空き家問題あれこれ

<空き家問題あれこれ>
田舎の実家は空き家状態なので、ときどき帰って傷みなどをチェックする必要があるのです。
また、都市近郊の団地では、建替えか補修か、難しい選択が待っているようです。

・・・ということで、少子高齢化にさらされる中、持ち家志向とか空き家問題とかあれこれ考えてみます。

・空室あり:GLOBE
・空き家とスクォッティング
・空き家列島の衝撃3



<空室あり:GLOBE>
4/5朝日GLOBEのテーマは『空室あります』であったが・・・・
(「ます」は、例の記号であるが、その記号が出ない)
日中のマンション事情に触れていて興味深いので、大使の講釈を加えて紹介します。

中華の経済中枢は日本の不動産バブルを知識として知っているようだが・・・
体験したわけでないので、本当の怖さがわかってないようです。


【空室あり:GLOBE】
空室あり:GLOBEより
マンション

 中央政府は20年までに農村と都市の戸籍を徐々に統一する方針を示している。都市の戸籍を持てば、医療や教育といった公共サービスを都市部で受けられるようになる。都市化は加速し、住宅不足はさらに深刻になる見通しだ。

 新築の集合住宅の分譲価格は、広州市では10年間で3倍に跳ね上がった。買えない人々の不満を抑えようと中央政府は、投機目的で住宅を複数買うことを規制する。一方、07年から賃貸を中心とした低中所得層向けの公的な集合住宅の建設も始めた。「保障性住宅」と呼ばれる。住宅都市農村建設省の次官は2月の記者会見で、11年から14年までに、7100億元(約13兆5000億円)の補助金を投じて全国で計3200万戸以上を着工したことを発表した。

 だが、分譲も保障性住宅も戸数を増やすことが優先され、建物の質や管理は後回しになっているとの指摘もある。中国では、マンション購入時に修繕費の一時金を支払うよう法律で定めているが、大半のマンションで大規模修繕のための積み立てはしていない。広州市の日系不動産会社社長、平岡省吾(37)は「構造上、貯水槽を取り換えられない高層の物件もある。築20年の中古が増える今後5年間で、修繕が進まない物件が値崩れする可能性もある」と話す。

<数百年前の集合住宅がモデル>
土楼2

 広東省深セン市で建築事務所「都市実践」を共同経営する建築家の孟岩(50)は「効率よく部屋をつくることだけを考えた高層の集合住宅は、エレベーターに乗って出入りをするだけで住民同士の交流がない」と話した。孟は08年に広東省仏山市に建った「土楼マンション」と呼ばれる保障性住宅を設計した。全国から出稼ぎ労働者が集まる広東省で「地方から出てきた若者が孤立しない集合住宅をつくりたかった」という。


 設計する際にモデルにしたのは、福建省の山中に残る数百年前の集合住宅、「土楼」だ。今の河南省のあたりから南下した人々の子孫とされる客家(ハッカ)が建てた集合住宅で、1棟に数百人が同居している。狭いスペースにできるだけ多くの部屋を設けるため、3~4階建ての方形や円筒形の造りになっていた。中心部には、住民の共用スペースとなる広場があった。

中央政府の強引な住宅政策はどうかと思うけど、地方の建築家は頑張っとるやんけ♪
数百年前の集合住宅がモデルとのことで、共用を考慮したわりと地に足がついた設計ですね♪

土楼1土楼マンション

一方で、少子高齢化が先行する日本のマンション事情である。
空き家、空室問題に対しては、安くシェアするなど、革命的な踏ん切りが求められているのでしょうね。

たま

 この空室問題に対応するため、URは2011年から多摩平の森でモデル事業「たまむすびテラス」を立ち上げた。すべての住民が他に移り住んだ4階建ての5棟を民間事業者に期限付きで貸し出し、思い思いのアイデアで再利用を進めた。

