『日本文化の形成』2

<『日本文化の形成』2>
図書館に借出し予約していた『日本文化の形成』という本を、待つこと1週間でゲットしたのです。
『歴史と出会う』という本の中で、網野善彦がこの本に言及していたので、図書館に借出し予約していたのです。



【日本文化の形成】


宮本常一著、講談社、2005年刊

<「BOOK」データベース>より
日本列島を徹底踏査した民俗学の巨人が、『古事記』『日本書紀』『万葉集』『風土記』などの古代文献を読み返し、それらと格闘の末、生まれた日本文化論。稲作を伝えた人びと、倭人の源流、畑作の起源と発展、海洋民と床住居など、東アジア全体を視野に入れた興味深い持論を展開する。長年にわたって各地の民俗を調査した著者ならではの着想を含む遺稿。

<読む前の大使寸評>
『歴史と出会う』という本の中で、網野善彦がこの本に言及していたので、図書館に借出し予約していたのです。


<図書館予約:(8/04予約、8/12受取)>

amazon日本文化の形成



瀬戸内海の文化について、見てみましょう。
p171~173
<海洋民と床住居>
 私は年少の頃から瀬戸内海の文化に強い関心を持って来た。それは私が瀬戸内海の中のひとつの島に生れたこと、さらに幼少年時代、白木山という山へ毎冬薪をとりに登り、そこから見える本土や島や四国などについて、父からいろいろ教えてもらい、この山の上から見える山や島に深い愛着をおぼえたこと、さらに小学校の高等科2年生のとき、担任の兼田という先生から小西田の『瀬戸内海論』(1911、文会堂)をもらったことにある。『瀬戸内海論』は少年の心を強くうつものがあった。そして何回も読んだ。この書物はいまも持っている。

 しかし、内海をつぶさに歩く機会は容易にこないままに日がすぎた。たまたま昭和12年5月に渋沢先生(渋沢敬三)の一行が東瀬戸内海の島々を巡航することになり、私も同行がゆるされて、釜島、櫃石島、岩黒島、与島、小与島、六口島、手島、小手島、佐柳島、大飛島、小飛島、走島、高井神島、魚島、股島、伊吹島、志々島、瀬居島、塩飽本島、前島、男木島、女木島などを歩いた。その折、渋沢先生から「君は瀬戸内海のみ見て歩くのではいけない。ひろく日本全体を歩いて見ておく必要がある。それから瀬戸内海の調査をするのがよい」といわれた。そしてそういう道を歩くことになったのであるが、まだ何ほども手をつけていないうちにもう70歳をこえてしまった。

 瀬戸内海を見るためにはいろいろの角度からいろいろの眼で見ていく必要がある。文化の複合は決して単純なものではないからである。いま若い仲間にたのんで日本の漁船の調査をしているが・・・渋沢先生のいう「物をして語らしめる」ということは物の中に含まれている意思を読みとる力がないと読みとれないものであって、それにはできるだけ多くのものを見ていかねばならないと思っている。

 そうした物の見方のひろがりの中で気がついて来たひとつに住居がある。住居のことに関心を持つようになったのは、昭和35、36年に山口県萩沖の見島を調査したときからであった。見島の本浦をしらべたとき、この島は古く浦と地方(じかた)の二つにわかれ、それぞれ庄屋がいてこれを治め、氏神も地方は八幡宮、浦は住吉神社があり、別々の世界をつくり、地方と浦との間には通婚も少なかった。しかし現実に村を歩いてみると、家がびっしり建て込んでいて、浦も地方も区別がないように思った。
 
 そこで私は村のことにくわしい古老の何人かに一軒一軒について浦か地方かを教えてもらい、さらにその堺になるところを歩いてみた。
 隣りあわせていても一方は地方、一方は浦というように、他の地方のように道とか流れとかが堺になっているというようなものではなかったが、しらべて歩いていて気のついたことは、地方の者は間取りが田の字型で引戸のついた家に住んでいるが、浦の者は並列型の間取の家に住み、蔀戸(しとみど)を持っている。

 蔀戸というのは、上下二枚になっていて、上の方は吊りあげるなり、押しあげるなりすると庇(ひさし)のようになり、下は前方に倒すと縁になり、また商品などをならべる店棚にもなる。中世の宮殿や神社などには内外の障壁を蔀戸にしたものが多く、古い寺院が扉を用いているのと対照的であるが、その蔀戸が浦の家に見られる。浦の家は漁家である。

 地方と浦の家は相接して建っていても居住様式は違うのである。そして間取が並列であるというのは、船住居の型をそのまま陸へ持ってあがったのではなかろうか。船は梁によって表の間、胴の間、艪の間にわかれている。それが陸住の形をとったのが漁民の家なのであろう。

ウン 瀬戸内海といえば大使の認識では、倭寇の拠点であり、日宋貿易の航路でもあり、平清盛の見果てぬ夢でもあったわけで、わりと関心があるのでおます♪

『日本文化の形成』1:焼畑

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