『カシス川』2

<『カシス川』2>
図書館に借出し予約していた『カシス川』という本を、およそ半年待ってゲットしたのです。
胃を全摘した大使にとっては「がん」ものは、まあ、ツボともいえるので借出し予約していたのです。


【カシス川】
カシス

荻野アンナ著、文藝春秋、2017年刊

<出版社>より
7年前に彼を癌で亡くし、父を見送った私の腸に、癌が見つかった。
これで私はようやく休める、私は腹の中に「楽園」を抱え込んでいるのだ。
告知を平然と受け止めた私は、ともに暮らす要介護4の母との入院を心に決めた。

<読む前の大使寸評>
胃を全摘した大使にとっては「がん」ものは、まあ、ツボともいえるので借出し予約していたのです。

<図書館予約:(1/20予約、7/13受取)>

rakutenカシス川


アンナさんの入院記を、見てみましょう。
p31~34
<海藻録> 
 5月15日
 私に天才的なアイデアが浮かんだ。入院中、母を一人にしておくことは不可能である。食べずに干からびるか、転んで骨を折るか、その両方の可能性が高い。
 幸い母は入院するに足る病気を複数抱えている。母と私が同時に入院すれば飯の心配は解消する。おまけに常時医者がいるから倒れ放題だ。

 主治医に泣きついてOKを取った。間に一部屋置いて、母と私の病室が並ぶことになった。
 母は不満である。同室を主張した。幸い病院に二人部屋は無かった。

 5月16日
 ホームドクターはダジャレ好きである。
 「子宮がんはシキューに手術しないと」
 「悪いところがないのにケッカンとはこれいかに」
 さすがに患者を見て言葉を選んでいるらしく、医院は結構繁盛している。経緯を電話で報告するたび長話になる。
 「がん細胞は自由奔放なヤツなんです。体から『大腸の粘膜になりなさい』と指令が来ても『おれは大腸になんかなりたくない』と他所のショバに行ってしまう」

 以上、がんの「湿潤」の説明である。浮かれたがん細胞も、普通なら大腸の細胞にブロックされて「遊走」できない。それでもロックを解除し、早い段階から「旅に出る」がんがいる。のんびり発達しながら遠出をしないがんもいる。すべては最初から運命付けられている。がんも、患者も、「お釈迦様の手のひらの上」なのだ。

 5月22日
 ハンコ メガネフレーム 保険のこと ヘアカット 百均小物入れ 本を返す 携帯の充電器 布・引っ付き虫…
 入院の必須アイテムは「布」だ。病室の白い壁に耐えるのが入院生活と知っている。

 5月23日
 職場を昼に退き、大量の荷物と母親を背負って入院した。「背負って」はむろん比喩である。正確には、左腕に百均のビニールバッグをふたつ。ホームレスが日常品一式を入れて持ち歩くのと同じタイプのものだ。右腕にはショルダーバックと、ホームレスバックがひとつ。バッグを半分床に引きずりながら、母親の車椅子を膝で押して歩いた。病人になるには体力がいる。
 
 落ち着いたところで、主治医から説明を受けた。「高・中分化線がん」と聞いて胸をなで下ろした。小細胞がんのような活発なタイプではない。遠隔転移(肺・肝臓)も目に見えるレベルでは存在しない。今のところ「ステージ2」だが、切ってリンパ節転移があればステージ3になる。

 5センチのがんに対して約15センチを切る。短く切ると「廓清が甘くなる」、すなわち取り残しの危険が出る。切除の後はサーキュラーステープラー(ホッチキス)を尻から挿入して縫合する。

 手術の翌日から歩行訓練が始まる。4、5日でドレーンが抜け、水と粥が摂れる。1週間で抜糸。順調なら10日で退院。


ウン 大使の場合も手術の翌日から歩行訓練が始まったなあ。
胃の全摘で順調なら2週間で退院と言われたのかな?

『カシス川』1

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