 若者向けのシェアハウス「りえんと多摩平」は、1階に共用の食堂と居間を設け、2~4階は3Kの1住戸に3人が暮らせるように改装した。サービス付き高齢者向け住宅の「ゆいま~る」は新たにエレベーターを設け、増築部分に介護施設を入れた。リフォーム事業に力を入れる建材会社「たなべ物産」は菜園つき住宅「AURA243」を手がけ、現在は5棟のほぼ全室が埋まっている。

<隣人との交流が入居を決めた理由>
 たまむすびテラスを3月末に訪ねてみると、菜園の春キャベツが旬を迎えていた。「古い団地の魅力は敷地が広くて緑が多く、建物と建物の間も余裕があること。最近のマンションや都心の戸建て住宅では味わえない豊かな環境です」。一昨年に入居した会社員の黒野雅好(54)は語る。家賃は月11万円で、近くの同じ広さの集合住宅と比べるとやや高いが、単身赴任なので隣人との交流が入居を決めた理由でもあった。

 黒野は毎月2回、同じ棟に住む子育て中の夫婦やシェアハウスの若者たちを招いて食事会を開く。自室がある1階の窓を開けると、菜園へとつながるウッドテラスがある。採れたての菜の花やブロッコリーを使って料理の腕をふるっている。

「たまむすびテラス」の家賃は月11万円か・・・URなど役人が上前をはねるので、ちょっと高いようですね。

ネットでも空き家問題がトレンディーである。それだけ、どこでも見られる切実な現実なんだろう。
需給関係のうち、供給側に着目したセミナーを覗いてみましょう。

2015.4.10日本の空き家の再生教室、「リノベスクール」の熱気より
 教材費3万円、でも仕事を休んで参加者続々とのことである。

 不動産事業における新たな発明かもしれない。福岡県北九州市で生まれた「リノベーションスクール」と呼ぶ取り組みが全国に広がっている。特徴は、受講生が数日缶詰めになって、空き家や空きビルを活用する事業のアイデアをひねり出し、実践してしまうこと。最終日の講評会は満席で立ち見が出る程だ。不動産オーナーも顔を出す。小さなエリアにゲリラ的に現れた新しい空間が、確実に街を変え始めた。「我が街でも」と、全国の自治体からの引き合いが増えている。

「初期投資を抑え、7年で回収する計画です」「事業内容はいいが、回収期間が長すぎる。5年以内で投資回収できるように組み直してほしい」――。

 このやりとりは、企業内部の議論ではない。東京都豊島区で3月に開かれた「リノベーションスクール」最終講評会のヒトコマだ。受講生の前には、講師のほか不動産オーナーや区議会議員も座る。会場は満席。不動産や街づくりの関係者や一般市民で溢れかえり、立ち見が出たため、急遽、別会場を用意することになった。

 リノベーションスクールの存在は、建設・不動産業界では2~3年前から話題になっていたが、筆者はここまでの盛り上がりを見せるとは正直、思っていなかった。立ち見が出る程ぎっしり満員の会場とその熱気に驚いた。

(中略)
 豊島区で開かれたリノベーションスクールでは、提案した4件のうち2件が実際に動き出し、オーナーとの話し合いが続いている。1つは、以前、とんかつ屋として営業していた物件の再生。外国人観光客が多いという土地柄を生かして、ゲストハウスにリノベーションするアイデア。近隣にある人気ゲストハウスに運営を委託すると提案した。

 もう1つは、ビルの1階が空き倉庫となっていた物件だ。地域住民が集まる公園の前という立地を生かして、コミュニティーカフェとして再生する。「あやかりカフェ」と名付け、地域住民が趣味や技能を生かしてワークショップを開催するなど、地域の“資産”に「あやかる」のがコンセプトだ。

