『野生のティッピ』4
<『野生のティッピ』4>
図書館で『野生のティッピ』という本を、手にしたのです。
冒頭にティッピの写真が数枚載っているが、どれにもティッピの魅力的な能力が写っています。
・・・これは期待できそうである。

ティッピと象の遭遇を、第9章「アブー、私のお兄ちゃん」で見てみましょう。
『野生のティッピ』3:アフリカーンス語
『野生のティッピ』2:アランとシルヴィ(つまりティッピの両親)
『野生のティッピ』1:ティッピとリーダー象アブーとの交流
図書館で『野生のティッピ』という本を、手にしたのです。
冒頭にティッピの写真が数枚載っているが、どれにもティッピの魅力的な能力が写っています。
・・・これは期待できそうである。
【野生のティッピ】 ![]() シルヴィ・デグレ・ロベ-ル, アラン・デグレ著、小学館、1997年刊 <「BOOK」データベース>より ティッピは、ナミビア生まれの最初のフランス人だ。私たちはこの広大なアフリカの地平線を、ティッピとともに分かちあうのだ。彼女は動物たちとふれあいながら、世界でもっとも美しい風景の中で大きくなっていくだろう。アフリカに移り住んだ家族の、愛と自由に溢れる驚愕のノンフィクション。 <読む前の大使寸評> 冒頭にティッピの写真が数枚載っているが、どれにもティッピの魅力的な能力が写っています。 ・・・これは期待できそうである。 rakuten野生のティッピ |

ティッピと象の遭遇を、第9章「アブー、私のお兄ちゃん」で見てみましょう。
p124~128 <Sylvie> 象に乗ってオコバンゴ湿地帯を回るサファリツアーの観光客向けキャンプに、群れのリーダー象であるアブーの名前がつけられていた。<アブーのキャンプ>は、すでに大金持ちになっていたアメリカ人動物調教師ランドル・ムーアが運営している。 ランドルは動物学者でもあったが、それはたんにそのほうが仕事に有利だからしかたなくそうなっただけのこと。アングロサクソンの世界では、自然や動物関連の仕事をする場合、学者であることが求められるのだ。 ランドルはまずアメリカで象を集め、それを調教してアフリカに連れてきた。アブーはこの冒険旅行にはじめから参加していた。ランドルと彼の三頭の象はまずケニアに上陸したが、ケニアは彼らを追い出した。彼らを受け入れたのは南アフリカだった。 ランドルは南アフリカに着いてすぐ重要人物になり、ハイクラスの人たちと交流するようになった。公園局で彼はじかに局長に話しにいく。アランと私はもっと控えめな手順をたどった。でも、私たちがヨハネスバーグの社交界で彼らに会うと、そのつど私たちに話しかけてきた。 私たちのミーアキャットとの冒険が、ランドルの心を惹きつけたにちがいない。このほとんど不可能ともいえる私たちの賭けが、象を相手にした彼の非現実的な企てにかなり近かったからだ。私たちはふつうの人たちとは別の部類に属す人間で、彼もまた同様だった。 南アフリカで仕事をしてから、ランドルは自分の象たちとともにオコバンゴ湿地帯に移り住み、そこで象に乗るサファリツアーを始めた。彼に言わせれば、「自分が借っている象たちはきちんと調教されているが、決して飼いならされているわけではない」とのことだった。だから、お客さんが象たちに近づけるのは乗るときだけで、しかも象たちの用心深い視線を浴びなければならなかった。 <アブーのキャンプ>は、黄金時代のケニア様式を模した贅沢なキャンプだ。アフリカふうでありながら洗練されている。超デラックスなテントが建っていて、バーには50種類のウィスキーがおいてあり、サービスは完璧だ。すべてが超一流で気取っていた。 一泊一人八百ドルのこのキャンプのお客は一般人ではない。ランドルが受け入れていたのは特権階級の人だけで、しかも同時に5組以上を受け入れることはなかった。だから億万長者でさえ、そう簡単に宿泊を予約できなかった。<アブーのキャンプ>はとても閉鎖的なクラブになっていた。ランドルは意図的にそうしたのだが、それが彼の成功の鍵だった。 (中略) ランドルの永遠の協力者アブーでも、時々ティッピのほうが好きになることがあった。今でも思い出されるのは、ランドルのキャンプへ初めて行ったとき湿地帯で見かけたあるシーンだ。 そのときティッピは、湿地の葦のなかに立って象の群れを眺めていた。群れのなかには、ランドルを背中に乗せたアブーがいた。アブーはその日のツアーから帰ってきたところだった。ランドルが厳しく命令しているのに、アブーはそれに従おうとしなかった。アブーはティッピに近寄り、彼女がアブーに手を差し出す。アブーは鼻を上げて彼女のほうに伸ばし、頭の上にそっと置いた。アブーは本当に軽く置いたのだが、ティッピは葦のなかで少しバランスを崩し、尻もちをついてしまった。彼女は大きな笑い声を上げ、また立ちあがると頭をアブーのほうに出して、 「もう一度!」と言ったのだ。 ティッピの語彙のなかで理解できるのはママンとパパだけで、それ以外は理解不能あのだが、この語彙にもうひとつの言葉がつけ加えられた。しばらくしてティッピは“アブー”という言葉を覚え、さらに少したつと、“アブー、私のお兄ちゃん”という言葉を言えるようになった。 |
『野生のティッピ』3:アフリカーンス語
『野生のティッピ』2:アランとシルヴィ(つまりティッピの両親)
『野生のティッピ』1:ティッピとリーダー象アブーとの交流
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