『猫背の目線』1

<『猫背の目線』1>
図書館で横尾忠則著『猫背の目線』という本を、手にしたのです。
おお 横尾忠則さんの老人目線のエッセイ集ではないか♪
赤瀬川さんが老人力を提唱して以来、この手のエッセイ集がけっこう売れていますね。


【猫背の目線】


横尾忠則著、日本経済新聞出版社、2010年刊

<「BOOK」データベース>より
古稀を迎えた猫好きの芸術家は考えた。「忙しいのは他人の時間に振り回されるから」「病気自慢が体を浄化する」「努力は運命の付録のようなもの」-老年が人生を仕上げる時期ならば、ひとつ人生を遊んでやろう、遅ればせながら隠居を実行しよう。自然に、創造的に生きたい老若男女必読。

<読む前の大使寸評>
おお 横尾忠則さんの老人目線のエッセイ集ではないか♪
赤瀬川さんが老人力を提唱して以来、この手のエッセイ集がけっこう売れていますね。

rakuten猫背の目線



老齢期の創造あたりを、見てみましょう。
p32~34
<創造行為は至るところに存在する>
 今回は特に病気または健康について報告することはなさそうだ。あるとすればわが家の猫にちょっかいを出して右手にケガをしたくらいだ。人間には自然治癒というのが備わっていてケガも1週間もすれば新しい皮膚ができて元通りにしてくれた。ぼくはこんなことに今さらのように感動したものだ。だから内蔵の病だって同じように薬を飲まないで自然治癒できるはずだ。

 この1年ぐらいぼくはずーっと夜中になると胸焼けが激しく必ず目を覚まして医薬を飲んでいた。病院に行って胃カメラを飲む必用があるだろうなと考えてもいた。ここまで悪いときっと胃がただれているとかポリープができているかも知れないと。

 でもこの想像は何の根拠もないぼくの過剰想像に過ぎない。そこで医薬なしで治してやろうと考えた。胸焼けの原因となっているらしい油物と甘い物を極力避けて野菜中心の食事に変えた。するとどうってことなお、4、5日で胸焼けが取れてしまった。
(中略)

 さて話題を変えよう。ぼくの職業は美術家で絵の制作が大部分だ。ぼくは最近「隠居宣言」をした。どういうことかというと一番経済的基盤になっていたデザインの仕事を止めて好きな絵や、こうしたエッセイを書く生活に切り替えたのである。

 すると暇になると思うでしょう。ところがその反対であの絵も描こう、この絵も描こう、こんな本を作ろう、あんな本も出そうということで実に忙しくなってしまったのである。でも以前みたいに締め切りに追われることがないのでその分ストレスがなくなった。嫌なことはしない、好きなことだけをする、に変わってしまったのでストレスなど起こりようがない。

 病気の原因の大半はストレスから来ているという。まあぼくの場合でいえばぼくの外部(つまり社会)をできるだけ冷やす。すると自然に内部が熱くなる。内部が熱くなると今度は自主的に能動的にいろいろとインスピレーションが湧き、頼まれ仕事に比べようもないほど創造的生命力が湧き出してくるのである。

 よく画家は長生きすると言われていますよね。夭折の画家は別として、ピカソにしても、ミロにしても、ダリにしても、デ・キリコにしても、マチスにしても、挙げればきりがないがここに挙げた巨匠たちはだいたい90歳まで生きている。日本の洋画家や日本画家の大御所もそのくらい生きた人が何人もいる。江戸時代の画家などは40代で隠居生活に入って、それ以後みんな傑作を描き上げている。その代わり最初は貧乏だ。でも晩年は売れっ子画家になった。

 物を創るということ、つまり創造は生命力である。この両者はイコールでこの二つが一つになると宇宙(摂理)と直結する。宇宙と直結するということは魂と一体になるということだ。すると頭で考えた絵ではなく魂の表現したいものがそのまま作品になるのである。ここまでくれば大したものですね。天才という人種はこれをやっているのですよ。

 すると何が起こると思いますか。絵がよく売れて、有名になって、お金がたくさん入ってくる。じゃないですねえ。創造による生命力によって寿命が延びるわけです。1枚描いてなんぼのもんや、と考えている間は逆に寿命が縮むかも知れません。欲望に振り回されている分生命力を削っているからです。死に至る病気はこのせいです。別に90歳まで生きなくてもせめて80歳くらいまでは生きて絵を描きたいものです。


ウーム 横尾さん初期のエッセイということだが・・・
なんか文章が真面目すぎて遊びがないように思うのだが、よう知らんけど。

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