『熱風大陸』2

<『熱風大陸』2>
図書館に予約していた椎名誠著『熱風大陸』という本を、待つこと4日で手にしたのです。
たまたま椎名誠著『駱駝狩り』を読んだところだが、その話がカラー写真付きで詳しく載っているのが、ええでぇ♪


【熱風大陸】
熱風

椎名誠著、講談社、1988年刊

<「BOOK」データベース>より
『恐るべき空白』!150年前、熱気70度のオーストラリア砂漠を旅した男たちのロマンを追いかける。

<読む前の大使寸評>
たまたま椎名誠著『駱駝狩り』を読んだところだが、その話がカラー写真付きで詳しく載っているのが、ええでぇ♪

若い頃の椎名の砂漠旅行となると、バカげの至りで期待できそうやで。

<図書館予約:(11/16予約、11/20受取)>

amazon熱風大陸


この本のメインイベントともいえる「駱駝狩り」のあたりを、見てみましょう。
p122~126
■おぞましい咆哮の主は何だ!?
 「野生のラクダ?」
 M・コーモリが言った。そんなものがオーストラリアに生息しているなんて誰もしらなかった。
 「そう。誰も飼っていないラクダです。このへんに沢山いるのだそうです」
 リチャードが日本語で解説した。

 我々は大きな樹の陰に入り、しばらく彼らの話を聞いた。
 ボスはイアンという名の大柄で眼の鋭い男だった。絶えずタバコを吸っており、テンガロンハットの下にくゆらした自分のタバコの煙に時おり困ったように眼をしばたく。それがとてもいいかんじで、マールボロのコマーシャルに出ると似合いそうだ。

 その第一子分がグレアムという黒髯の男で、こっちはマカロニウェスタンでいつも一番最初に殺されそうな顔つきをしている。

 あとでわかったのだが、このキャメルボーイのチームはいずれも何分の一かはアボリジニの血が入っているらしい。いつも野球帽をかぶっているトニー、小柄で人のよさそうなハゲ頭のビル、チェックの破れシャツが似合うフイルなどと次次に握手する。

 話を聞いてわかってきたのは、もともとオーストラリアにラクダはいなかったのだが、ずっと昔に中近東あたりからもってきたのが自然繁殖し、このあたり一帯に棲みついてしまったらしい、ということ。そしていま中近東などかつてのラクダ生産国はラクダ不足になっており、それらの国にラクダをつかまえては売っている、というのだ。

 つかまえたラクダは彼らの牧場で特訓し、人間を背中に乗せられるようにすると一頭40万円で売れるというのだ。そして現在このあたりにいる野生のラクダは推定3万~5万頭というからナカナカな話だ。

 そこでフト気がついたのが130年前のバークとウィルズのオーストラリア探検隊である。この探検隊が編成された頃のオーストラリアにはまだラクダは一頭もおらず、当時かれらはペシャワルとアフガニスタンから30頭のラクダを買っているのだ。

 ラクダはやがて探検隊が砂漠で四散分裂するのと同時に死んだり行方不明になったりしていくのだが、このときのラクダが何頭か生き残ったとしたらおそらく彼らこそがオーストラリアに野生帰化したラクダたちの先祖であろう。
(中略) 
■ヘッドロックでラクダを倒す
 トラックとバイクは道のようなとくにそういうわけでもないようなところを黙ってぐおんぐおんとやみくもに進む。先導はバイク。赤い砂にタイヤがめりこみ、絶えずあらわれる穴や溝のためにラフロードレースそのものだ。やがて我々は道のないブッシュの中をとにかく強引に力まかせに走っているだけだ、ということに気がついた。

 こういうトラックに乗るには荷台に立ってぐんと両足をふんばり、運転台のパイプにつかまり、絶えず四肢にバランスよく力を入れ、上下左右めちゃくちゃにしかもめまぐるしくやってくるガチャ揺れ振動に対応していかなければあっという間に振り落とされてしまう。

 しかもクルマは運転席すれすれになっている木の枝の下などをぐおん、とすり抜けていくので、常に前に気をくばり、頭すれすれの枝がでてきたときはモグラ叩きのモグラのように素早くサッと首をひっこめないと、絶対即死の超ド級ウェストラリアットをくらってしまうことになる。


このあとの活劇については『駱駝狩り』に出ているので、そちらを見てください。

『熱風大陸』1

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