『ビゴーを読む』1

<『ビゴーを読む』1>
図書館で『ビゴーを読む』という絵本を、手にしたのです。
表紙の副題に「明治レアリスム版画」とあるように・・・
ビゴーに惹かれるのは、まさにその点だと思うのです♪



【ビゴーを読む】


清水勲著、臨川書店、2014年刊

<商品説明>より
本書では、来日前の作品から、日本滞在中に製作された刊行・未刊行を含む版画集の全点、そして帰国後の作品に至るまで、ビゴーが生涯で製作した版画作品のほぼ全点を図版・解説付きで紹介。

<読む前の大使寸評>
表紙の副題に「明治レアリスム版画」とあるように・・・
ビゴーに惹かれるのは、まさにその点だと思うのです♪

rakutenビゴーを読む



まずは大使好みの1枚を、見てみましょう♪。
p208
■水汲み 


 女中か主婦か。女性の早朝最初の労働は、井戸の水汲みである。雨上がりで庭がぬかるんでいるのだろう。高下駄を履いている。井戸のそばにはちょっとした台があり、その上に乗って井戸の釣る瓶を引上げる。
 水の満たされる釣る瓶からの小さな樽に水が移される。この樽だと釣る瓶二杯分ほどか。最初の水は、米とぎや味噌汁用だろう。

 少し広い庭を持った家なら井戸があった。長屋のような住宅でも井戸がついていた。そこが水汲み場であり、洗濯場でもあった。社交・情報交換の場であったことが、戦後間もなくの「サザエさん」にも記録されている。

 古代から日本人は川のほとりに住み、そこから水汲みをした。人口の増大とともに泉や地下水も利用、川のない所にも住むようになった。やがて、仏教伝来と共に大陸の技術が伝えられ、地面の下に垂直に掘り下げた井戸ができるようになった。

 この絵のテーマは、水汲みという「女性の労働」であるが、メインは彼女らが日常ふれている「木の文化」を紹介しようとしたのではないか。
 井戸・台・小樽・高下駄そして家

 日本人は木におおわれた国土に住み、木を利用した道具を使って生活してきた。ヨーロッパに初めて行った日本人は、そこが「石の文化」の地であり、自分たちが「木の文化」に生きてきたことに気がつく。それと逆の立場だったビゴーは、明治15年の横浜・東京あるいは千葉に生きる日本人が、木を使った生活をしていることに容易に気がついただろう。

 自身で木の家に住んでみて、日本の気候に合った快適さは納得したと思われるが、冬の寒さや夏の暑さは、慣れるまで大変だったろう。木の家に住んでいちばん心配したのは地震ではないか。明治27年6月20日の東京地震(マグニチュード7.0)は体験しているはずだ。明治24年の濃尾地震(マグニチュード8.0)、明治29年の三陸地震(マグニチュード8.2、死者二万二千人)は現地取材して、その恐ろしさを世界に発信している。


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