 筆者は初めて最終講評会を聞いたが、受講者の熱意に圧倒された。「自分の提案が実際に形になる」。これが、受講者が熱中する理由の一つなのだろう。




<空き家とスクォッティング>
ちょうど今、朝日の夕刊で『空き家と闘う』というコラムが連載されているので、ときどき読んだり、スクラップしたりしているのです。

そして、図書館で借りた『大人が作る秘密基地』という本を読んだとき、はたと思い当ったのです・・・・

空き家とスクォッティング(空き家占拠)とは、需要と供給という面から見ると、まさにベスト・マッチングと言えるのではないか♪

ということで・・・
『大人が作る秘密基地』という本から、毛利嘉孝(社会学者)さんの提言を紹介します。
基地


<社会のスキマを生きる:毛利嘉孝>よりp218~219
 さて、日本ではどうでしょうか。欧米に比べて土地や建物の所有関係がはっきりしており、隙間が少ない上に、空いている場所を共有して使うという「公共」の概念が定着していない日本では、スクォッティング(空き家占拠)は違法行為、犯罪としてのみ紹介され、社会運動として定着することはありませんでした。

 けれども、だからといってスクォッティング的な空間がなかったわけではありません。歴史的に辿ってみると、スクォッティング的な運動は、たとえば野宿者運動の中にみることができます。1990年代の半ばでは、その空間は駅の構内のダンボールハウスでした。
 新宿駅のようなターミナル駅では、何百ものダンボールハウスが立ち並び独自のコミュニティを作っていました。

 1990年代後半には、野宿者たちは屋根のある駅の構内から追い出され、公園へと移行します。公園にはやはりブルーシートによる仮設テントが作られ、代々木公園や上野公園、新宿中央公園には小さなコミュニティが生まれました。そうしたテント村の中で文化活動を始める若者も現れました。

 アーティストの小川てつオと、いちむらみさこが運営する代々木公園の「カフェ・エノアール」は、その代表的な例でしょう。二人は、テント村に住みながら週末は物々交換カフェを公園の中で開いています。エノアールとは「絵がある」という意味です。

 もともとはカフェでテント村の住人と一緒に絵を描くところから始めたのですが、その後活動は将棋大会など多岐にわたるようになります。公園は、日本における数少ないスクォッティング的な実践の実験場なのかもしれません。

 ところで、現在私たちが直面しているのは、アジール(避難所)としての公園の危機です。たとえば、渋谷の数少ない公園だった宮下公園は、昨年「みやしたこうえん」と名前を変え、フットサル場やスケートボード場、クライミング場を備えたスポーツ公園へと変貌しました。これらにあわせて、公園に暮らす人々は強制的に追い出されたのです。
 それだけではなく、例年宮下公園で行われていた路上生活者たちのための炊き出しさえも許可されませんでした。こうした公園からの閉め出しは日本の各都市で始まっています。

 スクォッティングは、都市が発展し、拡大していく際に生じる歪みを補正するために必要な、ボトムアップ型の実践です。それは「家泥棒」でも「犯罪」でもないのです。私たちは、私たち自身のスクォッティングを発明する必要があるのでしょう。


この提言は、アジール(避難所)に着目するというスタンスであり、やや底辺寄りなんですが、ボトムアップ型の素晴らしい提言だと思うのです。
で、この後、空き家とスクォッティングということで、建設的に思索を進めてみようと思う次第でおます♪

ちなみに、空き家率は『空き家と闘う』によれば京都市で14.1%、全国平均で13.1%とのことです。



<空き家列島の衝撃3>
先日(1/10)観たNHKスペシャル『ニッポン"空き家列島"の衝撃』が気になっているのです。
ふるさとに、売ることも貸すこともできず、それでいて税金を払うだけの実家を抱えて・・・・
番組の出演者や観客ともに、皆それぞれ「空き家問題」を抱えているほど、身近な問題なんですね。

空き家問題には、見方を変えるともう一つの問題があるわけで・・・・
それは空き家の延命だと思うわけです。

NHK

昨今ではシェアハウスなるものが出始めているが、あくまでもその家はシェアするための新築であり、住んでいる家をホームシェアする動きはまだ少ないようです。
日本ではなじみの薄いホームシェアであるが、デジタル朝日に異世代「ホームシェア」の試みが、出ていたので見てみましょう。

