『中国新声代』

<中国新声代>
図書館で『中国新声代』という本を手にしたが・・・・
この本は、見慣れない九州の出版社から刊行されています。
腰巻で村上龍さんが宣伝コピーを書いているように、なかなか力が入っています♪


【中国新声代】
中国

ふるまいよしこ著、中国書店、2010年刊

<「BOOK」データベース>より
女優、漫画家、ブロガー、企業家、経済学者、映画監督、ビデオクリエーターなどなど、「変わる中国」を代表する十八人のインタビュー集。

<読む前の大使寸評>
5年前の本なので今ではやや古くなったが、当時は興龍中国を代表するそうそうたる顔ぶれだったようです。大使としては賈樟柯(映画監督)が興味深いのです。

rakuten中国新声代


賈樟柯(Jia Zhangke)へのインタビューで、中国映画産業の実態を見てみましょう。

<賈樟柯(Jia Zhangke)>よりp276~277
 1970年山西省フン陽市生まれ、美術大学を目指して受験勉強中に陳凱歌監督の「黄色い大地」に触発され、北京電影学院へ。「長江哀歌」「世界」など、急激な経済改革による繁栄の影で変化に戸惑う中国の庶民の姿を描き続けてきた。
ジャジャ・ジャンクーprofileより

Q:あなたの映画は日本の北野武監督から、そして香港、あとフランスからの出資を受けていますが、「世界」から上海電影製片廠が関わるようになって、日本側が「なぜ自分の映画に投資するのに、中国の製片廠に投資しなくちゃならないんだ?」と混乱していたと言っていましたね。

賈:それはね、こういう流れだったんです。2003年にぼくは「解禁」された、つまりずっと映画を撮ることを禁じられていたのが、2003年に当局が中国における映画の撮影と配給を認めた。そこでぼくは新しい協力関係のモデルを探したわけです。

 その後上海製片廠が関わるようになって、彼らが当局との連絡、つまり映画と当局のパイプ役を果たしてくれている。たとえば審査の申請からそれに合格するまでの手続きを担当している。上海電影グループは「聯合映画館リンク」という巨大な配給ネットワークを持っているので、彼らの映画館リンクを利用して、ぼくの映画を配給するようになったんです。それが最新作の「四川のうた」まで続いていて、今のところそれなりにうまく行っています。

Q:そういうやり方をとるようになったのは、映画産業政策が開放されたからですか?ほかにも制度が変わったところはあるんでっしょうか?以前は、まず脚本時に1回、撮り終った素材で1回、さらに編集済みのものをもう1回という審査が必要だったんですよね?

賈:審査の面もちょっと変わりました。現在は中間の素材審査が無くなって、撮影前の脚本の審査と、撮影後編集済みの出来上がり品の二つの審査に簡素化されました。

 実際、「世界」から「長江哀歌」、「四川のうた」の三作では、ほとんど自由に表現できました。さらに審査自体もすべて上海製片廠が担当してくれるので、ぼくが中間に関わる必用が無くなった。そうしてぼく個人の精力が自由になった。製片廠が関わってくれたことで、ぼく自身が審査に向き合うという必要が無くなったんです。

 そして審査の結果に対しては、ぼく自身がこだわっているものを除いては、それほど大したことがない場合はすこし変える。基本的にぼくの表現に影響するほどではありませんね。

Q:そしてあなたの映画も中国の映画館で上映されるようになった。

賈:ええ、2004年の「世界」から、ですね。
 中国の映画制度の変化が始まったのは2003年です。政府が新たに映画に対して位置づけを始めたんです。というのも、以前は映画は中国政府の宣伝担当機関に属するとされていて、そこでは政府の政策、党の政策の宣伝といったものに責任を負ってきたんですね。だから、その審査はとても厳しかった。それが2003年になって新たに映画を産業として位置づけたことによって、映画は「宣伝の工具」から産業になって、中国映画をある意味で開放した。

 あの年にぼくと一緒に解禁された監督も十数人いましたね。そして、そんな観客面での変化を除けば基本的にまだ審査制度は残っていますが、基本的に空間はかなり大きくなった。

Q:審査制度自体にも大きな空間がもたらされた?となると、あなたの以前の「一瞬の夢」などの脚本は今の制度を受ければ通ったとか?

賈:それは・・・・そんな仮定はできませんね。というのも、中国映画の審査ではなにが撮れてなにが撮れないかということを、きちんと言い切ることができないからです。

Q:となると、今の状態は?

賈:とにかく以前よりは自由になった。脚本審査でも以前は完璧なものを出さなければならなかったのが、今では紙二枚の大綱でよくなったんですから。だから以前と比べてかなり簡単になった。

Q:審査のほかにも簡素化された面はありますか?たとえば、審査の具体的な内容とか。

賈:「四川のうた」を例にとるなら、これが審査を通過したこと自体が驚きでしたね。というのも、この映画は実際とても複雑で、国営工場に関わるものであり、兵器生産の話題も出てくるし、中国の制度の転換、経済制度の転換、計画経済から市場経済へ、そして計画経済の失敗も・・・・まさかあんなにスムーズに行くとは思っていませんでした。




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