『越境者の政治史』2

『越境者の政治史』2
図書館に予約していた『越境者の政治史』という本を、待つこと6日でゲットしたのです。
この本の目次を見ればわかるように・・・日本人は斯くも大量に、広大に植民者として送り出されたものだと思うわけです。



【越境者の政治史 : アジア太平洋における日本人の移民と植民】


塩出浩之著、名古屋大学出版会、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
北海道・樺太へ、ハワイ・満洲・南北アメリカへ。大量に送り出された日本人移民たちの政治統合は、日本およびアジア太平洋地域の秩序にどのようなインパクトをもたらしたのか。移民史・政治史の盲点を克服し、一貫した視点で新たな全体像を描き出す。

<読む前の大使寸評>
この本の目次を見ればわかるように・・・日本人は斯くも大量に、広大に植民者として送り出されたものだと思うわけです。

<図書館予約:(6/17予約、6/23受取)>

rakuten越境者の政治史 : アジア太平洋における日本人の移民と植民


第7章でハワイの日系・アジア系住民を、見てみましょう。

<第一次世界大戦とハワイの日系・アジア系住民>p296~298
 ハワイの中国系・朝鮮系住民は第一次世界大戦中から戦後にかけて、中国・朝鮮で日本の帝国化に対して興隆した抗日ナショナリズムに呼応し、ハワイにおける両者と日系住民との関係も緊張した。それは民族自決規範の広まり、そして白人住民の排日運動とも結びつき、日系住民のハワイにおける安定的発展に影響を及ぼす問題と認識されるようになった。

 1914年に第一次世界大戦に参戦した日本が山東半島のドイツ租借地を占領し、翌年に対華二十一ヶ条要求を行ったことは、中国でナショナリズムが勃興する決定的な契機となったが、それはアメリカ本国や米領ハワイの中国系住民にとっても同様だった。ハワイの中国系住民における反日ナショナリズムの高揚は、彼らと日系住民との関係にも影響を及ぼした。

 前述のように中国の政治社会と深く結びついたハワイの中国系住民にとって、日本の対華二十一ヶ条要求は中国へのナショナリズムを強く喚起する事件となり、中国系新聞の『自由新報』(革命派)や『新中国報』(立憲派)はともに日本を強く非難した。さらに、ハワイの中国系住民と日系住民との間にも緊張関係が生じた。ハワイ出生の中国系住民からなる少年演説社は演説会を開き、「強盗」日本に対する抗戦もやむなしと主張し、加えてアメリカ西海岸などで中国系住民が日系住民の商店に対して行っていたボイコット(不買運動)に賛同する意志を表明したのである。

 中国系住民の中心的組織である中華総会館は、袁世凱政権に対して二十一ヶ条要求に関する決定の前に議会の召集を求める決議の一方で、「在留支邦人」の「社会に於ける地位を保持」すべく、戦費募集や義勇軍、ボイコットを否定する決議を行った。また『新中国報』は、中国系住民に対して「愛国熱誠」を認めながら、「海外僑民」として米領ハワイにいることを自覚するよう呼びかけた。

 しかし中華総会館の決議以後も中国系住民の一部には戦費募集やボイコットの動きが見られ、また少年演説社の存在にも示されるように、アメリカ市民権を有するハワイ出生の中国系住民がこれに積極的に関与していた。

 これに対して日系住民の側では、『日布時事』が二十一ヶ条要求は正当だと支持しながら、日中の国家間の問題で「第三者たる外国」にいるハワイの両民族が衝突すべきではないとして、ボイコットに対抗しないよう日系住民に自制を求め、『布哇報知』も中国系住民の日本に対する「悪評」は「遺憾」だと述べながら、「布哇在留民は等しく布哇の県民」だとして、「支邦人と口論する事勿れ」と説いた。
(太子注:布哇とはハワイのこと)


『越境者の政治史』1:在満日本人

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