『ソーメンと世界遺産』3

<『ソーメンと世界遺産』3>
図書館で『ソーメンと世界遺産』という本を手にしたのです。
この本の目次を見てみると、もろもろのグチとか、やつあたりとか、悲喜こもごもの内容となっていて興味ふかいのでおます。
シーナの趣味は出版ではないのか?
もと雑誌の編集に携わっていたシーナだから、出版のノウハウはお手の物やんけ♪


【ソーメンと世界遺産】

椎名誠著、毎日新聞社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
データなし

<読む前の大使寸評>
シーナの趣味は出版ではないのか?
もと雑誌の編集に携わっていたシーナだから、出版のノウハウはお手の物やんけ♪

rakutenソーメンと世界遺産


シーナが乗馬とかキャンプについて語っているので、見てみましょう。
p45~48
<毎日が緊急危機対策>
 突然の災害や事故にいかに迅速かつ的確に対応していくか・・・ということがいつの間にか現代人の現実的な課題になってしまった。旅をしながらでも「いまそこにある危機は何か?」などということを考えていることが多くなった。昔はイネムリしてたんだけどな。
 先日、飛行機に乗っていてあと20分ぐらいで着陸、というときに、もし地上にいま大地震がおきたら、空中にいるこの飛行機に乗っている我々はとりあえず直接の地震被害からは逃れることができる。

 しかし、そのあとに「どこへどうやって着陸するか」という厳しい問題が待ち受けていることに気がつく。滑走路がダメージを受けていたら降りられない。シロウト考えながらまあとりあえず地震の影響がなかった土地の空港に方向転換するのだろうが、そこまでの燃料があるかどうか。
(中略)

 日本だと建前だけの管制官トップがいて「前例がない」とか「しかるべき監督省庁の許可を貰ってから」なんてやっているうちに燃料切れになっておしまいなんじゃあるまいか。

 なんだかわからない緊急事態に遭遇したとき、その事件の全貌を理解し確認し対策を考える、なんてことをしている前に、本能のままに行動するのがとにかく生き残るための最優先事項だな、という体験をかつてした。

 事件は「氷河ダム決壊」である。場所はパタゴニア。夏になると氷河も上層部は解ける。解けた水がどんどん川のように流れていけば問題ないのだが、稀に氷河の先のほうに大きな窪みができて氷河が自然のダム湖のようになってしまうことがある。大量の水をせきとめてしまったその擬似ダムがコンクリートの壁なら問題ないが、やはり氷なのだ。

 やがて水の重さと圧力で崩壊する。たいした規模ではないけれど、そこに向かっている人間がいて谷の斜面などでこの氷塊まじりの鉄砲水みたいなのにやられる・・・という災害だった。同行していたガウチョ(南米のカウボーイ)がいち早くこの異変の正体を察知し「今すぐ逃げろ」と叫んで牽いていた馬に乗り換え、自分だけ全速力でどんどん崖の上のほうに逃げだした。

 そのときぼくは生まれてはじめて馬に乗ったのだ。必死になってガウチョのあとに続いた。馬は仲間の馬の行った方向にひたすらついていく性癖がある。

 それまで馬と一緒に我々を乗せてきたジープが間もなく崖下を転がるように流されていき、谷の下に落下していくのが馬の上から見えた。なんだか訳がわからないがとにかく落馬したらもう命がない、ということが最初からわかっていた。

 あのとき「今何がおきてるのか」とか「理由を知りたい」とか「馬に乗れない」とか「ハラへった」とか「クルマで逃げればいいじゃん」などと言っていたら今のぼくの命はなかった。半日必死で馬に乗っていたので、いまは世界のどんな馬でも乗りこなせるようになった。突然の危機にはいいプレゼントもあるのだ。


『ソーメンと世界遺産』2:ヘイエルダールの漂流記
『ソーメンと世界遺産』1:やがて個人小説時代


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