『移民の経済学』2

<『移民の経済学』2>
図書館で『移民の経済学』という新書を、手にしたのです。
昨今の最底辺の人たちといえば、シングルマザーか移民であるが
・・・そういう意味でこの新書を読んでみようと思ったのです。


【移民の経済学】




友原章典著、中央公論新社、2020年刊

<「BOOK」データベース>より
すでに250万人の「移民」が暮らす日本。2018年末に入管法を改正し、さらなる外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。移民が増えると、私たちの生活にどのような影響があるのか。本書は、雇用や賃金、経済成長や物価、貿易、税と社会保障、さらに科学技術、治安・文化に至るまで、主要な論点を網羅。経済学の研究成果をもとに分析することで、感情的な議論を超え、移民がもたらす「損」と「得」を明らかにする。

<読む前の大使寸評>
昨今の最底辺の人たちといえば、シングルマザーか移民であるが
・・・そういう意味でこの新書を読んでみようと思ったのです。

rakuten移民の経済学


「第5章 イノベーションの起爆剤になるのか」を、見てみましょう。
p138~142
<低技能者が増えると技術革新が遅れるのか>
■技術革新が遅れ、雇用が守られる
 単純労働に従事する移民が増えると、技術革新が遅れるという見解がある。移民を受け入れると、国内における労働者の技能水準は変化する。たとえば、アメリカでは多くの高校中退者が移民してきたため、低技能の労働者が相対的に増えた。その結果、全体として見ると、労働者の技能水準が低技能化した。このように労働者の平均的な技能水準が変わると、技術革新にも影響があるのだろうか。

 この疑問に答えるために、ダートマス大学のルイスは、アメリカにおける生産技術と労働者の技能水準の関係について研究した。都市ごとに見た労働技能水準の変化の違いが、それぞれの都市における工場の技術採択にどのような影響があるかを分析したのだ。

 アメリカにおける移民の流入数は、都市によって違う。このため、高校中退の労働者が増える程度も、都市によって異なる。この違いを生かした分析だ。また、ここでの生産技術とは、組み立て・加工、検査や運搬管理などを行う自動機械化を指している。労働者の技能は学歴によって分類され、大卒以上は高技能、高卒または高卒相当ア中技能、高校中退は低技能とする。

 その結果、低技能労働者が増えると技術革新が遅れることが示されている。1988年から93年にかけて、移民の流入により、高校卒業者に対する高校中退者の比率が急速に増えた。この時期にその比率が大きくなった都市ほど、88年からの5年間に、工場で追加された技術の数が減っていたのだ。つまり、工場の自動機械化が遅れた。

 高技能や中技能に比べて、低技能労働者が増えた急速に増えた大都市の工場では、生産1単位当たりの機械使用が少なくなっている。「せっかく低技能労働者がたくさんいるのだから、わざわざ設備投資をしなくても、彼らに仕事をしてもらおう」という現象が見られたのだ。専門的にいえば、低技能労働者が相対的に増えると、資本・産出高比率の成長が遅くなる。それぞれの都市で利用可能な労働者の技能水準によって、生産における資本(=機械使用)の割合が変わるのだ。
(中略)

■日本は変われるか
 日本でも、単純労働を行う外国人労働者を大量に利用することで、高度な技術を使う生産体制への移行が遅れる可能性がある。ピエリの研究では、移民が流入した州では生産性の向上が認められたが、それと同時に、低技能的な生産に偏重していた。これは、低技能の労働者が多いと高度な技術の採用が遅れるという、ルイスの研究とも一致する結果となっている。

 ただ、技術革新が遅れることは、一概に悪いことだとはいい切れない。現在働いている日本人の雇用を維持するかもしれないからだ。新しく導入される技術の操作に習熟していない低技能労働者のなかには、失業する人も出てくる。技術革新の速度をゆるめると、そうした産業転換に伴う痛みを緩和してくれる。特に、不利益を被るのが経済的弱者の場合にはなおさらだ。


ウーム 経済的には著者のおっしゃる通りであるが・・・
コロナ禍で今しもホームレスになりかねない経済的弱者は、生活保護を求めてさまよっているようです。

『移民の経済学』1

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