『紅茶スパイ』2

<『紅茶スパイ』2>
図書館で『紅茶スパイ』という本を手にしたのです。
パラパラとめくると、東インド会社、王立園芸協会、三角貿易とか散見されるわけで・・・まさに女王陛下の007ではないか♪

おっと、冗談はさておいて・・・
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。


【紅茶スパイ】
紅茶

サラ・ローズ著、原書房、2011年刊

<「BOOK」データベース>より
19世紀、中国がひた隠ししてきた茶の製法とタネを入手するため、英国人凄腕プラントハンター/ロバート・フォーチュンが中国奥地に潜入…。アヘン戦争直後の激動の時代を背景に、ミステリアスな紅茶の歴史を描いた、面白さ抜群の歴史ノンフィクション。

<読む前の大使寸評>
ちょっと硬い視点かもしれないけど、アヘン戦争当時のイギリスの帝国主義、植民地主義を知りたいわけでおます。

rakuten紅茶スパイ


庭園を愛でるイギリス人が延べられているので、見てみましょう。
p9~12
<第一章 1845年>
 1804年にチャールズ・ダーウィンの母方のおじにあたるジョン・ウェッジウッドぬよって創設されたロンドン園芸協会は、1861年からは王室の許可を得て王立園芸協会となり、イギリスじゅうの植物を扱う権威的存在となった。その活発な会議で植物学者と動物学者は論文を発表しあい、最新の研究について論じた。

 イギリス帝国の領土が広がるにつれて、その発表数は急増した。王立園芸協会の開放は、イギリス帝国の最果ての地から入手した最新の植物を分類し、詳述した。協会の植物学者は、それらの植物にひとつひとつ名前をつけ、特徴を記載するという大プロジェクトに追われていた。分類法は、スウェーデンの偉大なるカール・フォン・リンネによってヨーロッパに導入された方式に従った。

 ヴィクトリア時代のイギリスでは、異国の自然物、つまり海の向こうでイギリスの宣教師や軍人や貿易商人が何十年もかけて集めた昆虫や化石や植物への関心が非常に高まっていた。産業革命が広がり、地主階級によるいわゆる囲いこみが始まると、地方の農民はその土地を離れ、都会で暮らすようになった。彼らはいろいろな形で自然を懐かしむようになり、イギリスの家庭に樹木や草花を提供する新しい経済活動が生まれた。

 さまざまな品種の鉢植えのシダは大人気となり、たちまちイギリスじゅうに広まった。磁器や壁紙や布地にもシダ模様が流行した。シダの鉢植えは金持ちの家なら温室に、貧しい家なら窓際に飾られた。育てやすく繁殖力もあり、植え替えにも強いシダは自然の趣があり、当時のイギリスの田舎趣味をうかがい知ることができる。
(中略)

 一方、中国は何世紀もの間、鎖国状態で、西洋人は足を踏み入れることができなかったため、プラントハンターにとっては「空白地帯」であり続けていた。中国に関する具体的な知識がほとんどないことが、西洋人が中国を「楽園」「危険に満ちた土地」「エキゾティックな国」などと妄想することを助長した。自分たちの庭園を充実させたいというイギリス人の願望も反映してか、中国を前人未到の園芸の桃源郷とさえ思うようになり、中国への憧れはますます募っていった。

 けれど、もしヨーロッパ人が中国を間近で見ることができたとしたら、憎むべき異民族に支配された、内乱で分裂した国だと気づいただろう。北から満州人が万里の長城を越えて攻め入り、中国を支配するようになってから200年が経とうとしていた。彼らは漢民族を支配し、忠誠を求め、重い税金を課した。中国南部に数多く誕生した結社は、異民族である清王朝の皇帝と闘うことを誓い合った。地方は泥棒や追いはぎがっはびこり、沿岸では海賊がのさばっていた。飢饉で地方の農民が餓死しても、「上級官吏(マンダリン)」として知られる儒学を修めた学識階級の役人は堕落の一途をたどり、町はどこもかしこも不潔だった。

 もちろん、イギリス人は貿易を通じて中国の国内事情は多少は知っていた。東インド会社がほぼ200年間、広東で交易していたからだが、実際は内陸部についてはほとんどが未知の世界だった。とは言え、ふたつのことだけはわかっていた。中国には驚くべき植物があるはずだということと、イギリスは将来、それらの植物から経済的恩恵を大いに得るかもしれないということだ。
(中略)

 1842年秋、アヘン戦争でイギリスが中国に勝ったという第一報がロンドン園芸協会の本部に届いた。中国内陸部深くに人を派遣するかつてないチャンスが来た、と協会は喜んだ。当時は誰もが、中国で植物を発見しそれを活用することがイギリスにとって目下の急務である、と考えていた。こうしてロバート・フォーチュンは、イギリス外務省から中国への渡航許可を得た初の民間人となった。


 
『紅茶スパイ』1

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