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zoom RSS 『トウガラシの文化誌』

<<   作成日時 : 2017/05/18 07:30   >>

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<『トウガラシの文化誌』>
図書館に予約していた『トウガラシの文化誌』という本を、待つこと4日で、ゲットしたのです。
この本をざっと見渡して見ても、キムチの話が出てこないのが意外であるが…
そのあたりがトウガラシ・ワールドの広さということなんでしょうかね♪


【トウガラシの文化誌】
トウガラシ

アマール・ナージ著、晶文社、1997年刊

<「BOOK」データベースより>
トウガラシは、人の味覚を挑発してやまない。辛い。なのにやめられない、奇妙な快感。トウガラシと人間の、この滑稽な関係とは?トウガラシの魔力に取りつかれた一人の男がその正体を探る旅に出た。起源を辿ってアンデスへ。世界一の辛さを求めてメキシコへ。各国それぞれのピリ辛料理。知られざる薬効。品種改良の最前線。「タバスコ」商標裁判。俳優グレゴリー・ペック、写真家ブレッソンらトウガラシ中毒者の症状エピソード…。世界の食卓を席捲しつつある「第五の味覚」の謎に迫り、かくもにぎやかな食文化の歴史を明かす、初のトウガラシ大全。

<読む前の大使寸評>
この本をざっと見渡して見ても、キムチの話が出てこないのが意外であるが…
そのあたりがトウガラシ・ワールドの広さということなんでしょうかね♪

<図書館予約:(5/08予約、5/12受取)>

Amazonトウガラシの文化誌


トウガラシ中毒のあたりを、見てみましょう。
p277〜283
<トウガラシ中毒>
 世のなかには、トウガラシを好んで食べる人たちがいる。そんな人たちのことを、ここではトウガラシマニアと呼んでおくことにしよう。そんなトウガラシマニアは、トウガラシの辛さを単に好むというだけではない。彼らはトウガラシに恋こがれるのである。

 トウガラシマニアが食事を待ち遠しく思うのは、もちろん空腹を満たしたいからということもあるだろう。だが、彼らを元気づけて毎回新鮮な喜びをもって食事を楽しめるようにするのは、一口食べるたびにあのトウガラシも味わえるという思いがあるからだ。彼らにとって、食事に感覚的なある要素を加えるのがトウガラシなのだ。

 それは、どれほど手の込んだ繊細な料理を前にしていても変わらない。トウガラシこそは、彼らの食生活全体にアクセントをつけるものなのである。

 トウガラシマニアは、トウガラシのない食卓では引っこみがちになり、落ち着きがなくなる。そんな食卓についているくらいなら、彼らのことだから「いっそ腹ペコのままでいるほうがましだ」とさえ思うかもしれない。あるいは、好みのトウガラシを手に入れるためなら、どんなに遠いところへでも出かけていくかもしれない。それほど彼らのトウガラシに対する情熱はすごい。

 トウガラシマニアが、好みのトウガラシについて語るときの熱の入った口調や興奮ぶりを見てみるとよい。大好物のトウガラシをかじったときの彼らの至福のうなり声を聞くがよい。汗を浮かべ、辛さにあえいでいる最中でも、彼らはつぎのトウガラシに手を伸ばす。そして、苦痛のきわみと歓喜の絶頂のはざまで静かに揺れ動いている。それがトウガラシを愛してやまない人たちの姿だ。

 マニアは、トウガラシ中毒になっているのだ。その中毒の程度は、控え目に見ても、よく知られているカフェイン中毒やニコチン中毒にも匹敵する。あるいは、アルコール中毒、さらにはドラアッグの中毒に似ているといっても、過言ではないだろう。アメリカのあの有名な団体「アルコール中毒匿名者会」がトウガラシマニアの症状を調べれば、ためらうことなく進行性の病気だと断定するだろう。

