『多和田葉子アンソロジー』R4

<『多和田葉子アンソロジー』R4>
このところ、多和田葉子の作品を集中的に読んでいるのだが・・・
デジタル朝日で『(文化の扉)多和田文学、ふわり越境』という記事を見て、この際、多和田さんのアンソロジーを編んでみました。

・(文化の扉)多和田文学、ふわり越境(2019年)
・歓待する文学(2018年刊)
・地球にちりばめられて(2018年刊)
・言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編む(2016年)
・献灯使(2014年刊)
・エクソフォニー(2006年刊)
・容疑者の夜行列車(2002年刊)


R4:「歓待する文学」を追記
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『地球にちりばめられて』4:「第10章 クヌートは語る3」
『地球にちりばめられて』3:「第9章 Hirukoは語る3」
『地球にちりばめられて』2:第6章 Hirukoは語る2
『地球にちりばめられて』1:独自の言語“パンスカ”

『歓待する文学』2:村上春樹の自伝的エッセイ
『歓待する文学』1:雪の練習生

『献灯使』4:言語の輸出入
『献灯使』3:日本の鎖国
『献灯使』2:「ナウマン象」
『献灯使』1:『献灯使』の語り口

『エクソフォニー』4:ハンブルグ
『エクソフォニー』3:森鴎外とドイツ語
『エクソフォニー』2:マルセイユ
『エクソフォニー』1:北京

『容疑者の夜行列車』2:北京へ
『容疑者の夜行列車』1:グラーツへ

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<『歓待する文学』1>
図書館で『歓待する文学』という本を手にしたのです。
小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪


【歓待する文学】


小野正嗣著、NHK出版、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
文学は私たちの心にどう入り込み、個人の生活や社会に影響を与えるのか。芥川賞作家である著者が欧米、アフリカ、中東、アジアの選りすぐりの作品を紹介。書き手がどのような土地に根ざし、どういう言語で作品を生み出したのか、それが読み手にどう作用するのかを探る。

<読む前の大使寸評>
小野正嗣が選りすぐりの作品について十三回の放送で紹介する構成であるが、取りあげた作品が、ええでぇ♪

歓待する文学
『歓待する文学』1:雪の練習生




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<(文化の扉)多和田文学、ふわり越境>
デジタル朝日が「日独2言語で/言葉遊びとユーモアと」と説いているので、紹介します。
この記事を紙媒体でスクラップしたのだが、電子媒体でも保存するところが、いかにも老人であるなあ。
(この記事を6/24デジタル朝日から転記しました)


ドイツ在住の作家、多和田葉子が世界的に注目を集めている。日本、ドイツ、米国で権威ある文学賞を受けてきた。作風は前衛的で国境や言語にとらわれないコスモポリタン。と同時に、日本語の魅力を追究した日本文学である。

 多和田葉子は大学卒業後、22歳でハンブルクに移住した。現在はベルリンに暮らす。日本語とドイツ語の両方で、小説や詩を発表してきた。日本では芥川賞、谷崎潤一郎賞、野間文芸賞といった純文学の大きな賞を次々に受賞。ドイツではクライスト賞を受け、独特の文体が評価された。いま、世界で活躍する日本人作家のひとりだ。

 昨秋には英語版の「献灯使」が米国の権威ある文学賞、全米図書賞の翻訳文学部門を受賞した。大災厄の後に鎖国を選んだ近未来の「日本」が舞台。訳者の満谷マーガレットさんは、「受賞作は震災後の汚染された日本を描く。決して日本だけの問題ではない。全米図書賞という重要な賞を受けたことでこの作品が世界で広く読まれ、受け止められる、その意義は大きいと思う」と話す。

 100歳を超えても頑丈な老人たちが社会を支え、子どもは弱くて歩けない。「彼女のファンタジーは現実に根ざしているから力がある」と満谷さん。深刻な物語だが、ユーモアに包まれ、読後感は朗らか。理由の一つに多和田作品の特徴である言葉遊びがある。「献灯使」では「みどりの日」があるなら「赤の日」も、と休日が際限なく増えていく。すたれてきた性交を奨励する「枕の日」、「インターネットがなくなった日を祝うのは「御婦裸淫の日」だ。



【地球にちりばめられて】


多和田葉子著、講談社、2018年刊

<「BOOK」データベース>より
留学中に故郷の島国が消滅してしまった女性Hirukoは、ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出した。Hirukoはテレビ番組に出演したことがきっかけで、言語学を研究する青年クヌートと出会う。彼女はクヌートと共に、この世界のどこかにいるはずの、自分と同じ母語を話す者を捜す旅に出る―。言語を手がかりに人と出会い、言葉のきらめきを発見していく彼女たちの越境譚。

<読む前の大使寸評>
言語学的なSFは、モロに太子のツボであるが・・・
ヨーロッパ大陸で生き抜くため、独自の言語“パンスカ”をつくり出したHirukoという元ニッポン人が、興味深いのです。

