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zoom RSS 空き家問題あれこれR3    B

<<   作成日時 : 2017/08/10 06:13   >>

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<空き家問題あれこれR3>
田舎の実家は空き家状態なので、ときどき帰って傷みなどをチェックする必要があるのです。
また、都市近郊の団地では、建替えか補修か、難しい選択が待っているようです。

・・・ということで、少子高齢化にさらされる中、持ち家志向とか空き家問題とかあれこれ考えてみます。そらからシェアハウスについても。

・『(ニッポンの宿題)重い住まいの負担』
・『人口減少時代の住宅政策』
・『老いる家崩れる街』
・空き家撤去費、回収できず
・シェアハウス
・住まいの冒険
・空室あり:GLOBE
・空き家とスクォッティング
・空き家列島の衝撃3

土楼2

R3:『人口減少時代の住宅政策』『(ニッポンの宿題)重い住まいの負担』を追加


<(ニッポンの宿題)重い住まいの負担>
 大分大学准教授の川田菜穂子さんがオピニオン欄で「持ち家偏重、空白の家賃支援」と説いているので、紹介します。

負担
(川田さんのオピニオンを8/08デジタル朝日から転記しました)


高い家賃が、若い世代の生活を苦しくしています。将来が見通せない仕事も多く、住宅ローンを組むのもためらいます。でも、日本は長らく「持ち家」を推奨してきました。住まいへの公的な支えは、手薄のままでよいのでしょうか。

■持ち家偏重、空白の家賃支援 川田菜穂子さん(大分大学准教授)


 30歳未満で、働いている一人暮らしの人の消費支出のうち、家賃や共益費などの住居費は、1970年前後は5%ほどでした。いまは3割近くあります。日本では住まいへの公的な支えはほとんどありませんから、住居費の負担が高まった若い世代は、自分への投資を削り、何かを我慢して、生活を切りつめざるをえません。

 学生時代に奨学金を借りる人が増え、その返済も抱えていれば、生活は厳しくなる。若い世帯の家計を調べると、食費や教養・娯楽費を削り、病院に行かない、年金の保険料を払わないなど社会保障費も抑えています。さらに、若い世代の3割は未婚のまま親と同居しています。好んで実家にいる人もいるでしょうが、やむをえず親元にとどまる人、インターネットカフェなどを拠点に暮らす人は、結婚や子どもをあきらめ、仕事の選択肢も限られることが多い。

     *
 日本は戦後、国をあげて「持ち家」を推奨してきました。低金利の長期ローンで家の購入を促し、借家からマンションを買い、いずれは一戸建てに。高度経済成長のころから、「住宅すごろく」が人生の標準コースとして宣伝されてきました。容易に「あがり」にたどり着けたのは、ほぼ団塊世代前後の人たちだけです。当時は終身雇用で給料も年々上がり、退職時には一時金が出ることが当たり前で、家の資産価値も上がっていました。借家で暮らす人も、社員寮や家賃補助など勤め先による支援があり、持ち家を買うための資産をつくる余裕がありました。

 でもいまは、非正規が増え、正社員でも収入が減ることが珍しくない、不安定な時代です。それでも、「家は頑張って買うもの」という意識で買おうとする人がいる以上、お金がなくても長期ローンは組めるから、家の値段は下がりづらい。非正規でも「寮つき派遣」のような新たな雇い方は出てきましたが、雇用期間が終われば家も失います。低家賃で暮らせる民間アパートも減っています。

     *
 いま、住宅ローン減税の恩恵を得られるのは、仕事も所得も比較的安定した人です。収入が極端に少ない生活保護の人には、国から家賃相当分が支給されます。でも、その間で公的な支えが抜け落ちている層が大勢います。ここに目を向け、対策をとるべきです。

 持ち家を推進してきた国は、何も日本だけではありません。高齢期を迎えるまでに家を持ってもらわないと、年金だけでは支えきれないからです。

 同時に欧州では、住宅手当や、建設費を公的に補助して低家賃で入れる住宅(社会住宅)など、家を借りて暮らす人への支えも提供してきました。それでも、近年、特に若者の過剰な住居費負担が深刻です。ロンドンでは、都心部の家賃規制が、市長選挙の争点の一つになりました。一方で、雇用規制の緩和を求める産業界も、住まいへの支援の強化を要請してきました。企業が時期によって雇う数や働く場所を変えるなど、労働力を自由に使おうとすれば、働く人が家を柔軟に確保しやすいしくみが欠かせないからです。