2015.2.13学生と高齢者、異世代「ホームシェア」の試みより
 高齢者宅に大学生が住む、「ホームシェア」の試みが広がりつつある。共同生活をすることで血縁を超えたゆるやかなつながりが生まれ、お年寄りの一人暮らしの不安が消える。学生は大学の近くで安く暮らせる。現代版「書生」スタイルは高齢者を地域で見守る新たな取り組みとして注目を集めている。

 「おはようございます」
 長谷川さんと同居する大学院生の藤倉さん。一緒にテレビでスポーツ観戦をする。

 午前7時過ぎ、東京大学大学院生の藤倉皓一郎さん(23)が2階から下りてきた。

 1階の居間では家主の長谷川実さん(80)がテレビを見ていた。居間で小一時間雑談。全豪オープンテニスの錦織圭選手の活躍ぶりに、「すごい」と盛り上がった。

■違和感と安心感
 今年1月、東京都文京区の長谷川さん宅に藤倉さんが下宿するようになった。2階建ての一軒家。2階にある4室のうち、奥の6畳間が藤倉さんの部屋だ。2人は起床時間が違い、朝食も別々にとる。夕食は週3回、一緒に食べる。とはいえ弁当などを買って帰ることも多い。

 長谷川さんは4年前に妻を亡くして以来、一人暮らし。藤倉さんは下宿する前、埼玉県草加市の自宅から1時間弱かけて大学に通っていた。今は自転車で5分ほどだ。

 「他人がうちにいる違和感と安心感。どちらもある」と長谷川さん。地域の活性化について研究する藤倉さんは「体験は研究に役立ちそう。ストレスを互いに感じないような関係づくりを模索中です」と話す。

 2人を結びつけたのは、文京区の商店主らがつくるNPO法人「街ing(マッチング)本郷」が今年度に始めた、「ひとつ屋根の下プロジェクト」だ。元気な高齢者の自宅に、区外から通学する大学生が同居する。NPOの担当者が双方に面接して紹介。暮らす上でのルールを決め同意書を作る。学生の家賃はお試し期間中は無料で、光熱費など数千円を高齢者に払う。

■部屋の提供希望まだ少数/調整役がカギに
 高齢者と大学生が共に暮らす取り組みは1990年代後半、スペインで始まったとされる。リブ&リブ代表理事の石橋ふさ子さんは08年、バルセロナを視察し、日本にも広めたいと準備。12年にリブ&リブを設立した。石橋さんは「異世代が支え合う優しい社会につながる」と話す。

 シェアハウスを広げる活動をするNPO法人「ハートウォーミング・ハウス」(東京都世田谷区)も、シニアと若者のホームシェアに注目。4年前から若者9人を高齢者宅に橋渡しした。昨年度から世田谷区から助成を受ける。

 大学が主導する例もある。福井大の住環境計画研究室は13年度、学生が高齢者宅で暮らすプロジェクトを始めた。福井県社会福祉協議会と共同で実施。2組の実績があり、うち1組は3年目に入ったという。

 高齢者の一人暮らしは、引きこもりや孤独死につながりやすい。国立社会保障・人口問題研究所は、2010年に約270万世帯だった75歳以上の独居世帯は、30年には約470万に増えると推計する。とりわけ都心部が深刻だ。文京区の13年度調査では、元気な高齢者約1500人の約4割が一人暮らしだった。生活上の不安を聞くと、23%は「夜間や緊急時に対応してくれる人がいない」と答えた。

 異世代ホームシェアの普及には課題もある。学生に提供する部屋の確保は容易ではない。高齢者本人が望んでも、別に暮らす子が反対することもあるという。仕組みを継続、拡大させるには、運営するための人材や費用の確保なども必要だ。


空き家列島の衝撃1
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