『カラスの早起き、スズメの寝坊』4

<『カラスの早起き、スズメの寝坊』4>
図書館で『カラスの早起き、スズメの寝坊』という新書を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると…なるほど、「文化鳥類学」のおもしろさが散見されるのでおます♪


【カラスの早起き、スズメの寝坊】
スズメ

柴田敏隆著、新潮社、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
モズ、カラス、スズメ、フクロウ、ウ、オオタカ、ヤマシギ、オオミズナギドリ…さまざまな環境に適応して高度に進化した鳥たちは、苛酷な状況を生き抜くためにみごとな知恵を発揮する。感情表現豊かなその生態は、知れば知るほど、人の姿を連想させる。文化人類学ならぬ、「文化鳥類学」の視点から、鳥たちの社会を、いきいきと描くネイチャー・エッセイ。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると…なるほど、「文化鳥類学」のおもしろさが散見されるのでおます♪

rakutenカラスの早起き、スズメの寝坊

ホトトギス不如帰・子規:カッコウ目カッコウ科

鳥の生態学的役割が語られているので、見てみましょう。
p159~160
<鳥が運ぶもの>
 鳥は飛翔の名手なので、場所から場所への移動はお手のものである。移動には多かれ少なかれ、運搬という行為が伴う。ある事情があって鳥の運搬、「鳥が運ぶもの」について真剣に考える機会があった。

 先ず無形の運搬がある。たとえば渡り鳥による季節感の運搬がある。「卯の花の匂う垣根に時鳥早も来鳴きて忍音もらす夏は来ぬ―佐々木信綱」は、夏鳥であるホトトギスの渡来に夏の到来を情報として感知したことになる。

 「きょうからは日本の雁ぞ楽に寝よ―小林一茶」は冬の到来の認知でもあるが、ここには深いアメニティの運搬(?)がある。

 マレーシアでは死者の霊魂は鳥によってあの世に運ばれると信じられているが、日本でも日本武尊が亡くなったとき、「八尋の白ち鳥」と化して飛び去ったと『古事記』にある。また山口県の土井ヶ浜の弥生時代の遺跡から発掘された少女の骨は、胸に鵜(の骨)を抱いていたが、これは親に先立った子の魂を、遠い海原の彼方にあると信じられた冥府にまで案内してほしいと、冥府の使者と目される鵜に道案内を託した親の措置であろうと考えられている。チベットまどで行われる「鳥葬」の儀式も、死者の魂を鳥に託し、同時に残された遺体に悪霊が宿るのを防ぐために、それをハゲワシの一種に食べさせてしまうものである。

 ヨーロッパでは赤ちゃんはコウノトリが運んでくるものといいう伝承があるが、もちろんこれは無形抽象の世界の話である。

 遠い昔、鳥が大切な食料や装身具の原料のひとつとして狩猟の対象とされていた頃、鳥は肉と羽毛の運搬者であった。ただし、この場合は自らの肉体をそれに供したのであるから、この運搬者は捨身菩薩の化身のような存在であった。卵も自然の中で採取するかぎりは鳥が運んできた食べ物と言えるだろう。今の狩猟はスポーツ・レクリエーションの楽しみを運搬(?)してくれることになるであろうか。

 鳥が緑の運搬と伝播に与って力あることはどのくらい評価されているであろう?
 植物の種子は、風、水、動物、斜面を転がり落ちる「どんぐりころころ、ドンブリコ」などによって拡散するが、鳥に食べられて、あるいは鳥に付着して運ばれる場合、かなりの遠距離に拡散分布される可能性が高い。私の家の猫の額程度の庭でも、16種類の樹木が生えているが、その中で私が植えたものはわずか4種類、あとは給餌台に集まるヒヨドリ、シロハラ、ムクドリ、メジロ、ウグイス、スズメなどの野鳥が運んだものである。因みに、全く不毛であった造成地に住んでから40年になる。


ここで、『里山の野鳥ハンドブック』より、ホトトギスの薀蓄を披露します。
p71
<ホトトギス>
全長:28cm、見られる時期:5~9月、分布:北海道南部以南、生活型:夏鳥、鳴き声:キョッキン、キョキョキョ。 
 
 繁殖期の雄の鳴き声を「特許許可局」「天辺かけたか、本尊かけたか」などと聞きなしする。ウグイスなどに託卵をするカッコウのなかまで、ウグイスに似たチョコレート色の卵を産む。「万葉集」に最も多く登場する鳥で、夏を告げる「初音」を、古来より人々は楽しみにした。鳴くときに口の中が赤く見え「血を吐く鳥」と言われ、晩年、結核を患った明治の俳人・正岡子規の俳号は、本種の漢字名のひとつに由来。


『カラスの早起き、スズメの寝坊』1:冬のツバメ
『カラスの早起き、スズメの寝坊』2:鬼子母神のシステム
『カラスの早起き、スズメの寝坊』3:弱きは滅ぶ

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