 フランスは、パリなどで住宅の3割は社会住宅にするよう法律で決め、借家に住む若者の多くが住宅手当を受けています。パリ市予算の半分は住宅関連で、日本の公営住宅事業と同じく大きく赤字だそうです。でも、担当する副市長は「家族をつくり、将来の社会の担い手を育てる効果も含めれば、赤字でもほかの事業より効率がいい」と話していました。

 私は、若者にだけ住宅支援が必要とは考えていません。しかし、自立し、家族をつくっていく時期を社会として支えることには、大きな意味があるはずです。(聞き手・山田史比古)
    ◇
川田菜穂子:1977年生まれ。専門は住宅政策。共著「若者たちに『住まい』を!」「深化する居住の危機−住宅白書」など。



(ニッポンの宿題)重い住まいの負担川田菜穂子2019.8.8


<『人口減少時代の住宅政策』>
図書館で『人口減少時代の住宅政策』という本を手にしたが・・・
少子高齢化時代の昨今、現状の建売住宅、マンション、公営団地の行末、再生などが気になるわけで・・・・
目下のところ「空家の処分、延命、再生」が、大使のミニブームとなっているのです。

この本の「はじめに」で、ニッポンの住宅問題の概観が述べられています。
p6〜7
<はじめに>より
 わが国の人口は、2008年をピークに減少しはじめている。欧米に比べて極端に低い出生率が原因で、高齢化と相まって日本経済や私たちの社会生活は大きな影響を被ることになる。
 出生率を改善し、人口減を食い止める方策が求められるなか、地方から都市への人口流出、とくに子を産む中心世代である若年女性の減少が地方都市の消滅につながるとし、にわかに自治体を含めて少子化対策に本腰を入れ始めた。

 昨今では、生きがいや自身の存在感を地方移住する若者たちが増えているが、都市に魅力を感じて流入する若者も後を絶たず、この自然な流れを意図的に変えるのも難しい。
 であるならば、東京など大都市に住む世帯形成期・子育て期にある世帯が、安心とゆとりをもって暮らせる住生活の環境改善にもっと力を注ぐべきであり、これは住宅政策に直結する課題といえる。


大使はドングリ国で、阪神・淡路大震災後に鉄骨系のプレハブ住宅を建てのであるが・・・
黎明期のプレハブ住宅が気になるので見てみましょう。
p68〜7
<2-09 戸建て住宅プレハブの躍進>より
 プレハブ住宅は、低層住宅の分野ではわが国においてのみ定着したもので、一大産業を形成するまでに至った。それは日本人の生活様式や住宅市場という点で諸外国に比べ恵まれた条件もあるが、量産化の手法のみならず、住まいの性能や機能のより高度な快適性を追求してきた成果ともいえる。先進的な住宅部品の共用化などで従来工法にも影響を与え、住宅産業全体の資質向上に大きく寄与してきた。

 わが国のプレハブ住宅は戦後間もなく産声を上げたが、当時はいずれも企業としては成功せずに消えていった。1955(昭和30)年の大和ハウス工業の「パイプハウス」が民間市場で成功した初のプレハブ建築とされる。1959年の同社の「ミゼットハウス」は、量産化され、コストが安いことなどから爆発的に当時の社会に受け入れられた。この刺激もあり、翌年には積水化学工業の「セキスイハウスA型」、翌々年に松下電工の「松下1号」などが相次いで発表され、本格的なプレハブ住宅へと発展していった。

 この一連の動きは産業界に大きなインパクトを与えることになり、昭和30年代中ごろから鉄鋼や建築材料のメーカー、化学工業などが母体となったプレハブ住宅の生産が始まり、鉄骨系、木質系、コンクリート系など多くの住宅メーカーと開発技術者を誕生させた。(中略)

 この背景には、企業自らが銀行とともに開拓したプレハブ住宅ローン、公団や公社、電鉄会社などと提携した団地開発、代理店や特約店方式による販売網や住宅総合展示場による独自の販売方法、プレハブ建築協会の設立、住宅金融公庫の不燃組立て住宅への割増融資制度などの取組みがある。これらは、庶民や工務店の住意識の向上に影響を与えるとともに、企業の技術開発に刺激を与え、住宅の普及と住宅産業の成長支援につながった。


