『団地へのまなざし』1

<『団地へのまなざし』1>
図書館で『団地へのまなざし』という本を、手にしたのです。
幸せのアイコンともいえる団地や建築そのものは、太子がフォローするミニブームでおます。


【団地へのまなざし】


岡村圭子著、新泉社、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
草加松原団地をフィールドに、団地のなかで今まさに起こっていることを、日本社会が直面している課題と捉える。
【目次】
序章 団地への視角/第1章 団地へのまなざしー描かれた羨望、忌避、偏愛/第2章 ローカルな記憶の記録/第3章 団地のローカル・ネットワーク/第4章 松原団地の相互扶助的な関係/終章 団地をめぐる現代の問題ーネットワークから考える

<読む前の大使寸評>
幸せのアイコンともいえる団地や建築そのものは、太子がフォローするミニブームでおます。

rakuten団地へのまなざし



「第1章 3 団地へのまなざしと近代の欲望」から1960年代の欲望を、見てみましょう。
p59~61
<「下町」に対置された記号としての団地> 
 1963年に公開された山田洋二監督の『下町の太陽』(松竹)に描かれた郊外の団地は、キラキラと輝く将来を映し出す記号であった。働き出して若い道男(早川保)が、鉄橋を渡る電車(京成押上線)のなかで親しい女友達、町子(倍賞千恵子)に言う。

道男「ほら、隅田川を越えるとずっと景色が変わってくるだろう? あぁ、団地に住みたいなぁ、郊外の団地に。でも今の給料じゃその資格がないんだけれど」
町子「すぐよ、正社員になったら」
道男「うん」

 近代的産業構造のもとに発明された団地(という居住スタイル)が、それまでひとびとの日常生活を社会的・精神的側面から支えてきた地縁・血縁社会を破壊したとする見解もある。しかし、道男は団地をそうは見ておらず、町子も最初は団地へのあこがれを隠さなかった。
(中略)

 この披露宴の帰り道、町子は同僚女性たちは語り合う。
「結局サラリーマンね、結婚するなら」
「三万とってもらわないと団地に入れないわけかぁ」
「そうねぇ、女の幸せって男次第だな。そう思わない? 町子」

 結婚して団地で暮らす生活は、当時の若い男女の「幸せの人生」の象徴であった。結婚式の後、町子は同僚の女性たちとともに、新婚生活を送る和子を団地に訪ねる。

 しかし、団地のなかを楽しそうに見てまわる町子たちとは対照的に、和子は憂い顔で、久々に会ったかつての女性同僚達と談笑するうちに涙ぐむ。夫の帰りを「化粧をして待つ」生活だと語る和子に、複雑な表情で疑問をなげかける町子だが、それでも一緒に来たほかの女友達は「いいなぁ、団地って。うらやましいなぁ」と笑う。

 この場面では、団地生活への羨望とともに、団地生活での孤独・孤立が描かれ、そういった生活がはたして女性にとって幸せなのだろうか、という疑問が主人公町子の視点をとおして投げかけられるのである。




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