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zoom RSS 人間本意の金融論

<<   作成日時 : 2014/01/22 08:38   >>

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<人間本意の金融論>
 米エール大教授がインタビューで「合理的とは限らぬ、人々の行動を読み未来に役立てよ」と説いているので、紹介します。
シラー教授

(米エール大教授へのインタビューを12/6デジタル朝日から転記しました)

人間の心理を考慮しながら、経済を分析する必要がある。今年のノーベル経済学賞を受賞した米エール大学教授のロバート・シラーさんは、早くからそう主張してきた。理論を組み立てただけではない。米国のITバブルや住宅バブルに警鐘も鳴らした。資本主義はどこへ行くのか。金融のあるべき姿は。シラー教授に聞いた。

Q:ノーベル賞は、市場の合理性を説く米シカゴ大学のファーマ教授らとの共同受賞でした。驚きませんでしたか
A:最初は驚きました。考え方が似ていませんからね。でもあとから、なるほど、と思い直したのです。我々の論争に決着はついていません。双方に賞を与えることで、市場の見方に違いがあることや、論争の中でこそ学問の発展があることを強調できるのだと。

Q:市場は効率的・合理的か否かをめぐって、ファーマ教授と意見が大きく異なりますね
A:ファーマ教授は、市場は効率的であり、だれも予想できない新しい情報にのみ反応するという立場です。受賞後の公開討論で、彼が将来の市場は予測できないと話すので、私は珍しく攻撃的になり、『長年にわたって市場を打ち負かしてきたファーマ教授をお祝いする、よい機会ですね』と発言しました。

 彼がかかわっている投資ファンドは、とても成功しています。『だれも市場には勝てない』と主張しながら、彼自身は打ち負かしている。それは、皮肉なことだと思ったのです。私が『市場は非合理的だ』と言いつつ、市場の拡大を支持しているのも、矛盾しているかもしれませんけどね。

Q:あなたは、ITバブルや住宅バブルのピークを、なぜ事前に予知できたのですか
A:群集心理に特別な関心をもっているためでしょうね。スポーツ観戦に行くときには、試合を見ずに観客を観察しています。どんなふうに興奮したり、喜んだり、悲しんだりしているのか、それを見るのが好きなのです。似たような現象が、金融市場にもあるからです。

 学界では専門化が奨励され、多くの学者は時間もない。自分の専門に集中すべきだと思い、わからないことを、わからないまま放っておきがちです。経済学者は社会学者を嫌っているようですが、理由がよくわからない。私がバブルのピークを予知できたのは、いろんな学問の折衷といえますが、特に心理学と社会学から影響を受けました。

Q:心理を重視する行動経済学はなぜ重要なのでしょう
A:経済学は、特に20世紀になって、人間が合理的に行動することを前提にした理論を発展させてきました。それは経済学に必要な最初のステップだったと思います。しかし、人間の行動は、目標達成に向けて首尾一貫しているとは限らず、怠惰だったり揺らいだりもします。現実の世界は、理論家が想定する完全な世界ではないことに、留意しなければならないのです。
   ■     ■

Q:なぜ、バブルは繰り返すのですか
A:バブルは、ある種の資産についての興奮が、人から人へと広がっていく『社会的な伝染病』のようなものです。たとえば住宅価格の上昇が話題になると、多くの人が市場に入り、価格はさらに上昇します。(市場は)そうしたフィードバックの仕組みなのです。

Q:最近、世界的にバブルが頻繁に起きるのは、中央銀行の金融政策(超低金利)が主因でしょうか
A:歴史上の大変化は、多くの要素が混ぜ合わさって起きます。金融政策は一因でしょう。経済の安定化に役立ちましたが、それが金融政策への過信となり、結局は経済の大崩れにつながりました。

 ただ、ほかにもさまざまな要素があります。過去30年、世界で資本主義が広がりました。ソ連はロシアとなり、中国も市場経済を取り入れました。新興国も成長し、世界中の人々が資本主義のシステムを学ばなければならないと思っています。

 そうした流れに対応して、メディアは市場についての情報を増やしている。それがまたバブルをつくりだすことになるのです。

Q:米国の株価は最高値圏にあります。今また米国では、株価や住宅でバブルが起きつつある、との見方もあります
A:過去10年の平均利益からみた米主要企業の株価は、歴史的にみるとかなり高い水準になってきています。しかし、超低金利という状況を考え合わせると、ものすごく高すぎるというわけではありません。

 米住宅価格は、昨春以来、急速に上がっています。1年前に比べ、全国平均で12%値上がりし、上昇率が20%を超える都市もある。新しいバブルの始まりという可能性もありますが私は懐疑的です。2006年がピークだった住宅バブル当時、多くの人々は住宅価格は永遠に上がり続けると思い込んでいました。今はそういう状態ではありません。

Q:A:バブル期に家を買った人が値下がりして大変な目にあうなど、ふつうの人の生活もバブルで大きな影響を受けます
A:私は、金融の『民主化』を主張しています。金融を、人々が抱えるあらゆる問題の解決に役立つものにすべきだと思います。たとえば、私は、政府が支援する形で、金融アドバイスを行うべきだと考えます。

