『漱石文体見本帳』1

<『漱石文体見本帳』1>
図書館で『漱石文体見本帳』という本を、手にしたのです。
ぱらぱらとめくってみると、いろんな文例をもとに明治の日本語が語られているようです。



【漱石文体見本帳】


北川扶生子著、勉誠出版、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
人間の内面心理を巧みに描いた作家、夏目漱石。しかし、漱石と同じ時代を生きた読者たちは、多彩な表現をあやつる「文章家」として彼を愛していた。日本語の混乱期を漱石はどう泳いだのか?漱石の小説文体を10に分類。具体的な文例を味わいながら、その効果と背景をわかりやすく紹介。明治の日本語はこんなに豊かだった!『こころ』、『吾輩は猫である』、『虞美人草』、『それから』、『門』、『文学論』、『文学評論』、『道草』ほか多数掲載。

<読む前の大使寸評>
いろんな文例をもとに明治の日本語が語られているようです。やや難しいが読んでみよう。

rakuten漱石文体見本帳


漢文調文体とやらを、見てみましょう。
p51~53
文体は「内容識別記号」
 日本語の長い歴史のなかでつちかわれてきた、文体にまつわるニュアンスは、言文一致体が成立したあとも受け継がれています。たとえば、「なんたる失態だ・・・私は慨嘆した」(夏川草介『神様のカルテ』)と漢文調で言うと、何だか堂々とした感じがします。また、「」(谷崎潤一郎『盲目物語』)という和文調は、現代の読者にとっても、どこかやわらかい感じがします。

 言文一致体の文章しかほとんど読まない現代の私たちですら、文体にまつわるニュアンスを感じとるのですから、ましてや、このあいだまで文語体を使っていた明治人にとって、文体の違いは大きな識別機能を持っていました。どういう文体で書かれているか、が内容の理解を補うのです。

「教育勅語」はなぜ漢文調なのか
 実例で見てみましょう。次に掲げるのは、戦前の日本で、いちばんよく読まれたと思われる漢文調文体です。
 朕推フニ我カ皇祖皇宗国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世ソノ美ヲ成セルハ此レ我カ国体ノ精華ニシテ教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友朋信シ恭倹己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ学ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓発シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ広メ世務ヲ開キ常ニ国憲ヲ重シ国法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ・・・
(「教育勅語」1980年)



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