『サル化する世界』7

<『サル化する世界』7>
図書館に予約していた『サル化する世界』という本を、待つことおよそ5ヵ月で、ゲットしたのです。
内田先生には毎度「内田樹の研究室」の紹介を務めている太子である。この本には期待できそうやでぇ♪

【サル化する世界】


内田樹著、文藝春秋、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
現代社会の劣化に歯止めをかける、真の処方箋!堤未果氏との特別対談も収録。
【目次】
1 時間と知性/2 ゆらぐ現代社会/3 “この国のかたち”考/4 AI時代の教育論/5 人口減少社会のただ中で/特別対談 内田樹×堤未果 日本の資産が世界中のグローバル企業に売り渡されるー人口減少社会を襲う“ハゲタカ”問題

<読む前の大使寸評>
内田先生には毎度「内田樹の研究室」の紹介を務めている太子である。この本には期待できそうやでぇ♪

<図書館予約:(3/25予約、9/02受取)>

rakutenサル化する世界



「まえがき」でサル化が語られているので、見てみましょう。
p5~11
<なにやらよくわからないまえがき>
 3年前に、Foreign Affairs Magazineが日本の大学教育を論じたことがありました。その中でインタビューを受けた日本の大学生たちが、外国人ジャーナリストに自分たちのおかれている状態を説明するときに選んだのが次の三つの形容詞でした。

 それあtrapped,saffocating,stuckの三つでした。「罠にはまった」「息ができない」「身動きできない」です。学生たちは、大学について、制度がどうであるとか、カリキュラムがどうであるとかいう概念的な話ではなく、「狭いところに閉じ込められていて、つらい」という身体的印象を語っていたのでした。

 頭でこしらえたのではない、実感のこもったこの言葉からは、今の日本社会の「生きづらさ」の本質が透けて見えるように僕には思われました。
 それは「身のほどを知れ、分際をわきまえろ」という圧力が日本社会のすみずみに行き渡っていることを表している。そして、たぶんそうだと思うのですが、この「身のほどを知れ」という圧力は、表面的には「自分らしく生きる」という教化的なメッセージの美辞麗句をまとって登場してくる。

「自分探しの旅」とか「自分らしさの探求」というような言葉を僕は僕はこれまでずっと「なんだか嫌な感じの言葉だな」と思っていました。それは、そういうことを口にする人間が、しばしば「管理する側」の人間だったからです。彼らは別に子どもたちや若者たちが成熟し、変化して、自由に生きることを求めているわけではありません。そんなはずがない。だって、そんなことになったら「管理しにくくなる」に決まっているからです。

「自分らしく生きる」という、一見すると子どもたちを勇気づけるように聞こえるメッセージは、実は本音のところでは、「はやく『自分らしさ』というタコツボを見つけて、そこに入って、二度と出て来るな」と言っているのじゃないでしょうか。

 だって、そうじゃないですか。自分らしさを見出すことにそれほど価値があるのだとしたら、「これが『自分らしい生き方』です」と宣言した後に、「あ、やっぱりあれはなしにしてください。違う生き方がしたくなっちゃいました」と言い出すことにはかなりの心理的抵抗があるはずだからです。

 一度生き方を決めたら、自分の「ポジション」を決めたら、あとは一生そこから出てはならないという有形無形の圧力を「自分らしく」という呪符が生み出している・・・ということはないんでしょうか?
(中略)

 システムの効率的な管理が大切な仕事であることを僕はもちろん認めます。でも、システム管理の効率化を急ぐあまり、アクターである人間たちを同一的なままにとどめておくというのは長期的にはシステムの自殺行為ではないかという気がします。もし、国民が成熟を止め、変化を止め、どれほど時間が経過しても「剋目して相待つ」必用がなくなったら、その国ではもういかなるイノベーションも、どのようなブレークスルーも起こらないからです。

 今の日本社会に瀰漫している「生きづらさ」はこの社会の仕組みそのものが「生物の進化」に逆行しているからだというのが僕の考えです。それを僕は「人間がサル化している」という表現に託したのです。

 この本は、そのような視点から、現代日本のさまざまな出来事を論じています。
 僕から皆さんへの個人的な提案は、「自分の身のほど」なんか知らなくてもいいんじゃないですかということです。「自分らしさ」なんか別にあわてて確定することはないんです。三日前とぜんぜん違う人間になっても、それは順調に成長しているということですから、気にすることないです・・・というようなことです。

『サル化する世界』6:タフな物語の必要性
『サル化する世界』5:母語が生む新語・新概念
『サル化する世界』4:堤未果さんとの対談
『サル化する世界』3:対独協力国だったフランス
『サル化する世界』2:China Scare―中国が怖い
『サル化する世界』1:なんだかよくわからないまえがきp3~4



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント