(オピニオン)日米同盟の現在地

<(オピニオン)日米同盟の現在地>
 拓殖大教授の佐藤丙午さんがオピニオン欄で「日本の防衛産業、先細り」と説いているので、紹介します。
 鉾と盾の両方を開発して売るというのが、アメリカの伝統的なやり口であるが・・・
それを一部ブラックボックスのまま、言い値で買わざるを得ないのがニッポンなんでしょうね。

日米
(佐藤さんのオピニオンを12/19デジタル朝日から転記しました)


北朝鮮危機が高まった今年、日本の安全保障のあり方が何度も問われた。トランプ氏は、米国の武器を大量購入すればよい、とあからさまにいう。日米同盟をどう考えたらいいのか。

■日本の防衛産業、先細り:佐藤丙午(拓殖大教授)

 トランプ氏の選挙戦中の発言からみて、就任後に米国製の防衛装備品の購入を迫ることは十分に予想できました。

 アジアでのトランプ政権の同盟戦略は、中国の軍事力拡大に対し、米国の前方展開兵力を強化すると同時に、地域の同盟国の強靱性を高めることに力点が置かれています。

 これはオバマ政権の政策を引き継ぐものです。日本を含むアジア諸国に高性能の防衛装備品を導入させて防衛力を高めることで米国自身の戦略を補強する狙いがある。これがグローバリゼーション下の安全保障のあり方でしょう。

 そもそも日本の場合は、自衛隊の創設時に米軍から米国製の装備品が供与され、その後もライセンス生産などの形で最新装備が導入されてきました。日米共通の装備品を使うことで相互運用性が高まり、日米の戦力の一体化の向上にも役立ってきました。

 今回のトランプ発言をめぐっては、日本側にも最新の弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」や長距離巡航ミサイルなどを導入したいという希望があり、双方が満足することができました。

 ただ米国の装備品の導入には功罪両面があることも知っておくべきです。例えば日本国内には自衛隊の装備品を開発・製造する多数の防衛産業がありますが、その体力を奪ってしまう。また仮に米軍の装備品やシステムに意図せざる脆弱性があれば、日本も同じ弱点を抱えることになる。

 国内産業への十分な政策が必要です。今のままでは日本が米国製に匹敵する高性能なものを作らない限り、米国に国内市場を奪われる一方になります。米国から購入するばかりだと国内の生産基盤は緩やかに打撃を受け、やがて立ち枯れになってしまいます。

 その結果、技術の蓄積ができず、海外企業との共同開発に加わる際も日本側から提供できる技術がなくて参加できなかったり、日本が有事になった場合の装備品の生産能力が大幅に低下してしまったりする恐れがあるのです。

 防衛装備品の開発・生産は、もはや米国でさえ単独で賄うことができません。多国間の企業連合が共同生産ネットワークを組んで対応する時代に入っている。日本の企業が生き残る道があるとすれば、海外の企業連合と組むという選択しかありません。欧米だけでなく、無人機や人工知能(AI)の分野で秀でる中国や韓国企業との連携も排除せず、日本企業は生き残りに全力をあげるべきです。

 政府の防衛産業政策が間違っていたのか、それとも企業の自助努力不足だったのかは定かではありません。しかし日本の企業が自衛隊のニーズを満足させる装備品を作れていない事実は明白です。日本政府は国内の生産基盤が生き残れるような産業施策を急ぐべきです。(聞き手・谷田邦一)

    *
佐藤丙午:66年生まれ。防衛庁防衛研究所主任研究官を経て拓殖大教授。日本安全保障貿易学会副会長も務める。


(オピニオン)日米同盟の現在地佐藤丙午2017.12.19


この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR4に収めておきます。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック