村上龍の対談集R2

<村上龍の対談集R2>
今ではテレビで『カンブリア宮殿』というインタビュー番組を持っている村上龍であるが、小説家のなかでは経済的なセンスはぴか一なんでしょうね。
コンビニで『村上龍の質問術』という文庫本を買ったのだが・・・
とにかく、対談した経済的成功者の顔ぶれがすごいので、思わず衝動買いした次第です。(消費税値上がり初日に衝動買いするアホな大使でおま♪)

カンブリア小

・・・ということで、村上龍の対談を集めてみました。

・村上龍の質問術(2013年刊)
・最前線(1999年刊)
・村上龍(群像日本の作家)(1998年刊)

R2:『最前線』を追加
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【村上龍の質問術】
村上

村上龍著、日本経済新聞出版社、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
人気番組「カンブリア宮殿」のインタビュアーとして、300人以上の経営者と対話し、その人間的魅力と成功の秘訣を聞き出してきた村上龍。対談相手や企業の歴史を「文脈」として把握し、本質的な疑問、質問を発見する作家ならではの手法とは?著者初の文庫書き下ろし。

<読む前の大使寸評>
『カンブリア宮殿』という番組の構成、台本なんかは、製作スタッフと村上や小池栄子との共同作業で成り立っているとは思うのだが、メインキャスターたる村上の鋭い洞察力が反映されていると思うわけです。

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この本から、ユニクロの柳井社長との対談を、紹介します。
昨今はブラック企業と叩かれているが、わりと欧米的なマインドで勝ち進む柳井社長の秘訣が知りたいわけです。

<核となる質問>よりp229~231
村上:柳井さんの本のタイトルは『一勝九敗』(新潮社)ですが、相撲でいえば完璧な負け越し、野球だったら二軍落ちです。

柳井:そうですね。

村上:経営者の場合はどうなのでしょう。

柳井:反対に皆さんに連戦連勝だと思われているんですよ。でもどんなに優秀な経営者でも、連戦連勝なんてことはあり得ないでしょう、新しいことをやっていたら、失敗して当然です。1勝9敗でもいいくらいでしょう。実は連戦連勝というのは、自分たちが新しいことをやっていないということであり、失敗した原因を分析していないということなんです。商売をやっていたら、いかに冷静に失敗した原因を追究していくか、それが次の成功につながると思うのです。ですから優秀な経営者は連戦連敗だと僕は思っているのです。

小池:失敗ということでいうと、昔はスポクロ、ファミクロというのがあったんですね。
柳井:スポクロというのはスポーツウェアとシューズに特化したユニクロみたいなもの、ファミクロというのはファミリーウェア、お父さん、お母さんの服と子供服に特化した店です。

小池:ユニクロとは別に?

柳井:ええ。売れなかったですね。ユニクロと区分けしたので、同じ地域に3店あると、三つ行かないといけない。そんな面倒なことしないですよね、普通。

村上:その前に広島にユニクロの1号店を出されるんじゃないですか。これは失敗できなかったんじゃないですか。

柳井:ええ、できないです。

村上:もちろん失敗していい事業というのはないのかもしれませんが、1号店とスポクロ、ファミクロではリスクが違うんじゃないかと思うんです。

柳井:それは全然違いますよ。

村上:スポクロ、ファミクロのときはもうすでにユニクロがあった。その中で、どのくらいの分量で勝負していくわけですか。

柳井:3分の1くらいでしょうね。ですから僕は、失敗しても会社が潰れなかったらいいと思うんです。そして失敗するんだったら早く失敗しないといけない。ビジネスというのは理論通り、計画通りには絶対いかないんです。だったら早く失敗して、早く考えて、早く修正する。僕はそれが成功の秘訣だと思います。

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<最前線>
父の蔵書を引きつぐものであるが・・・
1999年刊行といえば、購入当時80歳の父の若々しい関心に驚いたのでおます♪


【最前線】


村上龍著、ラインブックス、1999年刊

<Amazon紹介>より
家族、学校、企業…さまざまな共同体が崩壊しているいま、教育、文化、経済など、各分野の最前線に立つ12人の目に映る「現場」の姿とは―。宮崎学(『突破者』)金子達仁(『28年目のハーフタイム』)河上亮一(『学校崩壊』)ほか、それぞれのフィールドで活躍する第一人者を迎えた対談集。

<大使寸評>
父の蔵書を引きつぐものであるが・・・
1999年刊行といえば、購入当時80歳の父の若々しい関心に驚いたのでおます♪

Amazon最前線

『最前線』

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<村上龍(群像日本の作家)3>
図書館で『村上龍(群像日本の作家)』というムック本を、手にしたのです。
ちょっと古い(群像日本の作家)シリーズであるが、写真も多く、切り口も多彩であり、なかなかのシリーズである。


【村上龍(群像日本の作家)】


ムック、小学館、1998年刊

<出版社>より
ドラッグ・セックス・ロック世代の青春を描き颯爽と登場した村上龍。いまデッドロックにのりあげた世紀末日本を根源から問い直す、もっとも先鋭的な作家のすべてを、同時代の作家・批評家が検証した初めてのアンソロジー。

<読む前の大使寸評>
ちょっと古い(群像日本の作家)シリーズであるが、写真も多く、切り口も多彩であり、なかなかのシリーズである。

amazon村上龍(群像日本の作家)




中上健次との対談「存在の耐えがたきサルサ」を、見てみましょう。

<ジャズと快楽幻想>p211~213
村上:ビートというと、ジャズとかロックというけど、モーツァルトにもありますからね、フッとした瞬間とか。もちろんバッハにもある。だから極端に言うと、メロディーも、リズムのあり方もビートから追っていく、そういうのが昔からあったんですよ。

中上:だから、音楽をメロディーラインで追うんじゃなくて、リズムで追っていくという感じだな。

村上:そうです。坂本からいつもバカにされるんだけども、メロディーは甘ったるいのが好きなんですよ、ほんとにもう感傷的なやつがね。

中上:坂本龍一に関しては、もうちょっと後で言いたいね。
 俺はクラシックとジャズという、しかもクラシックの一番古いものとジャズがぶつかった、そしてもう一つの俺の背景として、紀州の土俗的な世界とぶつかったというところがあるんだけどね。

 日本の作家の場合、龍でリズムというのがはっきり出てきたんじゃないのかな。リズムということをすごく気にしているよね。気にしているというか、それが音楽の第一主義みたいなさ。ロックっていうのはまさにそうだよね。

村上:ええ。

中上:ロックのメロディーラインなんてバカみたいだよ。ロックのリズムは若くなくちゃできないようなあれだろ。

村上:絶対そうですね。

中上:絶対そうだよな。年取ったらあんなのは・・・。

村上:心臓が丈夫でなきゃね。

中上:そうだよな。ジャズは違うけど、ロックなんてさ。それをもって表現したというのは、君が初めてだからさ。

村上:そうですかね。

中上:うん。それはやっぱり地殻変動を起したよね。それは俺にもないところだったよ。俺はものすごく面白いと思った。

村上:それはあれとは違うのかな。中上さんから最初に言われた、「」とか、「」って。あれとは違うんですか。

中上:あれとは違う。

村上:俺、いまでも気になるんだよね。リアリズム好きだから。映画でも小説でもリアリズムが好きなんですよ。

中上:それと違うよ。俺、対談を読み直したら、「これラリって書いたの?」と訊いたら、「中上さん、ヌーヴェル・ヴァーグの画面あるでしょ。こっち側があって、向こうがあって、全く等価に見えるみたいのがあるじゃないですか」って、君はちゃんと切り返しているよ。

村上:ちゃんと言ってますか。

中上:言ってるよ。あれは25歳ぐらいか。

村上:まだ24歳かもしれないですよ。

中上:それが悪いなんて言ってないぜ。君の小説はこうだって一応措定する、君はこういう書き方している、村上龍という新しい作家はこういう書き方している、つまり俺にはこう見えるということを言う。それはいいか悪いかとは別なんだよ。俺はそういうことで言ったんだけどさ。ちゃんと答えている。

村上:言われたから言うわけじゃないけど、ああいうところはあんまり自分でも好きじゃないんです。たとえばあるところを描写するときに、きれいな映画のパンというのはきちんとビーンといくんですね。ダメなやつというのは、変に凝って、ホッと止めて、スッとズームしたりするの。小説の描写でも、そういうのってあんまり好きじゃないの。

中上:ゴダールなんていうのはきれいに撮れるのをもう十分知ってて、つまりアップしたままパンをして、全部平面的に並べて撮るとか、そういうことをやったわけじゃない。

村上:ゴダールは知ってたんですか。

中上:知ってるよ。そう考えなきゃ面白くないもの。

村上:そうですね。

中上:そうだよ。

村上:でも案外映画ってハードに拠るところが多いというか、状況に左右されるから、たとえばジム・ジャームッシュなんかでも、フィックスが多いったって、フィックスしかできないです、全部ロケ撮影だから。そういう中で、ゴダールにとって、あれしかなかったんじゃないかな。

中上:そうだとしても、新鮮だった。それは言ってみれば機械の力だよ。ハードガソフトに影響を与え、どうしても新手法を発見させてしまうみたいな、そういうあれだからさ。

村上:あ、そうか。

中上:それはひとつもマイナスじゃない。
(後略)

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