『あやしい探検隊アフリカ乱入』2

<『あやしい探検隊アフリカ乱入』2>
図書館で『あやしい探検隊アフリカ乱入』という文庫本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、カラー写真の集中的収録部分と沢野画伯のヘタウマ挿絵が見られて、思いのほかビジュアル本になっているのが・・・・ええでぇ♪


【あやしい探検隊アフリカ乱入】


椎名誠著、角川書店、1995年刊

<「BOOK」データベース>より
マサイ族の正しい雄姿をこの目で見たい、と過激に果敢にアフリカ入りした、椎名隊長率いるあやしい探検隊の五人の面々。万事、出たとこ勝負、気分はポレポレ。サファリを歩き、野獣と遊び、マサイと話し、キリマンジャロの頂に雪を見るというような至福の日々に、思いもかけない“災い”も待っていた―。大胆不敵でありながら、哀愁にみちた「あやしい探検隊記」の第五弾、ますます楽しい熱風草原の巻。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、カラー写真の集中的収録部分と沢野画伯のヘタウマ挿絵が見られて、思いのほかビジュアル本になっているのが・・・・ええでぇ♪

amazonあやしい探検隊アフリカ乱入

マサイ族の村に侵入。家の中にまで招かれ、彼らの生活に驚きより


「第1章 熱風草原でライオンに笑われる」でマサイ族の生活を、覗いてみましょう。
p81~84
<マサはアフリカの又三郎だった>
 午後三時、マサイの村に行くことになった。マサイの村はなかなか簡単には行けないそうである。その日、我々は一人200シリングのお金を徴収され、つてをもとに近くの小さな村へ入っていくことができた。

 マサイの部落は基本的には兄弟や親族で5、6軒から7、8軒が集まり、円形の、外側に木やイバラで防護した囲いのある村落をつくる。家はその周辺に並び、中の空き地に彼らの最も重要な家畜である牛を入れて、夜の野生生物の襲撃などに防備するのだ。

 我々が案内されたのは、30人ほどが住んでいる中規模クラスの村で、昼間だから男たちは牛たちとみな放牧に出かけており、女たちだけが中にいた。マサイの女は頭をツルツルに剃っている。男も女も背が高く、平均1メートル80ぐらいはありそうだ。

 マサイ族にぼくが興味を持つのは、ものの本などで読むと、彼らはその生き方や暮らし方にかなり強固な、昔からの生活様式を固持し、周辺に迫ってきている文化文明の便利やその逆の汚辱にまみれないことである。

 世界のあちこちでいろんなネイティブを見てきたが、多くの原住民はどうもかいま見るところ、だらしなく酔っぱらっているケースが多い。これはアメリカ・インディアンにしても、カナダ・イヌイットにしても、オーストラリアのアボリジニにしても、みんな似たような堕落ぶりが目につく。

 たぶんこれは彼らが悪いのではなくて、彼らのあとから入っていった為政者たち、たとえばアメリカ政府、オーストラリア政府、そういった政府、国家のやり方に問題があるのだ。

 原住民の土地に入っていった先進国家は彼らの土地をあとからきて奪ってしまったという負い目があるからなのか、たいていどの国も保護政策という名の、いわゆる生活保護の金銭援助を行なっている。そのためにネイティブの多くは政府から支給されるおカネで労働意欲を失い、昼間から酒を飲み、生活を破壊し、身をもち崩すというスタイルになりやすいのだ。
 (中略)
 その中にあって、アフリカのカサイはかたくなにその伝統的な生活スタイルや、その生きていく考え方を変えようとしない。すぐそばに資本主義社会の発達した文化的生活のさまざまな誘惑がからみついてきているのに、マサイたちはいまだに裸足で、アフリカンカラーのケープを体にまといつかせ、右手に槍、左手に刀を持ち、サバンナを疾走しているのだ。

 緑の草原を原色のアフリカンカラーのケープを風になびかせてタッタッと走っていくマサイの姿は美しい。沢野画伯はそれを見て、「風の又三郎のようだ」と言った。ぼくは風の又三郎を見たことがないが、まさしく彼の言う気配を彷彿とする、それは夢のような美しい走り方だった。

 このひじょうに原則的な誇り高いマサイの生活ぶりをありのまま見られるというマサイ村の探訪は楽しみだった。

 入っていくと、マサイのおっかあたちが7、8人、横一列に並び、いきなり手を叩きながら何やら歌をうたいはじめた。それは我々を歓迎する歌だった。マサイの女たちはなるほど全員がクリクリ坊主で、体のあちこちにやはり原色の派手な、しかしその実よく見るとまことに粗末なビーズを主体にしたアクセサリーで身をまとい、牛の糞がいたるところに転がる地面の上をピョンピョン跳びはねうたっている。
 異相民族にはずいぶん出会ったけれど、マサイもまさしく我々日本人の生活から考えると、とてつもなく異なった世界の人々だ。


『あやしい探検隊アフリカ乱入』1

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