 ただし、トウガラシの場合は、麻薬中毒に近い症状は簡単には表面化しないものだ。トウガラシをくるくる巻いて吸う人もいなければ、トイレに入って、こっそりトウガラシの匂いを嗅ぐ人もいないからだ。しかし、トウガラシマニアと彼らの好物のトウガラシとのあいだの密接な関係は、奇妙で、愉快な面を等しく合わせもっている。トウガラシ好きの人たちを観察したり、そんな人たちのトウガラシにまつわる癖や習慣を聞いているうちに、私はそう思うようになっていった。
(中略)

<トウガラシが解決した学術論争>
 インドでトウガラシをよく食べることで有名なのは、南部地方だ。とくにアンドラ・プラディッシュ州は、トウガラシ生産量がインドでもっとも多い地域である。

 イギリス統治時代に政府が残していた記録によると、アンドラ・プラディッシュの現在の州都であるハイデラバードでは、緑と赤のトウガラシの年間消費量がひとり当たり6.4キログラムで、インド国内最高であった。それにつぐのが、ボンベイの4.7キログラムだった。
 
 トウガラシ消費の大半をになっているのは、貧しい人びとである。辛いトウガラシは、富裕な層や貴族の食卓には、あまり登場しなかった。彼らは黒コショー、カルダモン、サフラン、その他のエキゾティックな季節の香辛料のほうを好んだ。貧しい人びとは、そのような香り豊かな香辛料が買えないので、辛味トウガラシ一辺倒になっているのだ。

 ある夏、わたしは祖先がハイデラバード州を統治していたという友人の家族を訪ねた。ハイデラバードは、目もくらむような富、そして豪華な料理で知られた強大なムガール帝国の中心地だった。

 その友人にはトウガラシについて話しあいたいと電話であらかじめ伝えておいた。貴族の食生活のなかでトウガラシがどのような役割を演じているのかを知りたかったのだ。古い大邸宅のハイダー・マンジル家に着くと、活力にあふれたフセイン夫人その弟のアーガー・シルタージュ・ハサーン・ミルザに迎えられた。

 「トウガラシはね、夫が好きな話題なの。いろんな話をお聞かせできると思うんだけど、あいにく狭心症で休んでいて、出てこられないのよ」
 そういながら、フセイン夫人は、わたしを居間に通した。
 「トウガラシは、主として貧しい人たちが食べる香辛料なんですか」
 こんな質問をまずぶつけてみた。
 「今では、ハイデラバードの貴族もたくさん食べるわ」
 と、フセイン夫人はいう。
 「でも、低い階級の人たちのほうが、食べる量は多いわね。たとえば、うちの召使いたちがいい例ね。いつもトウガラシを買いだめしておかなきゃならないの。でないと、みんなだらけてきて、疲れを訴えるようになるわ。『ああ、頭が痛い』っていったり、『めまいがする』ってね。うちには召使いが6人いるんだけれど、6人で赤トウガラシを毎月1.5キロたいらげるのよ」
(中略)

 フセイン夫人は、かたっぱしから手紙に目を通して、見せたいという手紙を探した。ただし、お目当ての手紙を探しながらも、その間に目にとまった、面白そうだと思った手紙はあれこれ読んできかせてくれた。

 「ほら、あったわ」
 ようやく探していた手紙を見つけたようだ。
 「これは、有名なデリーのスーフィ教徒、ハッツァ・ハサーン・ニザーミからわたしの父にきた手紙なの。どちらがもっとも純粋な形のウルドゥー語を話すかで、二人は議論をしていたのよ。それぞれ自分だと言い張っていたわ。どっちかが何かいうと、相手が言い返す。そんなことで、二人は手紙をやりとりしていたの」
 と、フセイン夫人は二人の議論の背景を説明してくれた。

 「ハッツァ・ハサーン・ニザーミはこう書いているわ。『わたしのウルドゥー語ときみのウルドゥー語が、どうちがうというんだい?わたしは、きみの村でとれたトウガラシを食べて育ったんだよ』」
 フセイン夫人は、仰々しく読んできかせた。
 「そうなの。このくだりで、二人の議論は決着したのよ」

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