新連載小説『ガリバー旅行記』

<新連載小説『ガリバー旅行記』>
このところ、太子のミニブームとなっている翻訳について取りあげているが・・・
柴田元幸さん訳の新連載小説『ガリバー旅行記』を見てみましょう



新連載小説『ガリバー旅行記』、12日スタートより
12日から夕刊小説『ガリバー旅行記』が始まります(毎週金曜に掲載)。柴田元幸さんの新訳と平松麻さんの挿絵で、18世紀イギリスの風刺小説がよみがえります。柴田さんと、今回の監修者で慶応大教授の原田範行さんを指南役に、子どもから大人まで広く知られた名作をいっそう楽しむための特集をお届けします。


■英国の政界を投影
 当時のイギリスは、転換期にありました。議会政治と立憲君主制ができあがり、世界でいち早く近代市民社会が形成されていく時代。ダブリン大学卒業後、ロンドン近郊で大物政治家の秘書をしていたスウィフトは、それを間近で目撃します。

 ところが、スウィフトはダブリン生まれのアングロ・アイリッシュという出自もあり、結局は思い通りの官職に恵まれませんでした。出世を断たれ、失意のうちに故郷に戻った数年後に書き始めたのが『ガリバー旅行記』です。リリパット国には、トーリー党を思わせる「高踵(ハイヒール)党」、ホイッグ党の「低踵(ローヒール)党」が登場しますが、ロンドンで見聞きした政治状況を虚構にくるんで傑作に昇華させます。
 ダブリンに帰ったスウィフトは、イングランドの圧政をペンの力で告発しました。中でも、貧困にあえぐ祖国の窮状を憂えた論文「慎(つつ)ましき提案(A Modest Proposal)」は強烈で、のちに夏目漱石が意気に感じて『文学評論』の中で一部邦訳しています。
 第3部にはスタジオジブリの映画「天空の城ラピュタ」のモデルにもなったラピュータが登場しますが、このラピュータに搾取されるバルニバービがアイルランドを下敷きにしているのは明白です。刊行当時は、検閲をおそれて一部削除されましたが、現在の版では読むこともできます。こんにち、スウィフトはアイルランドでは英雄です。

 海を越えて旅をするガリバーの造形は、西洋社会の異文化に対する興味を反映しています。当時の航海技術では、太平洋・オセアニアは西洋世界にとってまだ「未知の世界」。手が届きそうだけど到達できていない世界だからこそ、創作の想像力が広がったのです。今でいえば、月や火星を舞台にしたSFといったところでしょうか。


新連載小説『ガリバー旅行記』、12日スタート2020.6.05


スクラップしてデジタル記事をダブルで保管するのが・・・いかにも老人ではないかと思ってはいるのだが。

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