現代の時代状況を見てみましょう。
p160〜161
<6 本格的な都市の縮退時代に向けて>より
 1970(昭和45)年に都市計画決定し、事業が開始されたわが国最大のニュータウン開発である多摩ニュータウン事業が2005年に修了したことで、これまで高度成長期を支えてきた郊外の計画住宅地における住宅供給が終焉を迎えた。また、2006年、住生活基本法が制定され、国民の住生活の安定の確保を目的として「住生活基本計画」の策定が閣議決定されたが、まさにその年、わが国の総人口が減転、本格的な都市の縮退時代に入った。

 まさに、低成長時代の到来である。人口減少・少子高齢化の進展など、社会経済情勢の変化にともない、高齢者の介護や見守り・生活支援、省CO2対策、地域防災への対応、増え続ける空き地や空き家対策など、これまでの時代以上に、輻輳したさまざまな問題が顕在化している。そして、2011年3月11日に発生した東日本大震災は、こうした事態を加速化させた。

 住宅政策の分野においては、高度経済成長期に大量供給されたマンションや郊外住宅団地が更新期を迎え、建替え問題が顕在化している。また、高齢者の増加にともなう住宅のバリアフリー化や在宅介護、介護施設やグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの質の確保と円滑な住替えが課題となりつつある。さらに、単親高齢者や片親世帯の子育て層、低所得者などの住宅確保など、さまざまな問題に対応を迫られている。

 住宅ストック面で捉えると、住宅の新規供給から既存ストックの活用・長寿命化を重視しながら持続的な再生が求められている。また、住宅などのハードな空間整備のみならず、地域マネジメントなどソフト施策を含め、地域コミュニティを再生し、多用な世帯が安心して暮らせる住生活の総合的な再生が求められる。


住宅政策の来し方、今後の展開を山口さんが述べているが・・・
これまでは戦略性が欠如していたとかなり手厳しいのです(笑)。
p215
<これからの住宅課題と市場政策の方向:山口幹幸>より
 今後一層の展開が期待される政策のひとつは、既存住宅ストックの活用である。住宅数はすでに供給過多となり、ストックの改善や建替えに軸足を移す必用がある。しかし、分譲マンションでは老朽ストックが増大する一方、建替えが円滑に進まないことや空き家の発生などから管理面の問題も懸念される。

 中古住宅を住まい方に応じ、改造するリノベーションも価格などから取得需要が少なく、事業の伸び悩みも見られる。新築と同様に高地価が住宅価格形成に大きく影響している。これらの原因は大都市での住宅政策に有効な土地政策を絡めた方策が欠如していることにある。

 もうひとつは、高齢者の安心居住、住環境の地域管理、地球環境や省エネルギーなどである。これら住環境に関わるテーマは単独でなく住宅供給と一体的に対処すべき問題であり、モデルによる検討を経て住宅供給の方向性を示し、総合的な政策として市場に働きかけることである。
(中略)

 こうして過去の住宅政策を振り返ると概して戦略性が欠如していたといえよう。政策は体系的な緒策であり、将来を見通した長期的、総合的視点に立った方策をもたねばならない。 


【人口減少時代の住宅政策】
住宅

山口幹幸, 川崎直宏著、鹿島出版会、2015年刊

<商品説明>より
人口減少、少子高齢化、環境問題、災害対策ーー、未曽有の課題に直面する日本社会で住宅政策はいかに機能するか。社会の写し鏡としての住宅政策を戦後70年の軌跡から読み解き、成熟社会に向けた展望を開く。
■第1部 住宅政策が変えたもの(戦後70年のエポック)
萌芽期(戦前〜1964)/高度経済成長期(1965〜1974)/政策模索期(1975〜1984)/バブル期(1985〜1994)/政策転換期(1995〜2004)/低成長期(2005〜)
■第2部 人口減少時代の論点住宅政策と10の論点
日本の住宅政策について/人口減少・少子高齢化社会/住宅の公共投資(社会資本整備)/都市居住と郊外居住/環境・エネルギー・防災問題と住宅/建築技術・生産・住宅計画

<読む前の大使寸評>
少子高齢化時代の昨今、現状の建売住宅、マンション、公営団地の行末、再生などが気になるわけで・・・・
目下のところ「空家の処分、延命、再生」が、大使のミニブームとなっているのです。

rakuten人口減少時代の住宅政策




<『老いる家崩れる街』>
図書館に予約していた『老いる家崩れる街』という新書を、待つこと約4ヶ月でゲットしたのです。
大使の関心としては、住宅過剰社会とか、バブルを煽るかのような新築誘導税制、コンパクトシティ、古民家再生あたりになるわけです。

