『建築のすべてがわかる本』1

<『建築のすべてがわかる本』1>
図書館で『建築のすべてがわかる本』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくると、画像満載の、これぞビジュアル本である。
文字ばっかりの小説に疲れてくると、ついビジュアル本に手が出るのです。


【建築のすべてがわかる本】
建築

藤谷陽悦著、成美堂出版、2006年刊

<「BOOK」データベース>より
古代建築から寝殿造、数寄屋造、超高層ビルまで、60のテーマをイラストと写真でわかりやすく解説。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくると、画像満載の、これぞビジュアル本である。
文字ばっかりの小説に疲れてくると、ついビジュアル本に手が出るのです。

amazon建築のすべてがわかる本


阪神・淡路大震災直後に注文住宅を建てた大使であるが、震災に懲りた大使のチョイスは鉄骨系プレハブ住宅であった。

・・・で、プレハブ住宅のルーツを、見てみましょう。
p110~112
<パネル式組立住宅>
1937年に始まる日中戦争中の住宅不足を機に、日本でもプレハブ工法の開発が進んだ。しかし、プレハブ住宅が本格的に量産されるのは、1960年に入ってからである。


 日本の伝統木造建築の美しさは、屋根と「木と土」で構成される軸組で決まる。日本の木造技術は幕末に完成し、明治時代初期には最高水準に達していたが、唯一の欠点は施行から完成まで時間がかかりすぎることであった。特に土壁は下塗・中塗・上塗を繰り返すため、工事長期化の原因となり、完成までに半年以上も要するのが、普通であった。こうした工期の短縮をめざす工法がプレハブである。

 プレハブとは、英語のプレファブリケーションの略である。工場で製造した屋根・床・壁などの部品を建築現場に持ち込み、その場で組み立てる工法をいう。その歴史的経緯は鉄骨系・木質系・コンクリート系などの材料で異なるが、日本では1930年代から普及し始めた。

 モダニズム建築家土浦亀城は、ドイツで開発された「」を「乾式工法」として紹介した。漆喰・土壁を使わずに、乾燥した木質パネルだけで組み立てる工法で、それは日本における合理主義建築の先駆けともなった。

 プレハブ住宅が脚光を浴びたのは1937(昭和12)年、前田進が木造移動式組立住宅を発表してからである。日中戦争下の日本では極端な住宅不足に陥り、住宅営団が政府に代わって住宅供給を行っていた。営団では前田を研究部に加え、プレハブ住宅の開発に乗り出した。積載荷重実験・耐風強度実験などで科学的数値を求め、1942年にパネル式組立住宅1~4号を発表した。しかし、太平洋戦争の戦況悪化で建築資材を確保できず、わずかに応急用工員住宅、緊急簡易宿舎などが日の目を見ただけであった。

<戦後復興と住宅の工業化>
 パネル式住宅の課題は、戦後に持ち越された。空襲で甚大な被害を受けた日本では、政府の試算で住宅不足が420万戸に達し、空襲被災者や引揚者向けに応急住宅30万戸を建設することが閣議決定された。

 また、有識者の間では住宅工業化の試みとして「木造住宅規格」が提案され、1946年11月には工業生産住宅協会が組織された。このころ、企業と建築家のプレハブ共同開発も盛んになる。
 1947(昭和24)年には「プレコン」と呼ばれるコンクリート・ブロック式のプレハブ工法が登場。これによって組立鉄筋コンクリート構造という新しいプレハブ方式が公営・県営などの共同住宅に採用された。
(中略)

<住宅メーカーと工業生産>
 1960年代には日本の重化学工業が著しい発展を遂げ、これによって木造プレハブ住宅の本格的な工業化が進んだ。軽量鉄骨・石膏ボード・合板類・プラスチック板などを使ったパネル・システムが主流となり、住宅市場にはハウス・メーカーと呼ばれるプレハブ住宅会社が登場した。豊富で良質な建材が生産できるようになり、高度経済成長によって人々の生活にゆとりが生じたことが、プレハブ住宅発展の大きな理由であった。

 1960年代のプレハブ住宅の大きな特色は、軸組に軽量鉄骨が採用されたことである。その先駆けとなったのが、1958年に大和ハウスが発表した10m2足らずの箱型住宅「ミゼットハウス」である。「3時間で建つ勉強部屋」というキャッチ・フレーズが当たって爆発的な売れ行きを見せ、翌年には積水ハウスでも同タイプの「セキスイハウスA型」を販売した。

 1962年からはパネルではなく、箱型の立体ユニットを積み上げたプレハブ住宅が登場した。積水ハウスの「サキスイキャビンC型」(1962年)、ナショナル住宅建材の「キャラバン」(1966年)などである。

 このころから各住宅メーカーの住宅販売競争が始まり、プレハブ住宅はテレビ・コマーシャルに登場し、電化製品と同じ手軽さで買い求められるようになる。


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