『日本人はなぜ存在するか』2

<『日本人はなぜ存在するか』2>
この本に載っている与那覇先生の人気講義が気になるわけで、この講義から日米中の複雑なパワーバランスを読み解く視座が得られるのではないかと・・・
期待して読んだ次第です。


【日本人はなぜ存在するか】
日本人

與那覇潤著、集英社インターナショナル、2013年刊

<「BOOK」データベース>より
日本人は、日本民族は、日本史はどのように作られた?教養科目の人気講義が一冊の本に!
【目次】
1 入門編ー日本人論を考える(「日本人」は存在するか/「日本史」はなぜ間違えるか/「日本国籍」に根拠はあるか/「日本民族」とは誰のことか/「日本文化」は日本風か)/2 発展編ー日本人論で考える(「世界」は日本をどう見てきたか/「ジャパニメーション」は鳥獣戯画か/「物語」を信じられるか/「人間」の範囲はどこまでか/「正義」は定義できるか)

<読む前の大使寸評>
與那覇先生の日本人論とあれば、読まないといけないでしょうね♪

rakuten日本人はなぜ存在するか



日本国籍のあたりを読んでみましょう。
p52~55
<「最初に日本国籍を得た人」の親の国籍は?>
 前章の最後に、国籍と参政権をめぐる話をしましたね。戦後、1952年に日本が独立するまでは「日本国籍」だった旧植民地出身者の参政権を、45年の末に取り上げてしまったのだと。そのことの当否は、今回は置いておきましょう。この話を聞いて「そもそも、どうしてそんなことができたのだろう」と、不思議に思いませんでしたか?

 まさか1946年の総選挙の際、有権者ひとりひとりに「あなたは植民地の出身ですか」と聞いて回ったとは思えない。とはいえ、日本を民主化する使命を帯びていたGHQの下で、「朝鮮・台湾民族には選挙権を認めない」などという文言で法律を作ったわけでもないでしょう。実は、そこには日本の国籍制度に特有のかたちが関わっていました。

 どこの国であれ、「国籍」が再帰的な制度であることは、ここまで本書を読んできた読者には自明だと思います。ある土地に住民が存在するからといって、どこからともなく国籍が自然に発生することはありませんよね。どの社会でも、ある特定の時期に人為的な制度として、国籍というものが作られたわけです。

「このような国籍法を制定したので、これこれの要件を満たす人がわが国の国籍保有者となります」と宣言することで、初めて国籍保有者が生じる。すなわち国籍とは徹頭徹尾、再帰的な存在です。

 では、いかなるルールによって国籍を決めるのでしょうか。大きく分けると、これには「血統主義」と「生地主義」という、2種類の考え方があります。わかりやすく言うと、子供が生れた場合、血統主義は「親の国籍を受けつぐ」というルール、生地主義は「生れた場所の国籍を得る」というルールです。よく、「日本で生れたから日本人」という言い方がありますが、国籍に関するかぎりでは、これは正しくない。日本の国籍制度は血統主義を採用しているので、正しくは「親が日本人だから日本人」になります。

 両者の分布に関していうと、東アジアや大陸ヨーロッパでは血統主義を原則とする国が多く、南北アメリカのように移民国家として出発した地域では、生地主義をとることが一般的だとされています。まったく異なる2種類のルールが併存しているわけですから、時として混乱が生じることもある。

 たとえば、日本国籍保有者どうしのカップルがアメリカで出産した場合、日本の国籍法は血統主義ですから、その子の国籍は日本となりますが、生地主義であるアメリカの国籍法から見ると、むしろその子は「アメリカ国籍」だということになります。こういう場合に二重国籍を認めるかどうかも、国によって制度が異なるのですが、とりあえず現在の日本では「国籍選択制度」を設けて、生れた本人が22歳になるまでに、日本国籍か外国籍かのどちらかを選ぶことになっています。

 では、なぜ日本は生地主義ではなく血統主義を採用したのでしょうか。現在の国籍法は1984年に改正されたものですが、血統主義をとる理由について、『改正国籍法・戸籍法の解説』という当時の法務省の文書では、次のように説明されています。

我が国は、古代統一国家成立以来単一の言語、文化、歴史を有する単一民族により構成される国家であつて、この伝統に由来する「血統」重視の意識は我が国の社会に根強く・・・国籍法における血統主義はこのような伝統、意識に基づくものであって、現時点においては、生地主義は一般国民の受け入れるところではないであろう

 つまり日本は伝統的に単一民族の国家であったため、血統を重んずる意識が非常に強いから、日本で生まれさえすれば日本国籍が得られる生地主義ではなく、血統主義を採用するということです。なんだか仰々しいし、本当かな?と思わせる説明ですね。


ウーム、単一民族が住む島国だから島国根性でいいじゃんと、ショートパスしているわけか・・・なんともはや。

『日本人はなぜ存在するか』1:比較文学p106~108、日本人の性癖p118~119

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