『サル化する世界』4

<『サル化する世界』4>
図書館に予約していた『サル化する世界』という本を、待つことおよそ5ヵ月で、ゲットしたのです。
内田先生には毎度「内田樹の研究室」の紹介を務めている太子である。この本には期待できそうやでぇ♪

【サル化する世界】


内田樹著、文藝春秋、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
現代社会の劣化に歯止めをかける、真の処方箋!堤未果氏との特別対談も収録。
【目次】
1 時間と知性/2 ゆらぐ現代社会/3 “この国のかたち”考/4 AI時代の教育論/5 人口減少社会のただ中で/特別対談 内田樹×堤未果 日本の資産が世界中のグローバル企業に売り渡されるー人口減少社会を襲う“ハゲタカ”問題

<読む前の大使寸評>
内田先生には毎度「内田樹の研究室」の紹介を務めている太子である。この本には期待できそうやでぇ♪

<図書館予約:(3/25予約、9/02受取)>

rakutenサル化する世界




堤未果さんとの対談「人口減少社会を襲う“ハゲタカ”問題」が興味深いので、見てみましょう。
p283~287
<「老後2000万円」問題に隠された思惑>
内田:人口減少社会で年金制度が持続できるか不安視する声が高まっています。最近、金融庁が発表した「老後2000万円不足」問題がネット上でも話題になりました。麻生(太郎、財務)大臣は「報告書読まない、受け取らない」として問題をもみ消そうとしていますが、そもそも「100年安心」を掲げていたことに無理があった。この先の人口減少を考えたときに、よくこんな嘘をつけたなと思います(笑)。

 とりあえず「向こう15年くらいは安心」あたりを目指し、状況が変わったら、そのつど新しいファクターを取り込むことのできる、フレキシブルで復元力のあるシステムを作った方がよほど現実味があったんですけどね。

堤:現行の年金制度は、経済成長し続けることが前提で設計されている上に、当初より平均寿命も20年以上伸びている。あのとき予想していなかった少子高齢化など、状況が大きく変わっているのにどの政権も触りたがらず、ずっと後回しにしてきましたね。

 恩恵を受けている高齢世代が高投票率で、しわ寄せを若年層の投票率が低い状況が、この問題をさらに悪化させています。選挙前のこの時期に触るなと言わんばかりに、大臣が報告書を受取拒否して炎上する姿はまさに象徴的でした。

 本当は今のライフスタイルも社会制度も根本的に考え直さなければいけない、この国にとってとても重要なテーマなのに、政治的にごまかされてしまう。2007年の選挙では「消えた年金」問題が争点になりましたが、あれもうやむやのままですよね。

内田:消えた年金といえば、僕が大学を退職するとき総務に年金の資料をもらいにいったら、神戸女学院時代の21年分しか記録がなくて、それ以前の、会社で5年間、都立大の助手を8年間やっていた期間の支払いがすべて消えていたのには驚きました。

「どうすればいいの?」って訊いたら、「在職して年金を払っていたという証明書をもらってきて、手続きしないとダメでしょうね」っていうんです。「でも、僕の勤めていた大学、もうなくなっちゃたんですけど・・・」(笑)。そういう場合はどこに行ったらいいのか訊いても、「さあ・・・」といわれて。冷たいもんですよ(笑)。めんどくさいので、僕、年金貰ってないんです。

堤:ひどい・・・信じられない話ですね、最後の結論が潔いけれど(笑)。「記録が消える」「統計ミス」などは国の機関にとって重大な欠陥ですが、その後も年金データの処理が下請けの外国企業に委託されるなど、ずさんな扱いをしているのが気になります。

 2000万円問題に戻ると、あの報告書を読むと、高齢夫婦無職世帯の平均貯蓄額は2484万円と書かれていますが、平均だから当然その中に格差があり、2000万円という数字だけ見るとゾッとしますよね。

 厚生年金加入者が2000万円なら国民年金は5000万円以上足りなくなるなど、国民が不安になったところに金融庁から「とにかく早い段階から資産形成を」と促されている。金融庁の本命はあの部分でしょう。

内田:今の高齢者はある程度の個人資産を持っているかもしれないけれど、現役世代が普通に働いて2000万円貯めるのは難しいと思います。定期預金の金利はほぼゼロですから、貯金してたら資産形成なんてできない。だから、あれは要するに「株や不動産を買って、投機的なふるまいをしろ」って国民を脅しつけているってことですよね。一般市民を賭場に引きずり出して来て、「さあ、張った張った」と煽っている。

堤:NISAの優遇措置をはじめ、政府はこれまで金融分野の法改正を進め、なかなか預貯金を移し替えない一般国民が投資いやすい環境を整えてきました。金融リテラシーは確かに必要ですが、問題は、財界や投資家と政府の距離が近すぎること。投資を促したい人たちに金融庁が協力し、そこが出した平均値が一人歩きして老後不安が煽られている。


『サル化する世界』3:対独協力国だったフランス
『サル化する世界』2:China Scare―中国が怖い
『サル化する世界』1:なんだかよくわからないまえがき

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