『日本語と韓国語』1

<『日本語と韓国語』1>
図書館の本を手当たり次第に、借りている大使であるが・・・・
なんか慌しいので、この際、積読状態の蔵書を再読しようと思い立ったのです。

・・・再読シリーズの一貫として、以下のとおり取り上げてみます。


【日本語と韓国語】
韓国語
大野敏明著、文藝春秋、2002年刊

<「BOOK」データベースより>
二千年の交流関係をもつ日韓両国には同じことばが少なくない。むかしから共通だった固有語(たとえばカマ)、近代に生み出された漢字語(たとえばヤクソク)、日本統治時代に残してきたことば(たとえばワリバシ)、そして近年、韓国から流入して日本に定着したことば(たとえばキムチ)。その一方、韓国に行って安易に「朝鮮」ということばを使うと、とんでもない目にあいかねない。なぜ南は「朝鮮」を忌避し、北は「朝鮮」に固執するのか。そこには、十九世紀末から二十世紀初頭にかけて存在した「大韓帝国」に対する認識の差があった…。日本と韓国の同質性と異質性をことばを通して、多角的にあぶりだす。

<大使寸評>
図書館の本を手当たり次第に、借りている大使であるが・・・・
なんか慌しいので、この際、積読状態の蔵書を再読しようと思い立ったのです。

Amazon日本語と韓国語



儒教民族の先祖を見てみましょう。
p82~85
<先祖の知識>
 かつて、知り合いのある雑誌社の記者がカメラマンと初めて韓国に取材旅行に行くというので、以上のような話をしたら、彼は頭を抱え込んでしまいました。彼の姓は伊藤。カメラマンは加藤というのでした。

 まあ、現代は伊藤だから、加藤だからと、不愉快な目にあうことはないでしょうが、「加藤さんは、加藤清正と関係がありますか」ぐらいは聞かれるかもしれません。その時、加藤さんが「加藤清正って誰ですか」などと聞いたら、韓国人は、その加藤さんと口をきかないでしょう。

 韓国では血がつながっていなくても、同じ姓の歴史上の有名人を知らないなんてことはあり得ません。海外に行く前に、日本の歴史や文化、伝統をよく勉強しておかないと、とんだ恥をかくことになりかねません。

 現在の日本で。江戸時代に自分の祖先は何をしていたか。そういうことに興味を持つ人はいても、それと現在の自分と結び付けたり、問題にするような日本人は少ないはずです。
 ところが、韓国では大変です。祖先がどこで、どんなことをしていたか、どのような役職についていたか、一族から何人が科挙に合格したか、などは現代を生きる子孫にとっても少なからぬ意味をもちます。極端にいうと自分の社会に対するスタンスが決定されるようなところがあります。縁故(コネ)のようなものは日本とは異なるニュアンスで受け止められます。

 韓国ではいまでも、路上などで、「〇〇金氏」などと書かれた冊子が売られていて、それを開くと、先祖から現代に至るまでの「〇〇金氏」出身の科挙合格者名、最終的地位、現代の有名人などが書かれています。
 各都市には「〇〇金氏宗親会」といった看板のかかった建物があり、その一族なら、気軽に入って行って、面倒をみてもらうことができます。それほど同じ祖先をもつ一族というのは強い絆で結ばれています。

 私も親しい韓国人から、「祖先はどこで何をしていましたか」などとよく聞かれます。「分からない」などと言おうものなら、その韓国人は「自分の祖先のことも知らない無知にして無恥の不孝者」と軽蔑するでしょう。

 徳川時代は日韓関係がよく、逆に明治維新以降は色々と問題がありましたから、韓国人は基本的に徳川幕府好き、明治政府嫌いという構図があります。したがって、いまの日本で「わたしは佐幕派です」と言っても、笑われるだけで、誰も相手にしてくれませんが、韓国では結構歓迎されます。これホント。

 もう少し古い話をしましょう。数年前、千三百年前まで百済といわれていた忠清道に行ったことがあります。その時、地元の三十代の普通のサラリーマンから言われたことです。
「白村江の戦いでは日本は百済を助けて、ともに新羅と戦った。もし、再びわれわれが慶尚道の連中とケンカになったら、加勢してくれ」

 そのことばを聞いた時は本当にびっくりしました。韓国人は良くも悪しくも自分のアイデンティティーを大事にします。家族、一族、出身校、出身地、軍隊、祖先などです。でも、それが千三百年前にまでさかのぼるというというのは驚きでした。もちろん、わたしはただちに加勢を断りましたが・・・。

<「西力東漸」下の朝鮮>
 祖先がどういう人で、どういう立場にいたかということは、韓国人にとってはいまだに重要なことなのです。祖先を敬い、苗字に誇りをもつことは日本人でも当たり前のことではありますが、韓国ではそれがより強くでます。

 韓国からのある留学生がわたしにこう言いました。
「韓国も日本も儒教の国で、日本人もわれわれと同じように祖先を敬っていると思っていたが、日本では生きている者の方が死んだ者より大事にされている。韓国では少し前まで、死んだ者の方が生きている者より大事にされていた」

 シニカルな言い回しではありますが、先祖に対する日韓の考えの違いを表しているような気がしました。

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