『人口減少時代の住宅政策』3

<『人口減少時代の住宅政策』3>
図書館で『人口減少時代の住宅政策』という本を、手にしたのです。
人口減少時代の住宅政策と聞けば・・・
空家問題とかスプロール化する郊外とかスクラップ&ビルドの建て売り住宅とか、大使には課題ばっかりが思い浮かぶのです。


【人口減少時代の住宅政策】
住宅

山口幹幸, 川崎直宏著、鹿島出版会、2015年刊

<出版社>より
人口減少、少子高齢化、環境問題、災害対策ーー、未曽有の課題に直面する日本社会で住宅政策はいかに機能するか。社会の写し鏡としての住宅政策を戦後70年の軌跡から読み解き、成熟社会に向けた展望を開く。
第1部 住宅政策が変えたもの(戦後70年のエポック)
萌芽期(戦前~1964)/高度経済成長期(1965~1974)/政策模索期(1975~1984)/バブル期(1985~1994)/政策転換期(1995~2004)/低成長期(2005~)

第2部 人口減少時代の論点住宅政策と10の論点
日本の住宅政策について/人口減少・少子高齢化社会/住宅の公共投資(社会資本整備)/都市居住と郊外居住/環境・エネルギー・防災問題と住宅/建築技術・生産・住宅計画

<読む前の大使寸評>
人口減少時代の住宅政策と聞けば・・・
空家問題とかスプロール化する郊外とかスクラップ&ビルドの建て売り住宅とか、大使には課題ばっかりが思い浮かぶのです。

この本の著者は建築会社のお偉いさんであり、なんか住宅供給サイドのスタンスが感じられるのだが・・・眉に唾して読んでみます。

rakuten人口減少時代の住宅政策


現状住宅のスクラップ&ビルド志向について、見てみましょう。
p190~191
<これからの民間市場政策の方向性> 
 わが国の住宅供給はそのほとんどを民間に依存しており、民間市場をいかに活性化できるかが住宅政策の行方を決める。政策目標に沿った行動がとれるよう、行政には環境整備が必要となる。しかし現実には、新たな政策の意図を欠き、単に経済浮揚策の具として用いられることが多い。

 また、多様な住宅課題が山積するなかで、詐欺や偽装など市場取引の安定性を脅かす事態も生じている。このような背景のもとで民間の力を住宅政策の求める方向に生かし、誘導することが求められる。
 これには市場が健全に機能し、最終消費者の個人が損害を被ることなく適切にアービスなどが届けられること、消費者が良質なサービスなどを自ら判断し、選択できる市場環境が必要となる。

 一方、一般勤労者が給与所得で無理なく取得できる住宅の実現や災害危険性の高い木造密集地域の抜本的な整備など未だ解消されない住宅政策の課題もある。

 今日では既存住宅ストックの改善や建替えに軸足をおいた政策展開も求められる。持ち家・分譲・賃貸を問わず空き家が増大し、人口減少のなかでの従来の新築依存体質は状況をさらに悪化させる。さらには高齢者の安心居住や地球環境等の問題も住宅供給に併せて対処してしていかねばならない。これらに、民間事業者のインセンティブを高め、過去の住宅政策の経験等を生かした実効性のある施策を実施していくことが求められる。


今後の住宅政策の課題を、見てみましょう。
p195~196
<今後の人口・世帯推計から見た住宅政策の課題> 
■形成世帯の住宅需要の持続と消滅世帯の空家化 
 人口は2010年以降減少するが、住宅需要に関係する2019年をピークに減少すると推計されている。将来推計人口では、わが国の総人口は、2010年の1億2806万人から長期の人口減少過程に入り、2030年の1億1662万人を経て、2060年には8674万人になることが見込まれている。

 しかし世帯数で見れば、依然増加が継続し、その後も住宅需要となる新規形成世帯の出生人口が2000年ごろまでは団塊ジュニアの子世代として大きく減少しないこと、世帯の減少は消滅世帯の増加が主要因となることから、2025年ごろまでは新築住宅着工も大きく減少することは考えにくい。

 とくに、新規形成・再形成世帯は都市部の需要の高いエリアに発生し、消滅世帯は地方や郊外の需要の低いエリアに発生する。それぞれの住宅事情への影響が異なり、エリアや居住条件のミスマッチが解消しない状況のなかでは、新築着工戸数は世帯総数増減より、形成世帯数の増減が大きく影響し、消滅世帯数は空き家戸数の発生に大きく影響することになる。
(中略)

 一方で消滅世帯の増加から空き家はさらに増加することになろう。しかし空き家問題は住宅問題を超えて、社会構造・産業構造・国土や都市構造を含めた抜本的な政策対応が必要となり、ドラスティックな居住地の再編をベースに展開されることが必要となる。


ウン 安易なスクラップ&ビルドを繰り返す余裕はないわけで・・・
政官財民の知恵が試されるわけなんでしょうね。

ところで、我が日記を調べてみたらこの本をおよそ2年前に読んでいることが判明しました。…で、この記事を(その3)とします。イカン イカン。

『人口減少時代の住宅政策』1:住宅問題の概観p6~7、黎明期のプレハブ住宅p68~69、現代の時代状況p160~161、これからの住宅課題p215
『人口減少時代の住宅政策』2:コンパクトシティ論p174~175

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