この本で、空き家問題の惨状を、見てみましょう。
p7〜11
■3戸に1戸が空き家に
 年々、住宅のストック数が積み上がっていく一方で、空き家率は一貫して増え続けています。2013年度住宅・土地統計調査によると、空き家総数は全国で820万戸にものぼっています。空き家総数は図表のとおり、この10年で1.2倍、20年で1.8倍と、まさに右肩上がりの空き家増加国家が日本という国なのです。

 ここで皆さんは、「2025年問題」と言われるものをご存知でしょうか?
 2025年、人口の5%を占める団塊世代が75歳以上となり、後期高齢者の割合が一気に20%近くにまで膨れ上がる問題のことです。これを踏まえて、日本人平均寿命84歳を参考にすると、2035年前後から、団塊世代の死亡数が一気に増えると予想されるのです。

 そのため、住宅地の行く末は、団塊世代の死後に相続する子供世代(団塊ジュニア世代)や親族が、実家をどのように取り扱うかにかかっています。相続した世代はすでに実家を離れ、それぞれ自分の家を持っていることも多く、相続した実家に住むというケースは少なくなっています。

 そのため、実家の売却・賃貸が進まなければ、近い将来、町のあちらこちらで空き家が一気に増えるという、言わば「時限爆弾」を日本は抱えているのです。
(中略)
 3戸に1戸が空き家という将来が待っています。

■住宅業界は反論するが・・・
 前述したとおり、住宅のストック数は世帯総数よりもすでに約16%も多く、あと10年もすれば大都市部も、世帯数の減少が予測されているのに、国は経済対策や住宅政策の一環として、これまでと変わらず新築住宅への金融・税制等の優遇を行ない、住宅建築の後押しを続けています。すなわち、日本では、住宅過剰社会の助長を食い止めようという兆しがほとんど見られないのです。

■居住地の拡大で税金がどんどん使われる
 ただし、ここで強調しておきたいのですが、住宅過剰社会だからといって、新築住宅をつくること、購入すること自体は悪いわけではありません。
 問題なのは、新築住宅が、居住地としての基盤(道路や小学校・公園など)が十分に整っていないような区域でも、いまだに野放図につくり続けられ、居住地の拡大が止まらないことです。
(中略)

 自治体もデベロッパーも、まるで焼畑農業のように、既存のまちの空洞化を食い止める努力をしようとせずに、埋立地や工場跡地、農地など、少しでも開発しやすい土地や規制の緩い土地を追い求めています。地権者側も何とか土地を売りたい、活用したいと考える場合が多く、その結果、居住地の拡大が止まらないのです。
(中略)

 高度経済成長期のように、人口も経済も右肩上がりで、大都市部などで住宅が不足していた時代には、居住地の拡大は必要でした。しかし、人口も世帯数も減少する現代、焼畑的に居住地を拡大してしまうと、限られた人口や開発需要というパイを単に近隣のエリア同士で奪い合うだけに留まり、全体として見れば、居住地を維持するために必用な税金の支出だけが増大していくという非効率な状況をつくり出してしまっているのです。

 この現状はこの先、必ずや大きな問題になってくるでしょう。


【老いる家崩れる街】
街

野澤千絵著、講談社、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
現在約800万戸の空き家が15年後には2100万戸を超える…3戸に1戸が空き家に!「再自然化」する空き家、スラム化する分譲マンション、漏水・破裂する水道管、不便な立地の「サ高住」住みやすい「まち」に必要なものとは?
【目次】
第1章 人口減少社会でも止まらぬ住宅の建築(つくり続けられる超高層マンションの悲哀/郊外に新築住宅がつくり続けられるまち/賃貸アパートのつくりすぎで空き部屋急増のまち)/第2章 「老いる」住宅と住環境(住宅は「使い捨て」できるのか?/空き家予備軍の老いた住宅/分譲マンションの終末期問題/住環境も老いている〜公共施設・インフラの老朽化問題)/第3章 住宅の立地を誘導できない都市計画・住宅政策(活断層の上でも住宅の新築を「禁止」できない日本/住宅のバラ建ちが止まらない/都市計画の規制緩和合戦による人口の奪い合い/住宅の立地は問わない住宅政策/住宅過剰社会とコンパクトシティ)/第4章 住宅過剰社会から脱却するための7つの方策