 前回の住宅バブル当時、多くの人々は、住宅投資にすべてを賭けるべきではない、といった助言をだれからも得られませんでした。医療に政府の支援があるように、一人の判断によって家族すべての資産を失う可能性がある金融にも、中立的な立場からのアドバイスがあっていいと思います。

 金融を『人間本位』にすることも大事です。人間の弱さも考慮した金融です。私は、住宅価格が下がった場合に、住宅ローンの条件の見直しが行われ、借り手の負担が減るような商品も提案しています。
   ■     ■

Q:経済学者、エコノミストは、格差拡大にもっと目を向けるべきではありませんか
A:不平等には、よい面と悪い面があります。完全に平等な社会になると、だれもまじめに働かなくなりますから、いくらかの不平等はあったほうがいい。しかし、不平等が激しくなりすぎないほうがいい。お互いを思いやる気持ちを持つという面もありますが、それ以上に、文明社会の安定性を保つために。

 コンピューターや通信技術の発達などによって、今後、不平等が激しくなる傾向にあると思います。コンピューターは、人々の職を急速に奪いつつあります。若い世代は、今後、どんな社会になるのかわからないから、職業を選択するのがとても難しい。

Q:今の米国の貧富の差は、激しすぎると思いますか
A:個人的には、1950年代のような(格差の小さい)社会が好きですね。ただ、あのころは、第2次世界大戦の直後で、特殊な時代でした。社会に連帯感があり、高収入の人に対して高い所得税を課すなど、社会全体が進歩的でした。

 そうした時代は去り、当時のような共同体的な意識はありません。そう考えると、米国の今のレベルの格差は、もしここでとどまるのであれば、許容範囲ではないかと思います。心配なのは未来です。さらに格差が広がらないよう、今しっかりと合意しなければならない。

Q:経済学や経済理論は、そうした不平等の拡大を防ぐことができるのでしょうか
A:金融のリスク管理技術を使って、将来の不平等のリスクを軽減するようにすべきです。大きな不平等を避けるための保険を発展させることもできます。新しい商品をつくりだす創造的な人、よく働く人をねたむ人はあまりいません。問題なのは、ギャンブルをした人がもうけて大金持ちになるような不平等です。

 将来の不平等の拡大を防ぐには、富裕層に対する課税を強化すべきでしょう。ただ、フランスのオランド大統領はそうしようとして強い抵抗にあっています。富裕層は国外に逃げるといって脅しています。一国だけではこの政策は難しい。世界の先進国が話し合い、富裕層に対する課税を強化することは可能だと思います。
     *
 Robert J.Shiller 46年米国生まれ。マサチューセッツ工科大で博士号。今年のノーベル経済学賞を受賞。主著に「根拠なき熱狂」。

<取材を終えて>
 エール大学のあるコネティカット州ニューヘイブンは、静かで落ち着いた大学街である。
 黄色や紅色の葉が、最後の輝きを見せながら舞い散る11月下旬、シラー教授の研究室を訪ねた。
 12年ぶりに会うシラー氏は、変わらぬ笑顔で迎えてくれた。ノーベル賞受賞を知らせる電話は、朝のシャワーを浴びた直後にかかってきた。最初は「学生がいたずらで電話しているのかな、と思った」と言う。
 ほどなくカメラマンが玄関にあらわれたとき、妻のバージニアさんはまだパジャマ姿だった。シラー氏の研究は、心理学者であるバージニアさんからも大きな影響を受けている。
 12年前、シラー氏は、ITバブルの崩壊を予測したことで有名だった。あだ名は「パーティー・プーパー(パーティーをしらけさせる人)」。
 バブルの渦中で警告を発するには勇気がいる。山が高ければ、その後の谷は深くなる。崩壊後の悪影響を心配しての行動でも、みんなが楽しく踊っているときには目障りなのである。
 数年後、シラー氏は、住宅バブルについても警告を放った。ITバブル崩壊を帳消しにしようとして住宅バブルをつくりだし、その崩壊に苦しんだ米国。いまなお失業率は高く、政策金利はほぼゼロであり、バブル崩壊から完全に立ち直ったとはいえない。
 バブルの崩壊と、経済への大打撃を予測できなかったほとんどの主流派経済学者は、反省を迫られた。シラー氏にノーベル賞が与えられたのは、経済学が従来の枠を超えていくことへの期待の表明ともいえるだろう。
 日本についても聞いてみたら「超低金利や量的緩和政策の発明者で、よくやっている」との見方だった。1990年ごろをピークに、株価と土地の二重のバブルが崩壊したが、その後も経済が成長しているのは政策が機能したことを示している、と。
 印象深いのは、金融を「人々に役立つものにする」という使命感だ。金融の暴走を食い止め、リスクを分散するための多くのアイデアを、シラー氏は持っている。政治的に実現が難しいことも多いが、あきらめず、発信を続ける。そこに静かな闘志を感じた。
 (アメリカ総局長・山脇岳志)

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