『古代日本語の謎』1

<『古代日本語の謎』1>
父親から受け継いだ「古代日本語の謎」という本であるが、朝鮮語との類似、南洋民族との関わりなどが述べられています。
かなり専門的な本で、特に漢字の伝来について述べられているのが、興味深いのでおます。


【古代日本語の謎】
古代

江上波夫×大野晋編、毎日新聞社、1973年刊

<「BOOK」データベース>より
古書につき、データ無し

<大使寸評>
朝鮮語との類似、南洋民族との関わりなど、興味深い本であるが…
かなり専門的な本で、特に漢字の伝来について述べられているのが、興味深いのでおます。

Amazon古代日本語の謎


虞美人草とか呉音とか、この地域には格別の想いがするわけで・・・
中国語の音韻史が述べられているあたりを、見てみましょう。
p119~121
<中古音と漢音・呉音>
 日本語の起源ということを考えるについて、日本とその周辺で現在使われているいろいろな言語からさかのぼっていくのも、一つの方法であるし、文献的に奈良朝あるいはそれ以前の文献にしるされている日本語を調べていく方法もあるわけです。

 ところで、文献に記されている日本語がいったいなんで書いてあるかということを考えますと、これはだいたい漢字および漢字に由来するところの文字で書いてある。

 そのはじめは、いわゆる万葉仮名で、これはまた真仮名ともいいますが、たとえば、『上宮聖徳法王帝説』に「斑鳩」を「伊加留我」と書き表してありますように、仮名の起源を考える際にも、漢字の音についての知識、そういう素養が非常に大切であることは申すまでもないことであろうと思います。

 そこで、そういう古い時代の日本の言語をしるしたような漢字、これは中国語としてはどのへんの時代の音を使っているかといいますと、中国の音韻史でいうところの中古です。古代には違いないのですが、まんなかごろの古代という意味で中古といいます。

 これは音韻史のほうでは、隋の時代(西暦600年ごろ)を中心にして、前後に400年ずつぐらいの拡がりを考えた時代を指します。つまり三国から南北朝を経て隋唐まであたりです。それからまた、万葉仮名の基となる漢字の音としては、さらにさかのぼって、上古の音を使うこともあります。

 上古とは音韻史の上では、先秦時代(西暦前三世紀以前)を指します。漢字を使って古い日本語をしるしている場合、その漢字は上古から中古、だいたいそのへんの中国音を基礎にして使っている。ですから中国語の中古音、あるいは上古音というのはいったいどういいうものであるか、しかもそれと日本の漢字音とはどういう関係にあるのかというようなことを中心にしてお話ししようと思います。

 中国語と日本語との言語の上での系統関係はこの際いっさい申上げない。これはだいたい別系統の言語であるらしくて、さっき大野先生がいわれた「たか」「しず」というようなものを、中国音のほうでいくら考えても、こちらの学識がないせいもあるかもしれないけれども、漢語(中国語)とはまったく合わないような気がしますし、ほとんどの学者が、日本語と中国語とは別系統の言語でるということで一致していますので、単語の比較とか語彙の比較とか、そういうようなことにはいっさい触れずに、もっぱら音韻についてお話ししようと思います。

 先ほど隋の中古音、先秦の上古音というようなことを申しましたが、これらの時代の音が何故に特に取立てていわれるのかといいますと、結局は、それを知るべき資料が、その時代に集中してあるからです。

 そのうちまず中古音ですが、これがいったい何によってわかるかといいますと、『広韻』といわれている書物がありまして、その『広韻』そのものを不用意に開いてみても急にはわかりません。非常にわかりにくく書いてあるわけですから、それを調べるためには必ず音韻の図表を使わなければならない。

 音韻の図表のことを一般に韻図といいますが、日本で広く使われているのは『韻鏡』といわれている韻図です。この『広韻』と『韻鏡』をあわせて使いまして、それで中古音というものがどういう構造を持っているかがわかる「しかけ」になっているわけです。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント