『習近平の中国』4

<『習近平の中国』4>
中国大使をつとめ、習近平を知悉する著者が語る中国の実情とのこと・・・
本屋で立ち読みしていて衝動買いしたのです。

コロナウイルス対応の図書館閉鎖の折、読む本に事欠いてきたので・・・
書棚からこの本を引っ張り出してきたのです。
調べてみたら2回目の再読になるので、(その3、その4)としたのです。


【習近平の中国】
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宮本雄二、新潮社 、2015年刊

<「BOOK」データベース>より
猛烈な反腐敗闘争、戦後秩序を揺さぶる外交攻勢、急減速する経済の立て直しー。二〇一二年の総書記就任以来、習近平は猛烈なスピードで改革を進めている。基本的な方向性は間違っていない。しかし、まさにその改革によって、共産党一党支配の基盤は崩れていかざるを得ない。危ういジレンマに直面する中国は今後、どこに向かうのか。中国大使をつとめ、習近平を知悉する外交官が描いた「苦闘する超大国」の実情。

<読む前の大使寸評>
中国大使をつとめ、習近平を知悉する著者が語る中国の実情とのこと・・・
本屋で立ち読みしていて衝動買いしたのです。

bunshun習近平の中国


中国共産党の病理あたりを見てみましょう。
p139~141
<暗礁に乗り上げた「みんなの党」路線>
 このように中国共産党は、“統治の正当性”を国民に説明するのに悪戦苦闘している。江沢民は、在任期間中に3倍強になった経済を背景に「みんなの党」になることで、“統治の正当性”の問題を乗り切ろうとした。だが結局、成功しなかった。

 胡錦濤の10年で、名目GDPは6倍弱となった。江沢民をはるかに凌駕する成績である。だがここでも、“統治の正当性”の壁は破れなかった。それは深刻化する経済や社会の疾病に対し、目に見える成果を出せなかったからだ。

 ときどき自分の皮膚感覚にぴったりの分析や解説に出合うことがある。ジョンズ・ホプキンス大学ランプトン教授の「軋みだした中国の統治システム」(『フォーリン・アフェアーズ』誌2014年1/2月号)という文章が、その一つだ。その中でランプトン教授は、トウ小平の時代と現代がいかに違うかをおよそ三点にまとめている。

 彼はまず、「中国の個々の指導者は、お互い同士および社会との関係において次第に弱くなってきている」と言う。

 確かに毛沢東やトウ小平は、中国革命をまさに身を以て実行し、完成させた人々であった。明治の“元勲”と同じように見えるが、毛沢東やトウ小平は、伊藤博文や山県有朋たちより一世代上の、西郷隆盛や高杉晋作クラスの“元勲”なのだ。その後に続いた政治家とは重みが違う。

 トウ小平自身、指導グループには必ず中心があるべきことを強調している。そして「第一世代の指導グループの中心は毛沢東であり、・・・第二世代は、実際上、私だった」と述べている。だから第三世代以降もそうでならなければならないのだが、江沢民の世代はどうにか江沢民が中心に座ったが、胡錦濤はそれさえできなかった。

 時代が下がるごとに、党および国民社会との関係において、個々の指導者の力は確実に弱まっている。習金平はここに挑戦しようとしている。

 ランプトンは二番目に「中国の社会、経済および官僚機構は細分化され、中国の指導者が対応し、少なくとも管理しなければならない関係者・部門の数が急激に増えている」と主張する。

 中国の社会、経済および官僚機構が細分化されたのは、制度化の進展と密接不可分の関係にある。新たな経済活動が新たな生活空間、つまり社会の活動空間を生み出す。経済も社会も、急速に多様化し多元化しており、それを管理する党・政府機構も拡大し多様化し細分化していく。

 中国の急激な経済成長は、古い制度を無意味にし、新たな制度を求める。ルールを作り、それを実施する仕組みを作り、それらを運営できる人材を養成しなければならない。しかも出来あがったと思ったら、もう時代遅れになっている。

 そうなると一昔前のように、一つの課題に一つの政策という単純な手法は使えない。複数の課題を同時に解決する複合的な政策しかない。だが複雑になればなるほど政策の実施は難しくなるし、効率も落ちる。とりわけ共産党のように上からの命令や指示で動かす仕組みになっている組織にとっては難しい。それが現在の中国指導部の直面している現実なのだ。


『習近平の中国』1:中国脅威論p216~218、王朝崩壊のメカニズムp133~135
再読『習近平の中国』:腐敗問題p74~77、三農問題p151~153、中国脅威論が理解できないp216~218
『習近平の中国』3:中国の軍拡p182~186

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