『群像(2020年6月号)』4

<『群像(2020年6月号)』4>
本屋の店頭で『群像(2020年6月号)』という雑誌を、手にしたのです。
表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・
ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。


【群像(2020年6月号)】


雑誌、講談社、2020年刊

<商品説明>より
[小特集 多和田葉子]
・インタビュー
「離れていても、孤独ではない人間たちの闘争」 聞き手・構成:小澤英実
・評論
「多和田葉子の『星座小説』--『星に仄めかされて』をめぐって」岩川ありさ

[特集 翻訳小説]
・アンケート「最新翻訳小説地図」

<読む前の大使寸評>
表紙に出ている特集「多和田葉子」「翻訳小説」というコピーに太子のツボが疼くわけでこれは買うっきゃないで・・・
ということで久しぶりに雑誌を買い求めたのでおます。

rakuten群像(2020年6月号)


ブレイディみかこがイギリスのコロナウィルス対応をレポートしているので、見てみましょう
p173~174
<ブロークン・ブリテンに聞け28>
 わたしの配偶者はダンプの運転手であり、配送業従事者はいちおう英政府が定めた「キー・ワーカー」にあたる。医療関係者、警察、消防士、教員などの公共センター職員に加え、スーパーマーケット店員や配送業者などはロックダウン中でも働けと言われている。だから配偶者はこれまでどおり仕事に行っており、わが家の場合は全面的なロックダウン感はない。

 というか、この「キー・ワーカー」のリストを見ると、介護士とかバス運転手とか保育士とか低賃金の仕事がずらっと並んでいることに気づかずにはいられないのだが、それと同時に思うのは、ということはわが家がある限界にはロックダウン中も働いている人が多いのでは、ということだ。つまり、労働者階級が多く住んでいる地域は、そんなにロックダウンでひっそり眠っているような雰囲気にはなっていない、と推測されるのだ。

 推測される、などと持って回った書き方をしているのは、わたしたち一家は現在、仮住まいをしているからだ。つまり、いつも住んでいる「わが家」の地域にはいないのである。それというのも、今年の初めにセントラルヒーティング・システムが故障してしまい、家中の床を取っ払ってパイプの総取り換えが必用になり、そうこうするうちに家屋にアスベストと呼ばれる有毒な資材が使用されていたことも判明して、大修繕・改修工事が必要になったからだ。

 それで知人のツテを頼り、オーストラリアに移住したばかりの一家の住宅を一時的に借りて引っ越したのである。ところが、コロナ禍で住宅資材なども入手困難になり、当初は2ヶ月程度の予定だったのだが、もしかしたら、今年いっぱいは元の家に戻れないという状況もあり得るのでは、と呟く建設業者もいて心配になる。が、そんなわたしの心配に逆行するように、仮住まいの家の窓から見える風景は平和そのものである。

 このエリア、実はミドルクラスのポッシュな住宅地なのだ。コロナ感染? どこの話ですか?と言わんばかりのエレガントな光景が展開されていて、前庭で草刈りをしている人もいれば、椅子をパティオに出して読書に熱中している人もいる。また、外出禁止中も一日に一度のエクササイズや犬の散歩は許されているため、ジョギングしている人やサイクリングしている人、犬を連れて大きなサングラスをかけ舗道をひらひら歩いている金髪のミセスなどもいる。
 はっきり言って、外出禁止になる前と何も変わらないのだ。

 考えてみれば、この辺はふだんから在宅勤務している人が多いのだった。ブライトンの中心地から遠く離れた田園地帯。こんなところに高価な家を買って住める人たちは、自分でビジネスをやってサクセスしている人たちや、週に何度か会社に行くだけで基本は在宅勤務している企業の重役とかだ。毎日外に出てあくせく働いている人々が住むエリアではないのである。ロックダウンで眠っているわけではない。ポッシュ村はふだんから眠っているのだ。


『群像(2020年6月号)』1:翻訳小説に関する辛島デイヴィッドのレポート
『群像(2020年6月号)』2:多和田葉子のインタビュー
『群像(2020年6月号)』3:ハロー、ユーラシア



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