ』という本を、手にしたのです。
大使はフォークランド紛争や湾岸戦争の戦歴に関心があるのだが・・・
その裏には、中国の狂ったような軍拡が影響しているわけでおます。



【ブラヴォー・ツー・ゼロ】


アンディ・マクナブ著、早川書房、2000年刊

<「BOOK」データベース>より
1991年1月22日、「世界最強の特殊部隊」の異名をもつ英国陸軍SASの兵士八人が、イラクに潜入した。任務は極秘にスカッド・ミサイル発射機を破壊すること。異常寒波のなか、彼らは敵軍と長く激しい戦闘を繰り返すが、抵抗もむなしく捕虜となってしまう…悪夢と化した任務の全貌を『SAS戦闘員』の著者が克明に語る!その圧倒的な迫力で多くの読者を魅了し、大ベストセラーを記録した戦争ノンフィクションの金字塔。

<読む前の大使寸評>
大使はフォークランド紛争や湾岸戦争の戦歴に関心があるのだが・・・
その裏には、中国の狂ったような軍拡が影響しているわけでおます。

rakutenブラヴォー・ツー・ゼロ


捕虜になるあたりを、見てみましょう。
p157~160
<8>
 わたしは、時計をしじゅう見た。一度見たとき、1時になっていた。30分たったころに、あた見た。5分しかたっていなかった。時間のたつのがそれほど遅く思えたが、苦しい状況にも明るさを感じはじめていた。早く日が暮れてくれることを祈った。

 数台の車輌が轟然と通過して、鋼板が揺れ、鼓膜の破れそうな音が響いた。こんどはとまった。
 見つかったにちがいない。さもなければとまるわけがない。やばいことになった。

 心配するな。だれかを乗せるだけだ。じっと息をひそめていろ。
 楽天的に考えようとした。そう思えば、彼らが近づいてきて見つかるのをさまたげられるとでもいうように。

 7.62ミリは、大口径弾だ。それが目と鼻の先の広範に100発以上当る音ほど恐ろしいものは聞いたことがなかった。わたしは体を丸めて、頭のなかで悲鳴をあげた。
 クソっ!クソっ!クソっ!クソっ!クソっ!

 兵隊たちが、声をかぎりに叫んでいる。彼らは排水溝のいたるところを撃っていた。泥が跳ねる。振動が体に響いた。わたしはさらにぎゅっと体を丸めて、なにも当らないことを願った。乾いた銃声、銃弾の突き刺さる音、叫び声は、いっこうにやまなかった。

 発砲はやがて鎮まったが、叫び声はつづいた。なにをするつもりなのだ? 銃口を突っ込んで撃ち殺すのか?
 小銃の銃口がおりてきた。やがて男の顔が見えた。わたしを見て、ひどくびっくりしている様子だった。男が飛びすさって叫んだ。
 つぎに目にはいったのは、溝をどたどたと走る男たちのブーツだった。両側に3人ずついて、馬鹿でかい声で叫んでいる。わたしに出てこいと手ぶりで示した。

 いやなこった!

 彼らはわたしの手を見ようとした。わたしは両手両足をまっすぐ伸ばして、溝に仰向けになっていた。ふたりがブーツを片方ずつつかみ、ひっぱった。

 仰向けのまま引き出されたわたしは、昼間のシリアをはじめて見た。この世でもっとも美しい国に見えた。
 彼らはわたしを何度か蹴り、立つように手ぶりでうながした。わたしは両手をさしあげてますぐに立ち、真正面に視線を据えた。じつに美しい青空だった。
(中略)

 二台のランドクルーザーが、橋の右手にとまっていた。三人が鋼板の橋を往復している。その他の8人か9人が、溝の土手に沿って走っていた。
 そのあたりの風景は、想像していたよりずっとヨーロッパ風だった。わたしは自分に腹が立った。地形に変化のない砂漠で捕らえられたのなら運が悪かったといえるが、ヨーロッパ西北部のようなこういう土地で捕らえられたのは、やりかたがまずかったせいだ。

 わたしは泥にまみれたひどい格好で、身じろぎもせずに立っていた。卑屈な笑みを浮かべたり、反抗的に顔をしかめたりせず、だれとも目を合わせず前方に視線を据えた。日ごろの訓練の成果だ。わたしはどっちつかずの中立的な人間になろうとしていた。
(中略)

 彼らは小さな動物のように蹴っては離れ、反対にやられる心配がないとわかると、また蹴りにきた。わたしの髪の毛をつかみ、仰向かせた。鬱積した怒りを爆発させ、わたしを蹴り、殴りながら、「テルアビブ! テルアビブ!」とわめいた。


『ブラヴォー・ツー・ゼロ』1

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック