『日本人の「住まい」はどこから来たか』6

<『日本人の「住まい」はどこから来たか』6>
図書館で『日本人の「住まい」はどこから来たか』という本を手にしたのです。
なんか既視感のある本だけど、再読に耐える本という見方もできるわけだし、まっいいかと借りたのです。
帰って調べてみると、今年の2月に借りていることが分かりました(イカン イカン)。
…で、この記事を(その4,5,6)としています。


【日本人の「住まい」はどこから来たか】
住まい

吉田桂二著、鳳山社、1986年刊

<「BOOK」データベース>より
歴史をちょっとひもとけば、日本人の衣食住は中国や朝鮮の影響ぬきには考えられないはずなのだが。では、おまえは日本以外の東アジアの家がどうなっているのか知っているのか、と自問して愕然とした。何も知らない。建築の専門家ずらをしてこんなありさまだ。―町並み保存運動に情熱を傾け日本各地の伝統的な民家を訪ね歩いた旅の建築家である著者は、日本人の住まいの源を求めて海を渡った。韓国、中国、タイ、マレーシア、インドネシア…。そして彼の地で触れた人々の生活と住まいに驚くべき類似性を発見する。日本の伝統とは何かを問う異色ドキュメント。

<読む前の大使寸評>
なんか既視感のある本だけど、再読に耐える本という見方もできるわけだし、まっいいかと借りたのです。
帰って調べてみると、今年の2月に借りていることが分かりました(イカン イカン)。
…で、この記事を(その4,5,6)としています。

amazon日本人の「住まい」はどこから来たか


昌徳宮昌徳宮の庭園

著者は庭園についても造詣が深いようで…
日中韓の庭園について、見てみましょう。
p159~162
 日本の庭園は天地を凝縮しているといわれるが、悪くいう人はこれを箱庭趣味という。しかしこうした性格が決して日本独自のものでないことは、中国の庭園を見れば明らかで、中国庭園の性格をそのままに引きついでいるわけである。
 
 箱庭ということでいえば、建築的にはつくられない庭園の中に、橋とか小径とか亭などの人工物を入れたがる点がおもしろい。こうした点景もまた自然の風景の中の一要素なのであろう。それは水墨画の中の風景と一致する。

 山や谷や谷川を描いていても、そこには必ず亭があり、橋や小径や人間が描かれることが多い。こうした庭園の中の亭は、庭を散策してそこで休むことはもちろんできるけれども、より多く庭園の点景として眺めるものであった。そう考えると、日本の金閣も銀閣も、また桂離宮の庭に点在する茶亭も、その流れをひくものとして外から眺める建物なのだといってよいように思われる。

 中国と日本の庭は以上のようにきわめて近いが、不思議なことに朝鮮には類似の庭が全くない。朝鮮の家の庭は日本の農家の作業庭と同様、木など生えていない裸土の庭だから庭園といえるものではないが、宮殿に類した家であっても家のまわりに眺める庭をつくることは全くない。強いていえば、家をかこんで広がっている自然そのものが庭だという思想なのではないか。

 家とは全く関係なく、殆ど自然そのままの後庭に多少の手を加え、池を整えたり亭を構えたりするが、これは庭の点景というより自然に親しむ別宅と思った方が近い。

 庭に関しては朝鮮は日本や中国とは全く違うように思えるのだが、三者に共通する奇妙な趣味がある。それは変テコリンな形の石を立てたがることだ。中国の太湖の底からは太湖石と呼ばれる穴だらけの白い化物のような奇怪な石がとれる。いつの頃からはわからないが、多分、宋代末期か明代に入った頃からか、この石を庭園に飾るのが猛烈に流行しはじめたらしい。もちろん権力者や大金持のやる道楽だから、1コより2コ、2コより3コと競争がはじまり、ついには太湖石の石組でうずまるというような状況になったようだ。
(中略)
 
 幸せなことに日本では太湖石ほど奇怪な石が多く産しなかったので、日本に導入された枯山水の庭園は化物の乱舞にならずにすんだ。でも本当の理由はそうではなく、日本的美意識からはどうにも我慢できなかったのだと見るべきかもしれない。


『日本人の「住まい」はどこから来たか』1:日朝の縁側についてp66~68
『日本人の「住まい」はどこから来たか』2:日中における風流の思想p163~167
『日本人の「住まい」はどこから来たか』3:引戸主体の形式こそ日本独自p305~309
『日本人の「住まい」はどこから来たか』4:日朝の住まいの違いp26~29
『日本人の「住まい」はどこから来たか』5:日朝の住まいの違いp36~37

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