<読む前の大使寸評>
大使の関心としては、住宅過剰社会とか、バブルを煽るかのような新築誘導税制、コンパクトシティ、古民家再生あたりになるわけです。

<図書館予約:(12/28予約、5/10受取)>

rakuten老いる家崩れる街




<空き家撤去費、回収できず>
新制度が2015年5月に始まって以降、所有者不在8割で自治体は回収不能になっているとのことです

2017.1.12空き家撤去費、回収できず 所有者不在8割で自治体負担より
 危険な空き家を自治体が強制的に撤去できる制度が2015年5月に始まって以降、昨年10月1日までに19市区町の22件が強制撤去された。だが約8割は所有者が不在で、費用の大半が回収不能になっていることが、国土交通省などの調べでわかった。所有者から費用をどう回収するか、自治体にとって大きな課題だ。

 人口減少の影響で空き家は年々増加し、全国で約820万戸(13年時点)にのぼる。うち管理されず腐朽したり壊れたりした物件は約105万戸。倒壊の恐れや衛生上の問題があることから15年5月、空き家対策特別措置法が全面施行され、市区町村が空き家の所有者に撤去を命令し、従わない場合は強制撤去できるようになった。

 費用は所有者負担が原則で、不動産登記簿や固定資産税の課税情報を使って特定し、請求する仕組みだ。

 しかし、法施行から昨年10月1日までに行った強制撤去22件(撤去費約4802万円)のうち、所有者側に費用請求のめどがたっているのは7件のみ。約8割の18件は所有者が死亡し、親族が相続放棄するなど所有者が不在で、うち神奈川県横須賀市など13市町の15件は土地の売却など他の回収手段も無く、撤去費約2857万円を回収できないことが判明した。
 人口減少は今後も進み、50年には人がいま住む地域の2割が無居住地域になるとの試算があり、放置される空き家はさらに増えそうだ。富士通総研の米山秀隆主席研究員は「今後、所有者不明の物件が大量に発生した場合、行政の対応力は手続き的にも費用的にも限界に達する」と指摘する。

■安全を優先、自治体「仕方がない」
 撤去を担う自治体は、費用負担に苦慮している。

 冬場は4メートル以上の雪が積もり、山奥の秘湯として知られる新潟県妙高市の燕温泉。昨年12月上旬、鉄筋コンクリート4階建ての旅館「ホテル朝日屋」の解体工事がほぼ終わった。「夏場はコバエもわくお化け屋敷のような異様な建物が撤去され、ほっとしている」と、同じエリアで旅館「花文」を営む藤巻茂夫社長(66)は喜んだ。

 ホテル朝日屋は2010年に廃業し、翌年に雪の重みで木造部分の屋根が崩れた。温泉のメイン通りに面し、倒壊すれば観光客が巻き込まれる恐れもあった。妙高市が16年9月、強制撤去に踏み切り、住民や客の安全が保たれた。

 撤去費用は約3960万円。すでにホテル朝日屋は破産し、元社長も死亡。国有地に立つため土地も売却できず、税金で全額を負担するしかなかった。市の担当者は「負担は重いが、請求する相手がいないのだから仕方がない」と話す。

 ただ、所有者が不在でも回収できるケースはある。
 山口県宇部市は昨年6月、市内の住宅地で築50年以上の木造2階建て空き家を撤去した。所有者の女性は14年前に死亡。親族らは相続を放棄していたため、市は当初、撤去費約170万円を負担するつもりだった。

 だが女性が所有していた土地には抵当権がなく、買い手も見つかりそうなため、市は昨年7月に女性の負債を清算する相続財産管理人を立てた。今後、土地の売却によって撤去費の回収を図れそうだ。同市生活衛生課の松本鉄己課長は「今回は幸運が重なった。でも、あくまでもレアケース」と話す。15年5月の法施行から昨年10月までに所有者不在の空き家の撤去は全国で18件あるが、費用回収のめどが立つのは宇部市を含め3件しかない。
 有効な対策はないのか。富士通総研の米山氏は、自動車の購入時にはリサイクル費用を事前徴収する仕組みを参考に、「住宅でも所有者が存在する段階から毎年の固定資産税に撤去費に充てる分を少しずつ上乗せして徴収し、自身で撤去すれば還付する」案を提唱する。だが法改正などが必要で、実現の具体的な見通しはたっていない。

