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zoom RSS 『「COMICばく」とつげ義春』3

<<   作成日時 : 2018/01/11 08:42   >>

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<『「COMICばく」とつげ義春』3>
図書館で『「COMICばく」とつげ義春』という本を、手にしたのです。
マンガ界における純文芸誌ってか・・・執筆者につげ兄弟、杉浦日向子、林静一らのビッグネームも見える凄い雑誌やないけ♪
ほとんど独力で、この雑誌を出版した著者も凄いけど。


【「COMICばく」とつげ義春】
ばく

夜久弘著、ベネッセコ-ポレ-ション、1989年刊

<「BOOK」データベース>より
1984年に創刊され、87年までの4年間に15号刊行された季刊マンガ誌「COMICばく」は、強烈な個性をもった作家をずらりと並べた〈マンガ界における純文芸誌〉として、熱狂的ファンの支持をうけた。その「COMICばく」の看板ともいえたのがつげ義春で、寡作をもって鳴る彼が毎号(!)作品を発表するということ自体、重大事件と呼んでも決しておおげさではなかった。本書は、ほとんど独力で雑誌を作りつづけた著者が、創刊からやむなく休刊にいたるまでの迂余曲折を綴った、「もうひとつのマンガ史」である。

<読む前の大使寸評>
マンガ界における純文芸誌ってか・・・執筆者につげ兄弟、杉浦日向子、林静一らのビッグネームも見える凄い雑誌やないけ♪
ほとんど独力で、この雑誌を出版した著者も凄いけど。

rakuten「COMICばく」とつげ義春

つげ「石を売る」

「石を売る」「無能の人」あたりを、見てみましょう。
p178〜182
<在庫はゼロになったけど>
 6月の末、つげ義春の6号掲載用作品「無能の人」を受け取った。42ページの長尺となったために遅れを心配していたが、むしろ早めに仕上がった。前回の続編で、多摩川の河原で石を売る男の話が、喜劇と悲劇の狭間を微妙に揺れ動きながら、それでいてシリアスに描かれていた。

 主人公が愛石家たちの集まって開く石のオークションに石を出品し、1個も売れずに悲嘆にくれるさまが、臨場感たっぷりに表出されていた。多彩な登場人物もそのひとりひとりが個性豊かに存在を主張していた。

 ぼくは受け取ったその場で原稿に目を通したが、一気に作品に引き込まれてしまった。今まで自分が受け取ったつげ義春作品のなかでは最も長いものだったが、長さを感じるよりも読み終えるのが惜しいという気持が強かった。

 作品の扉の欄外に、《貧乏マンガの極致。貧の思想を追及する力作!!》と書かれていた。ふつう、こういう惹句は編集者がつけるものである。つげ義春もこれまで一度も自分で惹句を書いたことはなかった。それが、みずから惹句を書いたところに、作品にかけるつげ義春の意気込みと自信がみてとれた。

 「つげさん、あのォ、『隣りの女』のことだけど…」
 ぼくは話が一段したところで、不快な話を持ち出した。

 「このあいだ、ぼくは電話ですぐにも再販するようなことをいったんだけど、まだ品切れ状態のままなんです」
 「ああ、そうですか」
 つげ義春は無頓着を装っていたが、失望の色は隠せなかった。

 「もちろん近々、版を重ねることは間違いないんだけど。増刷は慎重に手堅くという社の体質があるもんですから、すみません」
 『隣りの女』が品切れになって、すでに3週間が経過していた。書店からの注文票の未出庫分はすでに千冊を突破していた。ぼくはことあるごとに営業部をのぞき、グリーンボードに表示される重版書名を確認していた。『隣りの女』の文字は見つけられないままに、いたずらに日にちばかりが経過していった。

 ぼくは焦りまくっていた。例えは悪いけれども、魚影の濃い釣り場に出掛けて、釣り具の到着を待っている心境だった。釣り糸を垂れれば入れ食いは目に見えているのに、営業部は一向に釣り具を用意してくれないのだ。モタモタしているうちに魚影は散逸していまいそうだった。

 ぼくは営業部のNに掛け合った。
 「Nさん、『隣りの女』の再販はまだやらないんですか」
 「ああ、そのうちな」
 「そのうちっていつですか」
 「あのなあ、こういうマニア向けのものは、そんなに売れるもんじゃないんだよ」
 「そんなこといったって、現に書店からの注文は貯まる一方じゃないですか」
 「おまえなあ、流通在庫ってやつ知ってるだろ。うちの倉庫に品物がなくたって、書店に出回ってる分だよ」
 「知ってますよ。だけど流通在庫じゃ、いま来てる注文に応じられないじゃないですか」 「しかしなあ、再販はするは返品がくるはで過剰在庫になってしまう例はいくつもあるんだぞ。返品の責任はおまえが持つのか」

 Nの頭のなかには、売ることよりも返品率が重要なテーマとしてあるのだった。自分より年長でキャリアも長いNの確固たる信念を変えさせるのは至難のわざのようだった。『ばく』の存亡をかけた『漫画叢書』だったが、せっかくの好感触もほとんど意味を持たないように思えた。


『「COMICばく」とつげ義春』1:杉浦日向子の登場
『「COMICばく」とつげ義春』2:「石を売る」の原稿を受けとった

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