『上級国民/下級国民』5

<『上級国民/下級国民』5>
図書館に予約していた『上級国民/下級国民』という本を、待つこと9ヵ月ほどでゲットしたのです。
この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。


【上級国民/下級国民】


橘玲著、小学館、2019年刊

<「BOOK」データベース>より
「下級国民」を待ち受けるのは、共同体からも性愛からも排除されるという“残酷な運命”。一方でそれらを独占する少数の「上級国民」たち。ベストセラー『言ってはいけない』の著者があぶり出す、世界レベルで急速に進行する分断の正体。

<読む前の大使寸評>
この本の「はじめに」で高級官僚の存在や神戸市営バスの運転手の事件が載っているので、見てみましょう。


<図書館予約:(10/24予約、副本16、予約283)>

amazon上級国民/下級国民


この本の「PART3 世界を揺るがす上級/下級の分断」を、見てみましょう。
p151~154
私の人生は私が自由に選択する
 産業革命後の18世紀半ばから20世紀初頭までが「前期近代」で、その特徴は強大な科学技術によるゆたかさの追求でした。この時代は富が土地(領土)と結びついていたため、いち早く近代化したヨーロッパ列強は競って植民地獲得に乗り出しました。

 それから100年遅れて、日本がアジアではじめて近代化に成功し、朝鮮半島と台湾を植民地化し中国大陸を侵略していくことになります。
 こうして植民地主義(帝国主義)がふたつの大きな戦争を引き起こし、数千万というとてつもない数の戦死者・餓死者を出し、アウシュビッツとヒロシマを経験してようやく「戦争の世紀」が終わります。

 米ソ両超大国が世界を何十回も滅ぼすだけの核兵器を保有したことでもはや大国間の戦争は不可能になり(ゲーム理論でいう相互確証破壊)、国家の存在意義は領土の拡張から経済成長=国民のゆたかさへと変わりました。これが「後期近代」の始まりであり、「福祉国家」の誕生です。

 第二次世界大戦後の西側諸国は、アメリカを中心とする自由主義諸国間の貿易によって空前の繁栄を実現します。1960年代になると、ごくふつうの庶民まで、数百万年の人類の歴史のなかで王侯貴族ですら想像できなかったようなとてつもない豊かさを手にすることになりました。

 こうして、ゆたかさを背景に価値観の大きな転換が起こります。それをひと言でいうなら、「私の人生は私が選択する」です。
「そんなの当たり前じゃないか」と思うでしょうが、それは私たちが「後期近代」に生きているからです。
 
 中世や近世はもちろん、日本では戦前(前期昭和)ですら、「人生を選択する」などという奇妙奇天烈な思想を持つひとはほとんどいませんでした。長男は家業を継ぎ、次男や三男は軍人になるか都会に出稼ぎに行き、姉妹は親の決めた相手と結婚するか、兄弟の学資を稼ぐために身体を売るのが当然とされていたのです。

 ところが1960年代になると、こうした前期近代の価値観(生き方)は「過去の歴史」と見なされるようになり、古代や中世と区別がつかなくなります。好きな職業を選び、好きな相手と結婚し、自由に生きることが当たり前になったのです。

 これは、どれほど強調しても強調し足りないほどの巨大な変化です。18世紀半ばの産業革命においてゆたかさの相転移が起きたとすれば、20世紀半ばに価値観の相転移が起き、ひとびとは新たなアナザーワールドを生きるようになりました。これが「自由な社会」です。

 政治的な自由は「Liberty(リバティ)」で、自由な社会を目指す運動が「Liberal(リベラル)」です。自由化とはリベラル化のことであり、とてつもないゆたかさを背景に若者たちはますます自由=リベラルになっていきました。

 こうして1960年代末のアメリカで、ベトナム反戦運動、公民権運動、セックス・ドラッグ・ロックンロールのフラワームーブメント(ヒッピーカルチャー)が始まります。


『上級国民/下級国民』4:日本経済の成長率の低迷
『上級国民/下級国民』3:急落したGDP成長率
『上級国民/下級国民』2:日本のサラリーマン
『上級国民/下級国民』1:はじめに

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