 国交省は「状況を注視し、どんな仕組みが必要か検討する」としている。(峯俊一平)




<シェアハウス>
図書館で『シェアハウス』という本を手にしたが・・・
最近、目に見えて貧乏になったニッポンの市民にとって、シェアハウスは切実でかつ現実的な選択肢ではないだろうか。・・・と思い、借りたわけでおます。


【シェアハウス】
シェアハウス

阿部珠恵×茂原奈央美著、辰巳出版、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
物件も住む人も急増しているシェアハウス。これは地縁・血縁意識の薄い都市部に特有の現象なのか。それともコミュニティの新しい形なのか。実際にシェア生活をしている著者2名が、さまざまな様式のシェア物件に住む人々に取材して考察した、日本のリアルが見えてくる、軽妙で知的なドキュメント。

<読む前の大使寸評>
最近、目に見えて貧乏になったニッポンの市民にとって、シェアハウスは切実でかつ現実的な選択肢ではないだろうか。

rakutenシェアハウス


団地やシェアタウンに関するあたりを、見てみましょう。
p160〜162
<団地の復権?>より
 UR都市機構では、既存の団地を改修し、長く続く街づくりを目指す「ルネッサンス計画」というプロジェクトを2009年から実施している。そのプロジェクトでは、古い作りの団地を改修し、1,2階がつながっているメゾネットにするなど建物自体の魅力をあげる他、住人同士のつながりを重視した団地作りに取り組んでいる。

 たとえば、全員が使える多目的スペースを設置したり、貸し農園スペースを作り、菜園を持つ生活を実現するとともに住民同士のコミュニケーションを促進するなどの仕組み作りで、団地および周辺のまちづくりの再生を図っている。

 このようなコンセプトで再オープンした団地には、きっと地域でのコミュニケーションに積極的な人たちが集まるだろう。こういった場を選んで住むことも、他人とつながる一つの手かもしれない。思い起こせば、2005年に「ハウスシェアリング制度」を打ち出し、友人同士での賃貸物件への入居をいち早く進めてきたのもUR都市機構だった。

 ルネッサンス計画は2009年に始まったばかりで、現状でいくと、このような事例はまだまだ少ないが、ハウスシェアリング制度と同様、今後の不動産市場のトレンドとして広がることを期待したい。

 団地というハコの中だけでなく、街全体で支え合うという仕組みの再生に取り組む自治体もある。『第四の消費』(三浦展著、朝日新書)で三浦氏は「シェアタウン」という自治体の動きを紹介している。本書では、たとえば世田谷区が取り組む「地域共生のまち」づくりの事例が紹介されている。

 これは、空き家を子育てサークルの活動場所として貸し出したり、古い洋館に私書を寄贈して図書館にするなど、地域のさまざまな場所を開かれた場にし、地域のつながりを育てるといった活動である。このようなさまざまな自治体の事例を紹介しながら、三浦氏は、役所や官が主導するパブリックではなく、市民ひとりひとりがプライベートを少しずつ開くことで生まれる「新しい公共」という考え方を示している。

 このように、自治体がうまく街全体のつながり作りを支援することで、その街に住む人たち一人ひとりがつながり、助け合うムラ社会を復活させることができるかもしれない。
 ただし現実的に考えると、このような取り組みはまだ始まったばかりで、私たちが子育ての時期を迎えるまでに、大都市全体に普及することを期待するのは難しそうだ。しかし自治体などの用意するハコに頼らず、DIY型でムラ社会を作る場合には、多様な年代、ライフステージの人を自力で集めることは、難しいであろう。

 ということで、すぐに21世紀型ムラ社会を実現させることを考えると、まずは同世代同士が集まって、一つのムラを作ることが最初の一歩になるだろう。数世帯の同世代で近所に住み、家事や子育てなどをお互い助け合ったり、必要があれば共同の車を購入してカーシェアリングしたりなど、お互い助け合いながら暮らしていくことができる。もしかしたら、結婚してもシェアして暮らしたい人同士が集まるポータルサイトなどを通じ、さまざまな年代や属性の人たちがつながり、ムラを作っていくという事例も生まれるかもしれない。

お役所風がただよい好きになれないUR都市機構ではあるが・・・「ルネッサンス計画」には見るべきものがあると思うのです(やや甘いか)。



<住まいの冒険>
我々、団塊の世代が一戸建て住宅を取得しリタイアを迎えた頃、いわば人生スゴロクを上がった頃には・・・・終身雇用はなし崩しにくずれ、派遣社員が常態化していた。