<図書館予約:(2/18予約、8/28受取)>

rakuten地球にちりばめられて



15 Juli 2016言語、非言語、文化、異文化のはざまで言葉を編むより

ドイツ語を学ぶ者にとって、「多和田葉子」は憧れである。日本語とドイツ語を自在にあやつり、生み出される表現。しかもそのドイツ語は、ドイツ語を「Muttersprach(母語)」とする読者をうならせ、日本語は、「母語」の縛りをするりと抜けて躍動する。

日独で名だたる賞を受賞してきた多和田葉子さんは今年、ドイツの歴史ある文学賞であるクライスト賞の受賞作家に選ばれた。ベルトルト・ブレヒトや、彼女が修士論文や博士論文で取り上げたハイナー・ミュラーら、ドイツの一時代を牽引した作家たちが過去に受賞している。1996年には、非ドイツ人作家に与えられるシャミッソー文学賞を受賞しているが、それから20年。Yoko Tawadaは、ドイツ文学史に名を刻んだのだ。

■「違和感」は、人間について考え直すチャンス
 1982年にドイツに来てから34年間をドイツで過ごされています。初期の小説では、外国に来た一人の日本人から見た、暮らしている場所、外の世界との違和感や不安感が表現されているように感じました。ドイツでの生活が多和田さんの人生の半分以上を占めるに至る、その間に、「違和感」の所在はどのように変化し、どのように作品に投影されているのでしょうか?

「違和感」というと、ちょっとネガティブな感じを持つ人もいるかもしれないのですが、私にとって「違和感」は、最初にドイツに来たときから、すごく嬉しいものでした。新しい文化の中に暮らし始めると、当たり前に思っていたことも、当たり前ではなくなる。そして、新鮮な目でそれを見て、もう一度考え直すことができる。しかも、それが日常生活の中で、朝から晩まである。それが非常に、ものを書く人間にとってはありがたい環境。

ものを書かない人にとってもそれは良いことだと思うのですが、仕事の能率を悪くすることにもなるので、「違い」をじゃまに感じることもあると思います。日本では、何も言わなくてもすっと通じて先に進むはずのところを、つっかえてしまうのを、障害のように思ったり……。

私にとって、ふと訪れる「違和感」は、人間について考え直すチャンスであり、文化とは何か、言語とは何かということについて考えるきっかけになるので、とても嬉しいことである。そういう感覚は、最初の頃から今に至るまで変わっていません。でも初期の頃、日本語の作品で言うと、『ペルソナ』『かかとを失くして』には、非常に大きな「不安感」みたいなものがあった。ドイツに暮らす不安感。この「不安感」も、私はポジティブに捉えています。でも、確かに、2000年以降の私には、「日本から来た若い女性が、ドイツで暮らし始めた」という設定の小説はありませんね。  

「不安感」と「好奇心」というのは、私の中で非常に強く結びついていて、不安があるから、それを取り除きたいというようなことは全くない。危険を感じたときに、人間の精神は100パーセント活動し始めるわけです。危険を感じていないときは、それがのろくなって、悪く言えば、腐っていく。だから、「不安」のない生活は良くないと、私は考えます。

近年の日本語の作品で、ドイツを直に取り上げているものは、例えば『尼僧とキューピッドの弓』。ドイツのニーダーザクセン州の修道院に滞在したときの経験 を活かしていて、第1部では、滞在する主人公は日本人の女性なんですが、第2部では、突然ドイツ人女性に変わってしまって、ドイツ人の女性の視線で、ドイツを描いています。これは80年代にはやっていないことです けど、それが今は、まったく自然にそういうことになってしまった(笑)。





【献灯使】


多和田葉子著、講談社、2014年刊

<「BOOK」データベース>より
鎖国を続ける「日本」では老人は百歳を過ぎても健康で、子供たちは学校まで歩く体力もないー子供たちに託された“希望の灯”とは?未曾有の“超現実”近未来小説集。

<読む前の大使寸評>
追って記入

<図書館予約:(12/09予約、10/13受取)>

rakuten献灯使



【エクソフォニー】


多和田葉子著、岩波書店、2003年刊

<「BOOK」データベース>より
自分を包んでいる(縛っている)母語の響きからちょっと外に出てみると、どんな音楽が聞こえはじめるのか。母語の外に出ることにより、言語表現の可能性と不可能性という問題に果敢に迫る、境域の作家多和田葉子の革新的書き下ろしエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
著者の『地球にちりばめられて』という小説を読んでいるところであるが、イラチな太子はさっそくこのエッセイ集を予約していたのです。

<図書館予約:(8/31予約、9/05受取)>

rakutenエクソフォニー



【容疑者の夜行列車】


多和田葉子著、青土社、2002年刊

<「BOOK」データベース>より
戦慄と陶酔の夢十三夜。旅人のあなたを待ち受ける奇妙な乗客と残酷な歓待。宙返りする言葉を武器にして、あなたは国境を越えてゆけるか。-稀代の物語作者による傑作長篇小説!半醒半睡の旅物語。

<読む前の大使寸評>
追って記入

<図書館予約:(10/11予約、副本5、予約1)>

rakuten容疑者の夜行列車


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