図書館で『住まいの冒険』を借りて読んだのだが・・・
無策の政治と大手建売住宅メーカーににしてやられたとの感もあるわけです。

【住まいの冒険】
住

住総研著、萌文社、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
私たちの住まいや暮らしは、高度消費社会の巨大な市場システムに埋没してしまった。「住む」ことや「暮らす」ことは本来それぞれに自分流があり個性的であってよいのに、その主体である住み手と住まいの間には、代え難い個別的な関係を見い出せていない。では、主体性のある住まいとはいったい何だろうか。本書は生きる場所としての住まいを取り戻そうとする多くの事例を取り上げ、哲学的洞察も交えて多面的な視点から問題提起する。

<大使寸評>
我々、団塊の世代が一戸建て住宅を取得しリタイアを迎えた頃、いわば人生スゴロクをあがった頃には・・・・終身雇用はなし崩しにくずれ、派遣社員が常態化していた。
住宅取得に関しては、無策の政治と大手建売住宅メーカーにしてやられたとの感もあるわけです。

rakuten住まいの冒険
住まいの冒険byドングリ


斯様に、住宅取得に関してはどこかで道を間違っていたのではないか?と思う昨今であるが・・・・
右肩上がりの世相は、団塊世代が経験した一時のあだ花だったことが、しみじみ偲ばれるのである。



<空室あり:GLOBE>
4/5朝日GLOBEのテーマは『空室あります』であったが・・・・
(「ます」は、例の記号であるが、その記号が出ない)
日中のマンション事情に触れていて興味深いので、大使の講釈を加えて紹介します。

中華の経済中枢は日本の不動産バブルを知識として知っているようだが・・・
体験したわけでないので、本当の怖さがわかってないようです。


【空室あり:GLOBE】
空室あり:GLOBEより
マンション

 中央政府は20年までに農村と都市の戸籍を徐々に統一する方針を示している。都市の戸籍を持てば、医療や教育といった公共サービスを都市部で受けられるようになる。都市化は加速し、住宅不足はさらに深刻になる見通しだ。

 新築の集合住宅の分譲価格は、広州市では10年間で3倍に跳ね上がった。買えない人々の不満を抑えようと中央政府は、投機目的で住宅を複数買うことを規制する。一方、07年から賃貸を中心とした低中所得層向けの公的な集合住宅の建設も始めた。「保障性住宅」と呼ばれる。住宅都市農村建設省の次官は2月の記者会見で、11年から14年までに、7100億元(約13兆5000億円)の補助金を投じて全国で計3200万戸以上を着工したことを発表した。

 だが、分譲も保障性住宅も戸数を増やすことが優先され、建物の質や管理は後回しになっているとの指摘もある。中国では、マンション購入時に修繕費の一時金を支払うよう法律で定めているが、大半のマンションで大規模修繕のための積み立てはしていない。広州市の日系不動産会社社長、平岡省吾(37)は「構造上、貯水槽を取り換えられない高層の物件もある。築20年の中古が増える今後5年間で、修繕が進まない物件が値崩れする可能性もある」と話す。

<数百年前の集合住宅がモデル>
土楼2

 広東省深セン市で建築事務所「都市実践」を共同経営する建築家の孟岩(50)は「効率よく部屋をつくることだけを考えた高層の集合住宅は、エレベーターに乗って出入りをするだけで住民同士の交流がない」と話した。孟は08年に広東省仏山市に建った「土楼マンション」と呼ばれる保障性住宅を設計した。全国から出稼ぎ労働者が集まる広東省で「地方から出てきた若者が孤立しない集合住宅をつくりたかった」という。


 設計する際にモデルにしたのは、福建省の山中に残る数百年前の集合住宅、「土楼」だ。今の河南省のあたりから南下した人々の子孫とされる客家(ハッカ)が建てた集合住宅で、1棟に数百人が同居している。狭いスペースにできるだけ多くの部屋を設けるため、3〜4階建ての方形や円筒形の造りになっていた。中心部には、住民の共用スペースとなる広場があった。

中央政府の強引な住宅政策はどうかと思うけど、地方の建築家は頑張っとるやんけ♪
数百年前の集合住宅がモデルとのことで、共用を考慮したわりと地に足がついた設計ですね♪

土楼1土楼マンション

一方で、少子高齢化が先行する日本のマンション事情である。
空き家、空室問題に対しては、安くシェアするなど、革命的な踏ん切りが求められているのでしょうね。

たま

 この空室問題に対応するため、URは2011年から多摩平の森でモデル事業「たまむすびテラス」を立ち上げた。すべての住民が他に移り住んだ4階建ての5棟を民間事業者に期限付きで貸し出し、思い思いのアイデアで再利用を進めた。

 若者向けのシェアハウス「りえんと多摩平」は、1階に共用の食堂と居間を設け、2〜4階は3Kの1住戸に3人が暮らせるように改装した。サービス付き高齢者向け住宅の「ゆいま〜る」は新たにエレベーターを設け、増築部分に介護施設を入れた。リフォーム事業に力を入れる建材会社「たなべ物産」は菜園つき住宅「AURA243」を手がけ、現在は5棟のほぼ全室が埋まっている。

<隣人との交流が入居を決めた理由>
 たまむすびテラスを3月末に訪ねてみると、菜園の春キャベツが旬を迎えていた。「古い団地の魅力は敷地が広くて緑が多く、建物と建物の間も余裕があること。最近のマンションや都心の戸建て住宅では味わえない豊かな環境です」。一昨年に入居した会社員の黒野雅好(54)は語る。家賃は月11万円で、近くの同じ広さの集合住宅と比べるとやや高いが、単身赴任なので隣人との交流が入居を決めた理由でもあった。

 黒野は毎月2回、同じ棟に住む子育て中の夫婦やシェアハウスの若者たちを招いて食事会を開く。自室がある1階の窓を開けると、菜園へとつながるウッドテラスがある。採れたての菜の花やブロッコリーを使って料理の腕をふるっている。

「たまむすびテラス」の家賃は月11万円か・・・URなど役人が上前をはねるので、ちょっと高いようですね。

ネットでも空き家問題がトレンディーである。それだけ、どこでも見られる切実な現実なんだろう。
需給関係のうち、供給側に着目したセミナーを覗いてみましょう。

2015.4.10日本の空き家の再生教室、「リノベスクール」の熱気より
 教材費3万円、でも仕事を休んで参加者続々とのことである。

 不動産事業における新たな発明かもしれない。福岡県北九州市で生まれた「リノベーションスクール」と呼ぶ取り組みが全国に広がっている。特徴は、受講生が数日缶詰めになって、空き家や空きビルを活用する事業のアイデアをひねり出し、実践してしまうこと。最終日の講評会は満席で立ち見が出る程だ。不動産オーナーも顔を出す。小さなエリアにゲリラ的に現れた新しい空間が、確実に街を変え始めた。「我が街でも」と、全国の自治体からの引き合いが増えている。

「初期投資を抑え、7年で回収する計画です」「事業内容はいいが、回収期間が長すぎる。5年以内で投資回収できるように組み直してほしい」――。

 このやりとりは、企業内部の議論ではない。東京都豊島区で3月に開かれた「リノベーションスクール」最終講評会のヒトコマだ。受講生の前には、講師のほか不動産オーナーや区議会議員も座る。会場は満席。不動産や街づくりの関係者や一般市民で溢れかえり、立ち見が出たため、急遽、別会場を用意することになった。

 リノベーションスクールの存在は、建設・不動産業界では2〜3年前から話題になっていたが、筆者はここまでの盛り上がりを見せるとは正直、思っていなかった。立ち見が出る程ぎっしり満員の会場とその熱気に驚いた。

(中略)
 豊島区で開かれたリノベーションスクールでは、提案した4件のうち2件が実際に動き出し、オーナーとの話し合いが続いている。1つは、以前、とんかつ屋として営業していた物件の再生。外国人観光客が多いという土地柄を生かして、ゲストハウスにリノベーションするアイデア。近隣にある人気ゲストハウスに運営を委託すると提案した。

 もう1つは、ビルの1階が空き倉庫となっていた物件だ。地域住民が集まる公園の前という立地を生かして、コミュニティーカフェとして再生する。「あやかりカフェ」と名付け、地域住民が趣味や技能を生かしてワークショップを開催するなど、地域の“資産”に「あやかる」のがコンセプトだ。

 筆者は初めて最終講評会を聞いたが、受講者の熱意に圧倒された。「自分の提案が実際に形になる」。これが、受講者が熱中する理由の一つなのだろう。


文字数枠の関係で、以降は空き家問題あれこれR2による。

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